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認定看護師になるには?21の特定領域の解説と取得メリット※まとめ

看護師のスキルアップ資格として注目されている、認定看護師。高度化する医療現場において、専門性を発揮し、質の高い看護を提供できると認められた看護師のことです。

救急看護や皮膚・排泄ケアなど、各専門領域で看護が必要と判断された患者や家族に対し、最適な看護を実践します。

また、他の看護師に働きかけ、専門知識や看護技術を指導したり、相談に応じたりする役割も担っています。

資格取得は決して容易ではありませんが、自身の専門領域を高められ、キャリアアップにつながるとの理由から、取得希望者は年々増加しています。

そこで今回は、認定看護師の資格一覧と取得方法について、解説します!

認定看護師になるには

認定看護師02

認定看護師になるには、日本看護協会が定めた認定審査に合格しなければなりません。こちらの認定審査は、看護師であれば誰でも受験できるというわけではなく、次の条件を満たしていることが必須となります。

まず、看護師として 通算5年以上の実務経験 を積んでいること。さらに、そのうち 通算3年以上は、特定の認定看護分野に携わっている必要 があります。

そして、これらの条件をクリアしたのち、615時間にもおよぶ認定看護師教育課程を修了することで、初めて認定審査の受験資格が得られます。

審査は、マークシート方式の筆記試験で申請はWeb上で行います。なお、申請にあたっては、税込で50760円の審査料が必要になりますが、費用を全額負担してくれる職場も多いため事前に問い合わせておきましょう。

また、認定看護師の資格は、5年ごとの更新制で審査をクリアしなければ継続して資格を保有することはできません。

さらに、審査を受ける場合も、受験資格が定められており過去5年間の看護実践時間が2000時間を超えていること、そして、学会および研究会への参加や発表において、規定の内容で50点以上に達していることが求められます。

認定看護師の分野

認定看護師03

認定看護師の分野は、2016年1月時点で下記の21種類に分類されています。選択に際しては、各分野の患者を5例以上担当した実績が求められます。(※分野により異なります)

救急看護(登録者数:1104名)
突発的な事故や病気の急変などにより救急処置が必要な患者にケアを施します。また、専門的な知識や技術を発揮し、患者だけでなく家族の支援も行います。主に、救命救急センターでの活躍が期待されています。

皮膚・排泄ケア(登録者数:2286名)
皮膚や排泄のケアにおけるエキスパートです。創傷や排泄の管理、ストーマのケアなどを高い看護スキルによって施します。

身につけた知識や技術は、一般病棟だけでなく介護施設などでも活用できます。なお、分野選択に際しては、これまでにストーマ造設患者の看護を1例以上、創傷もしくは失禁ケア領域の看護を4例以上担当した実績が必要です。

集中ケア(登録者数:1101名)
ICU(集中治療室)でケアを受けている患者に対し、病態変化の予測や重篤化の予防を実施します。また、二次的合併症の予防および回復のため早期リハビリテーションを施します。

暖和ケア(登録者数:2007名)
がん治療における、身体的・精神的苦痛を軽減しその人らしい生き方を支えるための看護を提供します。

呼吸困難や倦怠感、疼痛などの症状を和らげたり、患者や家族が抱える喪失感と向き合い、ケアを施したりします。

がん化学療法看護(登録者数:1449名)
がん化学療法を受ける患者に対し、治療の意思決定のサポートや薬の投与管理などを行います。毒性の強い薬物を取り扱うため、薬物に関する専門的な知識や技術が求められます。また副作用症状の緩和も大切な役割のひとつです。

がん性疼痛看護(登録者数:755名)
がんで苦しむ患者が抱える痛みは、身体的なものにとどまりません。精神的な痛みや社会的な不安を伴っています。

よって、薬物の適切な選定や痛みを緩和させるためのケアが必要になります。がん性疼痛看護の認定看護師は、それらを総合的にサポートすることで患者が抱えるあらゆる痛みを軽減します。

感染管理(登録者数:2529名)
患者や施設を対象に、的確で効率的な感染管理を計画、実践、評価します。院内感染を防止するため、関連するデータをスタッフに周知したり指導を行ったり、改善案を提案したりします。

糖尿病看護(登録者数:820名)
生活習慣病のひとつとされる、糖尿病の患者を支援します。血糖値の管理を行う、血糖パターンマネジメントや糖尿病による足病変を予防するためのフットケア、療養生活支援等を担当します。

不妊症看護(登録者数:162名)
生殖医療を受けるカップルに対し、身体的、精神的な面からケアを施します。治療や検査に関する最新の情報を提供するだけでなく自己決定のサポートも行います。

新生児集中ケア(登録者数:372名)
高度医療が必要な、ハイリスク新生児の病態変化を予測し重篤化を予防します。
個別性の高いケアを実践し、心理的に不安定な状態にある親と子どもが関係を構築できるように支援を行います。

透析看護(登録者数:220名)
安全な透析治療が行われるように管理し、療養生活における生活指導を行います。
病院内の透析室や透析センターなどで活躍することが期待されます。

手術看護(登録者数:463名)
周手術期の患者をサポートし、質の高い看護を提供します。
また、他の二次的合併症を予防するための安全管理を行ったり、手術室スタッフの相談に応じたりして解決策を提示します。

訪問看護(登録者数:490名)
在宅療養者に対し、高い水準の看護を提供し、セルフケア支援等を行います。
医師や薬剤師など他のスタッフと協働し個々人の生活の質を下げることなく治療を受けられるようにします。

乳がん看護(登録者数:316名)
身体的にも精神的にも苦痛を強いられる乳がんの治療をサポートします。
治療選択に関する情報を提供したり、ボディイメージの変容に対する心理的ケアを施したりします。

摂食・嚥下障害看護(登録者数:668名)
加齢や疾病等の影響で、摂食・嚥下機能に障害を持つ人びとをケアします。
摂食・嚥下機能の病態をアセスメントし、適切な嚥下訓練を実施したり、安全な摂食方法を確立したりします。また、窒息、脱水、誤嚥性肺炎などの二次的障害を予防します。

小児救急看護(登録者数:249名)
救急時の子どもに対し、迅速な救命技術を用いてケアを施します。また、近年社会問題化する虐待や育児不安に対応し家庭全体を支援します。

認知症看護(登録者数:805名)
認知症者および家族に対し、高い水準の看護を実践します。認知症の各期に応じた安心かつ安全な療養環境を調整し、他職種と連携しながら介護家族のサポートを行います。

脳卒中リハビリテーション(登録者数:635名)
脳卒中によって生じた機能障害をケアし、セルフケアの向上、生活の再構築を行います。
各期に応じて必要な情報を提供したり、社会復帰に向けたリハビリテーションを実施したりします。

がん放射線療法看護(登録者数:223名)
がん放射線療法を受ける患者に対し、身体的・精神的・社会的な面から、支援を行います。多くの患者は、放射線療法に不安を感じています。

そのため、個々の状態に合わせて的確な説明を行い、疑問に応じることで不安を軽減化させます。また治療に伴う副作用症状の予防や緩和を行います。

慢性呼吸器疾患看護(登録者数:244名)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支喘息等をはじめとする、慢性呼吸器疾患に悩む患者をケアします。

呼吸機能の評価を実施するだけでなく、機能を向上させるためのリハビリテーションやセルフマネジメント力を高めるための指導を行います。活躍場所は、呼吸器科や手術室、リハビリテーション施設など多岐に渡ります。

慢性心不全看護(登録者数:296名)
慢性心不全で苦しむ患者に対し、心不全増悪因子の評価およびモニタリングを実施し、個々人の生活環境に応じた療養支援を行います。また、服薬や食事管理などセルフケアの指導を行います。

参考:日本看護協会「認定看護師 分野別都道府県別登録者数」より

近年注目されている認定分野とは

現在、制定されている認定看護師の分野のなかでも慢性呼吸器疾患看護と慢性心不全看護は、2010年より認定が開始された新しい領域です。

よって、これらの領域で認定された場合、スペシャリストとしての希少性が高いと考えられます。現在、転職を考えていてこの2分野での経験を積みたい人は、資格取得を考えてみても良いでしょう。

また、認知看護は、高齢化によってますますニーズが高まっている分野です。一般的な病院だけでなく介護施設や訪問看護など、活躍の場が幅広いため自身の看護スキルの汎用性を実感できるはずです。

まとめ【転職の際にも高評価!認定看護師の資格を取得して、キャリアアップを目指そう!】

認定看護師の資格取得には、様々な条件があり、更新の際にも過去の実績が求められます。そのため、簡単に取得できる資格ではありませんが、自身の専門領域を高められキャリアアップに役立つメリットがあります。

現在の職場での評価が向上するだけでなく、転職する際にも有利に働くことでしょう。
なお、総合病院への転職を希望している場合は、配属先の決定にも関与します。

認定看護師として、専門的な知識や技術を習得していれば、それらを活かせる診療科へ配属される可能性が高くなります。

ただし、転職先での年収アップを目的に取得することはあまりおすすめしません。認定看護師の資格を取得しても、給与の査定に影響しない病院は多くあります。よって、給与ではなく、まずは、スキルの向上を第一に資格取得を目指しましょう。

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