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産業看護師

産業看護師

産業看護師とは、民間の企業で働く看護師のことを指します。働く場所により仕事内容はさまざまですが、一つだけ共通しているのが、医療行為はほとんどないということです。病院や施設などで働く中、悩みが絶えず行き詰った時に転職を考えることもあるでしょう。

「看護師の資格をそのまま生かしたいが仕事内容を大きく変えたい」そんな時に、産業看護師は選択肢の一つになります。ここでは、産業看護師で働く看護師の仕事内容やメリットとデメリットなどについてご紹介します

産業看護師の職場と仕事内容

産業看護師02

企業の医務室・健康管理室
健康診断で指導・相談が必要な社員への面談や安全衛生委員会への参加、うつ病などで休職中の社員が復職するまでのメンタルヘルスケア、過重労働対策を行います。また、産業医との連携や緊急時の応急処置なども行います。

治験関連企業
治験がスムーズに進むよう治験被験者と医療機関、製薬会社との連携を図ります。治験関連企業で働く看護師は、CRC(治験コーディネーター) とCRA(臨床開発モニター)に分かれます。

医療機器メーカー
販売する医療機器の営業と販売後のサポートをします。フィールドナースやクリニカルスペシャリストと呼ばれます。

健康相談コールセンター
患者さんの健康相談やメンタルヘルスカウンセリングを、電話で行います。さまざまな疾患の相談に対応しなければならないため、臨床経験3年から5年以上を応募資格とするところが多いです。

産業看護師として働くメリット

体力的な負担が少ない
病院で働く看護師は、清潔ケアや排泄介助、移乗動作など体力的負担を強いられますが、産業看護師にはそれがありません。

また、健康相談コールセンターは24時間体制ですが、それ以外では夜勤・土日出勤がなく暦通りの休みとなるため体力的な負担が少ないと言えます。

成果が評価や昇格につながる
企業の経営方針により異なるため一概には言えませんが、病院などのように経験年数ではなく実力を重視します。能力がしっかりと給料に反映されるため、やりがいにつながります。

医療行為による心理的負担が少ない
医療行為のミスは患者さんの命につながるため、それをプレッシャーと感じ負担になってしまう人もいます。

産業看護師の仕事は、医療行為はほとんどありません。もちろん企業もミスできない現場ではありますが、命を扱う心理的負担から解放されます。

産業看護師として働くデメリット

病院勤務への再就職は厳しい
産業看護師として働く間は医療行為を行うことがほとんどないため、医療技術が低下してしまいます。また、病院へ再就職する際には看護師経験年数で基本給与額が決まりますが、産業看護師として働いた期間は看護師経験年数に含まれません。そのため、産業看護師から病院への再就職はなかなか厳しいと言えるでしょう。

パソコンのスキルが要求される
産業看護師はデスクワークが基本のため、病院勤務以上にパソコンのスキルが求められます。WordとExcelの基本操作、タイピングスキルは最低限身につきておきましょう。

看護師の同僚が少ない
健康相談コールセンターは皆看護師ですが、その他の産業看護師は看護師の同僚が少ない中で働きます。

職場によっては、看護師は自分だけというところもあるでしょう。大勢の看護師に囲まれて働いてきた人にとっては心細く感じることもあるかもしれません。

産業看護師に向いている看護師像

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コミュニケーション能力が高い
企業看護師や健康相談コールセンターでは身体的な健康相談だけでなく、メンタルヘルスケアもします。

また、治験患者へのインフォームドコンセントでは治験に対する不安を取り除くためのサポートをします。相手との信頼関係を築くためには、高いコミュニケーション能力とカウンセリングスキルが必要となってきます。

プレゼンテーション能力が高い
産業看護師の主な仕事は営業・指導・相談です。つまり、疾患や製品に対する説明を求められる機会が多いのです。

説明をする際に、相手が納得するような説得力のある話し方ができる人は成果を上げやすいですし、昇格も早いでしょう。

産業看護師の年収・給料

産業看護師04

医療機関より若干高め

産業看護師の年収についての公表データはないため、はっきりとした数字はわかりませんが、一般的には400~600万円程度が多いです。

医療機関に勤める看護師の年収より若干高めです。その中でも治験関連企業や医療機器メーカーは400~800万と、幅が出ます。能力の高い人はどんどん年収が上がっていき、さらには年収1000万越えも夢ではないです。

就業先の企業により差が出る
産業看護師は企業の従業員という立場ですので、給料は会社の経営状態に左右されます。大手企業や上場企業などは給料が高い傾向にあります。

福利厚生も企業に準ずる福利厚生も企業に準ずるため、大手企業に就職した際は手厚い福利厚生を受けることができます。

産業看護師の求人状況に関して

企業医務室・健康管理室へ就職する産業看護師の採用人数は、多くの従業員を抱える企業でも1~2人です。

人気のある職業であり、応募人数に比べて募集人数が少ないため、なかなか就職できないというのが現状でしょう。

健康相談コールセンターの数もそれほど多くはないので、まだまだ求人は少ないです。

それに対して、治験関連企業や医療機器メーカーは離職率が高く、求人情報がたくさんあります。離職率が高い原因として、過酷な労働環境であることと、企業を変えることで収入が上がることなどが挙げられます。

しかしその求人のほとんどは非公開求人のため、人材紹介会社に登録するのが
よいでしょう。

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