看護師は転職しやすい職種ですので、20代でも2人に1人が転職を経験しています。
しかし、その全ての転職が成功しているかと言えば、決してそうではありません。
「転職しなければよかった」と逆に悔やんでしまう看護師も少なからずいるのです。
転職に失敗しない為には実例から学ぶことが一番です。
そこでこの記事では、転職活動が初心者の看護師に向けて転職の失敗例と成功例を紹介し、後悔しない転職をするためのノウハウを解説します。
みき
めぐみ
ジョブス
めぐみ
ジョブス
看護師が転職で失敗したケース別の体験談3例
転職で失敗してしまう理由は様々ですが、基本的には「自己分析不足」と「情報収集不足」の2点です。
時間がかかってもこの2点さえ間違わなければ、転職で失敗する可能性は限りなくゼロにすることができます。
まずは転職で失敗した例から学び、自分自身の転職活動に活かしましょう。
失敗例1
ルーズでストレスを感じるクリニック
結衣さん:病院 クリニック
急性期のせかせかした毎日に疲れて、病床600床の病院から無床クリニックに転職しました。
今まで仕事を優先してきたライフスタイルからプライベートをもっと充実させたたいと思ったのも転職理由の一つです。
ただ、実際に働き始めて勤怠管理や危機管理がルーズで、他の看護師に相談しても今まで大丈夫だったからと改善する気がありませんでした。
前職場では、規則やマニュアルがきちんとあったので、そのギャップにストレスを感じるようになりました。
また、ちょっとしたミスや患者とのコミュニケーションが上手くいかないと、「なぜミスをしたのか、クリニックの評判が落ちるかもしれない、責任は取れるのか」と、叱責されるようになりました。
確かに日勤勤務で定時には上がれるものの精神的にしんどいです。こんなクリニックだと退職する時も揉めるんだろうなと悩んでいます。
失敗した理由と失敗から学ぶべきこと
失敗した理由
- クリニックの内情や経営者の性格など深い情報収集ができていなかった
- 理想としている働き方を明確に描けてなかった
今回の失敗の大きな原因は、転職先のリサーチ不足です。
クリニックは大体こんな感じだろうといったイメージ先行で、院内システムや経営者の性格まで情報収集ができていなかったことが重大なミスと言えます。
最近ではネットで患者視点のレビューを調べることができるので、そういった評判も合わせてチェックするとより深くクリニックの内情を収集できたでしょう。
また、元々急性期病院で働いていたことから、クリニックで働くことに物足りなさと向上心のなさを感じてしまっているようです。
前病院で科異動や日勤勤務も視野に入れていれば、転職せずとも理想の働き方ができたかもしれません。
失敗例2
高給与だが通勤時間に難あり病院
朱莉さん:病院 病院
シングルマザーとういう事もあって、子どもの教育費や将来の貯蓄に不安があり、給与アップができる転職先を探しました。
基本給3万アップ、夜勤手当12,500円、賞与4.4ヶ月分に惹かれて、通勤時間が1時間以上もかかる病院に転職しましたが、これが大きな失敗でした。
トータルで年収で50万円以上アップするので通勤時間は我慢しようと思っていましたが、いざ毎日のこととなると出勤するだけでヘトヘトになります。
家事洗濯をする余裕もなく子どもとの時間も減りがちに。
もし独身で寮に入るんだったら良いのかもしれませんが、自宅から通うことを考えるともっとちゃんと優先順位を決めておくべきでした。
失敗した理由と失敗から学ぶべきこと
失敗した理由
- 一つの軸で病院を選んでしまった
- 通勤時間のデメリットをイメージしきれていなかった
子どもと将来のことを考えて給与アップを目指すことは素晴らしのですが、金銭的なメリットの代償が大きすぎて失敗した例です。
通勤時間は転職先選びでも優先順位を高め設定にしたほうがよい項目なのです。
実は、通勤時間と幸福度を調査した結果、通勤時間が長いほど人生の幸福度は低い結果が出ています。
「通勤に1時間を要する人の場合、職場に歩いて通える人と同程度の満足度を得るためには、その人よりも40%多くお金を稼がなければならない」
アロイス・スタッツァー氏とブルーノ・フライ氏
この失敗例の看護師は「2,3年働いたら通勤距離が近い転職先を探す」と仰っていました。
理想の通勤時間は、家から30分圏内の病院です。もし、年収を維持したまま自宅から近い距離の病院に転職できれば理想的でしょう。
失敗例2
求人情報と内容が異なる病院
真衣さん:病院 病院
一つ目の病院を退職後、数ヶ月ゆっくりしようと思い失業給付を申請しました。
失業給付を貰うには定期的にハローワークに行く必要があるので、その時に看護師の求人をよくチェックしていたんです。
ハローワークにあった求人票の中で給与は高めで、自宅からも通いやすい小規模病院が求人募集していたので、ラッキーと思いました。面接と病院見学も行い即内定。
元々は外来の日勤で採用されたのに、病棟勤務の経験があるので「夜勤もやって貰うかもしれない」と言われました。極め付けは、求人票の提示給与と実際の給与が異なり少なかったんです。
求人票の情報だけを信じて細部まで確認しなかった私が馬鹿でした。
失敗した理由と失敗から学ぶべきこと
失敗した理由
- 転職手段を一つに限定してしまった
- 求人票の内容を鵜呑みにして再確認しなかった
転職エージェントを利用せず、ハローワークに掲載されている求人情報だけで転職してしまった事が最大のミスと言えます。
実は、ハローワークが扱う求人内容と実際の労働条件が異なるとした苦情が年間4,000件以上あります。
転職エージェントであれば求職者と求人元の間に入って細部の条件を詰めてくれますが、ハローワークだと単なる紹介のみにすぎないのです。
ジョブス
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看護師が転職で成功したケース別の体験談3例
転職に成功するか失敗するかは、ほんのわずかな労力の差です。
思い込みを捨てて、候補先を絞り、徹底的に情報収集することで転職先のありのままを把握することができます。
転職の成否は自分次第の判断ですが、納得できる転職ができた看護師の体験談を紹介します
成功例1
正看護師の資格取得のために転職
恵麻さん:病院 病院
准看護師として働きながら正看護師の資格を取得するために、急性期病院に夜勤専従として転職しました。
現在は、月10回程度の夜勤を行いながら通信制の看護学校で勉強しています。常勤の夜勤専従なので社会保険完備で給与面も充実していることが魅力です。
元々転職した病院には、私と同じ境遇で正看護師資格の取得のために転職した人もいたので安心感がありました。
また、病院内に看護学校があるので、学業を中心とした勤務にも理解がある点も決めての一つです。
成功した理由と成功から学ぶべきこと
成功した理由
- 転職しなければならない理由を明確にしている
- 将来働き続けることを考えて事前交渉し、勤務形態を変更した
客観的に転職に成功したか否かを判断されることがしばしばありますが、結局は自分次第です。
この体験談では、「正看護師になる」「収入と社会保険を維持する」「キャリアを継続する」の3つ指標で転職先を探していました。
最も大切なのは、自分が転職によって何を手に入れたいかを明確にしておくことです。
大切なものを手に入れることができれば、他の部分が犠牲になってもストレスにはなりにくいでしょう。
成功例2
急性期から慢性期への転職
真央さん:病院 病院
前職では急性期病院に務めていました。配属された病棟は忙しく、毎日オペ入院、ナースコール鳴りっぱなし、そして、未だに手書きカルテなので時間を取られていました。
退院された方の名前を忘れてしまうほど忙しかったので、もっと患者とゆっくり関われる病院で働きたいと転職を決意しました。
私は社会経験した後に看護師になりました。同年代よりも年が上なこともあって覚えることに時間がかかり、人間関係に悩んでいたことも転職しようと思った理由の一つです。
転職活動では、患者とじっくり関われる回復期に興味があったのでリハビリ科、そして、まとまった休みが取れる2交代を希望しました。
自分の理想の働き方ができそうな病院を入院患者層から考えて、いくつかの病院を絞りました。
そして、調べていくうちに知人が働いていることを知って、直接話を聞くことができた事が決め手になりました。
他にも転職エージェントのコンサルタントから内部情報を教えてもらったり、ホームページにある職員ブログなども参考にしました。
成功した理由と成功から学ぶべきこと
成功した理由
- 実際の実務状況を徹底的にリサーチした
- やりたい看護を優先し給与や手当を高望みしなかった
希望する病院で働く知人を見つけることが出来たのは大きな成功要因です。
また、年収に縛られず前職で苦痛に感じていたことを打開するためのに最優先にすべき項目と妥協すべき項目を分類していたことも転職に成功した理由です。
色々な病院から看護師が集まるグループワーク研修などでも気になる病院で働く看護師を見つけることが出来ます。
転職活動で必ずプラスになるので、恥ずかしがらずに連絡先を聞いたり、交流を持っておくと良いでしょう。
成功例3
母親の介護のためUターン転職
春翔さん:病院 病院
北海道に住む母親の介護が必要になり、都内の急性期病院から地元の療養病院に転職しました。
彼女や婚約者もいなかったので、結婚前に移動しておいたほうが良いと考えたのも正直なところです。
私自身が母親の介護要因になるため、「残業がない、有給消化率が高い、休日が多い」ことが、最優先条件でした。
ワークライフバランスを第一条件に考えながらも、将来に備えて教育面が充実していればなお良いと思っていました。
転職エージェントを通して求人先を探していたところ、有給完全消化と残業ゼロに力を入れている療養病院を紹介してもらいました。
急性期から療養だったのでやりがいを感じれるか心配でしたが、「あなたの都合に極力合わせられる」と言われたことが好印象でした。
転職した結果、自分の生活が充実していないと患者にも同じように接することが出来ないし、患者との触れ合いの中で慢性呼吸器疾患看護に興味を持つことができました。
成功した理由と成功から学ぶべきこと
成功した理由
- 優先順位を明確にし妥協点を決めた
母親の介護を十分にできる環境を整えるために、働きやすさを第一の優先順位にしており、病院の設備や規模、給与面では妥協した点が転職の成功要因です。
また、求人先である病院に求職者の状況を理解してもらったこともプラスの要員として作用しました。
急性期でバリバリ働いていた看護師が、慢性期で働くと物足りなさを感じてしまうものですが、この体験談の方は自分なりに新しいやりがいを見つけるよう努力した点もポイントです。
みき
ジョブス
めぐみ
みき
失敗から学ぶ!看護師転職の成功ノウハウとは?
3つのポイント
- 転職理由と優先順位を明確にしておく
- 転職先候補を複数に絞り、徹底的にリサーチする
- 一つの項目だけでなく、総合的に判断する
1、転職理由と優先順位を明確にしておく
転職理由を明確にしないと転職活動中に本当に転職すべきか悩みながら活動をすることになるので、転職ぜずとも転職しても、どちらにしても後悔する羽目になります。
例えば、「働きづらくて嫌」ではなく「この点が働きづらくて嫌」と具体的に洗い出しておくことで、転職先に求めるものも明らかになります。
そうすることで必然的に優先順位もわかってくるので、いくら時間がかかろうが退職理由と優先順位は明確にしておきましょう。
2、転職先候補を複数に絞り、徹底的にリサーチする
月の残業時間、有休消化率、看護師長や同僚の人間性、離職率、夜勤の配置人数、病院の強み、収益性、毎年の昇給額、など、リサーチしておくべき項目は多数あります。
「思っていた職場とは違う」となれば、転職してから後悔することになり、またすぐに転職したくなってしまいます。
転職エージェントのサポートと自分でも過去の医療事故や患者の口コミなど、調べられる情報は徹底的にリサーチしておきましょう。
3、一つの項目だけでなく、総合的に判断する
給与が高い、通勤時間が短い、夜勤が少ない、など、一つの項目で判断してしまうと失敗する可能性が高くなります。
給与が高くても、高いのには高いなりの理由があり、実際に働くと嫌気がさしてしまうかもしれません。
転職先を判断する為には、あくまでも優先順位に沿って総合力で判断しましょう。
みき
めぐみ
ジョブス
まとめ:転職エージェントを効率的に活用する!
転職先を分析するには転職エージェントのサポートが必要不可欠です。
残業代未払い、離職率が異様に高い、いわゆるブラック病院は、転職エージェント界隈では有名だったりするので、転職先の候補に入れないで済みます。
また、コンサルタントに相談することで転職理由を客観的に分析することもできます。
大手転職エージェントですと「レバウェル看護・マイナビ看護師・ナースフル」が有名どころですが、特にオススメできるのが「マイナビ看護師」です。
実地調査に力を入れているので内部情報に詳しく、給与アップの実績も豊富なので、口コミ評価が高いことが特徴です。
ジョブス
名前や電話番号など必要事項を記入したら登録完了です。登録後は担当コンサルタントから連絡がきますので、まずは「相談」することから始めてみましょう。