看護師として神奈川県立がんセンターへの転職を考えている。この病院に勤務経験のある看護師からの評判や年収などの実情を知りたい。あと、良い面だけでなく、悪い面もしっかり教えて欲しい。
この記事ではこういった疑問に答えます。
- 神奈川県立がんセンターが看護師から選ばれる3つの理由
- 神奈川県立がんセンターで働く看護師の様々な実情を調査
- 神奈川県立がんセンターが募集する看護師求人と採用試験
同院は、建て替えられたばかりのがんの専門病院です。ドラマの撮影でもよく使われるので、知名度のある病院でもあります。
高度ながん医療を提供する中核病院として、診断から治療、緩和ケア、がん研究まで幅広く行っています。
しかし、そんな知名度のある専門病院と言えども、働く上では良いことばかりではありません。実際に現場で働いている看護師の実情も紹介しますので、転職先選びの参考にしてくださいね。
看護師めぐみ
看護師みき
転職アドバイザー ジョブス
神奈川県立がんセンターが看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:がん看護と緩和ケアの専門性を身に付けられる
- その2:専門領域の異なるグルーブ病院へ異動ができる
- その3:準公務員なだけあり福利厚生と育児支援が充実
それぞれ解説します。
その1:がん看護と緩和ケアの専門性を身に付けられる
同院では、がん看護と緩和ケアの専門性を身に付けることができます。
がんの各ステージや治療法に応じた幅広いがん看護を学ぶことができます。化学療法、放射線治療、免疫療法など、最新の治療法にも触れながら、しっかりと実務経験を積むことができるでしょう。
身体症状の緩和や精神心理的ケアなど、患者とその家族のQOL向上のための幅広い知識と技術を学ぶことができます。緩和ケアへの配属は、経験のある中途入職者だとしても院内で看護経験を積んだ後になります。
専門病院であるがゆえに、総合病院と比べて経験できる疾患の種類は限られます。また、業務量が多く、理想と現実のギャップを感じることもあるかもしれません。
しかし、がん看護を深く学びたい、専門性を高めたいという人は、やりがいのある職場と言えます。
看護師めぐみ
看護師みき
転職アドバイザー ジョブス
その2:専門領域の異なるグルーブ病院へ異動ができる
同院を運営する神奈川県立病院機構は、専門領域の異なる複数の病院を運営しています。そのため、看護師を含む職員は、病院間の異動をすることができます。
病院ごとの特徴は以下の通り。
- 精神医療センター:精神疾患の専門病院(横浜市南区)
- こども医療センター:小児医療の専門病院(横浜市南区)
- 循環器呼吸器病センター:循環器および呼吸器疾患の専門病院(横浜市金沢区)
- 足柄上病院:足柄上エリアの総合病院(栃木県足柄上郡)
異動は、本人の希望や適性、病院の状況などを考慮して判断されます。
異動のメリットとしては、専門性を高めたり、新たな分野に挑戦できることです。
看護師みき
その3:準公務員なだけあり福利厚生と育児支援が充実
同院は、職員が安心して長く働けるよう、充実した福利厚生と育児支援を提供しています。
年間の休日数は多く、夜勤明けは必ず休みになります。ホテルやテーマパークの割引など、嬉しい特典も用意されています。
手厚い育児支援については以下の通り。
- 妊娠中の通勤緩和や夜勤免除
- 病院の敷地内に職員専用の保育所がある
- 子供が3歳まで育児休業を取れる(給与は原則として子供が1歳になるまで)
- 子供が小学校に上がるまでは時短勤務ができる
病棟は忙しいこともあり、時短勤務を希望するママ看護師は外来への配属が多いです。
話は少しそれますが、このような病院のサポート体制の結果、看護師の離職率は9%台です。専門病院は離職率が高くなる傾向がありますが、定着率の良さを示しています。
転職アドバイザー ジョブス
神奈川県立がんセンターで働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
人間関係の問題が起こりやすい
実情1:年収・給与の実情
給与に関しては、神奈川県内の同規模の病院と比べると一般的な水準です。
- 給与:303,400円〜、337,300円〜(経験5年)、350,000円〜(経験10年)
- 夜勤手当:8,000円/回
- 通勤手当:55,000円/月(上限)
- 住居手当:28,500円/月(上限)
- 賞与:4.45ヶ月
決して悪い水準ではないのですが、不満の声も聞かれます。とくに、規模の大きい病院と比べると基本給や夜勤手当が低いことが原因のようです。
残業代は入力式ですが、最終的には師長が確認します。基本的には残業した分は支給されますが、中には師長が無断で残業時間を減らしたという声もあがっています。
転職アドバイザー ジョブス
看護師みき
看護師めぐみ
実情2:教育・研修の実情
集合研修とフォローアップ研修を通して、がん看護の基礎知識と技術を学びます。中途入職者は、個々の経験や能力に応じて、必要な研修を受ける流れです。
その後、専門性を高める段階的な研修プログラムが用意されており、eラーニングを活用した自己学習も可能です。がん化学療法看護や緩和ケアなど、様々なテーマの研修が開催されています。
なお、希望する研修に必ず参加できるとは限らないようです。
あと、常に学び続けることが必要なので、その重圧に押し潰されてしまう若手も一定数いるとのことでした。
看護師めぐみ
実情3:残業・離職率の実情
残業に関しては、忙しい時期もしくは忙しい病棟で毎日2〜3時間とのこと。比較的落ち着いている病棟では、1時間程度の残業で退勤できる場合もあり部署によって差があります。
ちなみに、総じて「業務量が多くて忙しい」というのが共通意見でした。
離職率に関しては、令和5年度の看護師全体で8.8%と、専門病院としては低い水準です。しかし、中堅層の離職が多く、負荷の偏りや人間関係の問題などが背景にあるようです。
過去にはパワハラ問題も発生しており、一部の看護師長やベテラン看護師の威圧的な態度がストレスの原因になっているとの声もありました。
転職アドバイザー ジョブス
実情4:福利厚生・育児支援の実情
福利厚生と育児支援に関しては、前述した通りです。
勤務形態は病棟によって代わり、変則二交代の病棟と三交代の病棟があります。
看護師めぐみ
看護師みき
実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
令和5年度は、20億円の純損失。つまり、大赤字です。
令和2〜4年度も赤字で、コロナ以前から、医療費の高騰や人材不足などの課題を抱えていました。
260億円の純資産があるので今すぐどうこうなるわけではないですが、それでも早急な経営改善は必須です。
転職アドバイザー ジョブス
看護師みき
神奈川県立がんセンターが募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
常勤職員の求人内容
同院では、常勤や契約社員、非常勤の夜勤専従の募集を行っています。
常勤職員の求人内容
職種 | 看護師 |
---|---|
雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 経験3年以上 |
給与 | 303,400円〜 |
勤務形態 | 変則2交代制・3交代制(病棟による) |
休日 | 4週8休制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:個人面接 |
常勤職員の採用試験
採用試験は、「一次:書類選考、二次:個人面接」です。人材不足ということもあり落とすような試験ではありませんが、なぜがんの専門病院を希望するかを明確に答えられるようにしておきましょう。なお、応募資格として実務経験3年が必要になります。