看護師1年目として働き始めたものの、想像以上の仕事量と慣れない夜勤にミスが重なり、プリセプターや先輩から叱責され、辞めたいと感じる新人看護師は多いのではないでしょうか?
ですが、臨床経験が未熟な看護師がその場の勢いで転職活動を行っても、上手くいかないケースが多いのが現状です。
しかし、第二新卒という考えも広く浸透していることも事実。
そこでこの記事では、「入職すぐに転職したい看護師」「第二新卒として転職したい看護師」に向けて、新人看護師の転職事情や転職ノウハウを解説します。
みき
めぐみ
ジョブス
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全職種と比べると低い!新人看護師の離職率とは?
日本看護協会と日本医療労働組合連合会のアンケート調査によると、就職後1年以内に退職する人は7.6%。3年以内ともなると15.9%なので、20人に3人は退職していることがわかります。
- 3年以内の離職率:31.8%
- 1年以内の離職率:11.5%
- 3年以内の離職率:15.9%
- 1年以内の離職率:7.6%
看護師の離職率は、全産業の平均値よりも低く、定着率が高い職種なのがわかります。
ただし、その理由一つは、看護師特有の「病院奨学金制度(お礼奉公)」が関係しています。
奨学金の貸与期間に応じて働かないといけないため、3〜4年働かないと奨学金の一括返済を求められるので辞めるに辞められないのです。
奨学金が返せない!看護師のお礼奉公中は退職できないの?肩代わり病院と解決策を解説
病院の規模別の離職率
病院規模別に新人看護師の離職率を調査すると、病床数が多ければ多いほど離職率が低いことがわかります。
規模 | 1年以内の離職率 |
99床以下 | 12.4% |
100〜199床 | 10.7% |
200〜299床 | 9.0% |
300〜399床 | 7.1% |
400〜499床 | 7.9% |
500床以上 | 6.6% |
99床以下の病院ともなると全産業の平均離職率11.5%よりも高い値で、10人に1人以上は辞めていることになります。
病院規模が小さいと教育体制や福利厚生が整っていないので、新人看護師にとっては早い段階で見切りをつけて転職をしているのでしょう。
めぐみ
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新人看護師が辞めたいと思う原因と理由
辞めたいと思う理由と原因
- 指導とは名ばかりのいじめ
- 研修や教育を行ってもらえず放置される
- 新人は残業代が貰えない(申請できない)
- 希望していた診療科に配属されなかった
- 忙しい割に給与が低い(特に介護施設の場合)
- 実際に働いてみて看護師に向いていないと思った
- 病院ではなく企業で働きたい
新人看護師が辞めたいと思う理由は様々ですが、大きく分ければ3パターンに分類できます。
- プリセプターや先輩看護師の指導がいじめにちかい、邪険に扱われることもしばしばある
- 教育制度や待遇などに関して病院に不満がある
- 想像していた業務と現実にギャップがあり、本当にやりたい仕事に気が付いてしまった
医療業界はまだまだ閉鎖的な部分が多く、実際に働いてみるまで本当のところが分からないことが多いです。
入職後、何かしろの不満が出てしまうのは避けられませんが、「いじめ・無視される」パターンであれば、長く働いていても体調を崩してしまうだけでしょう。
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経験不足の新人看護師が辞めた場合のリスク
新人看護師が経験不足のまま退職した場合、そのあとの転職活動で不利になる可能性大いにあります。
職歴が1年未満での退職だと看護スキルを活かすための下地ができていいないので、ただの逃避行動として考えれれてしまうこともあります。
また、1年未満で退職した事実が今後の転職活動においても、履歴書に延々に記載されていくため、採用担当者からも不必要な注目を浴びてしまう可能性があります。
経験不足だと求人選びで失敗することも!
臨床経験が1年未満だと、転職先を選ぶ際の優先順位や確認すべき項目にまで考えが至りません。
そうなってしまうと、経験のある看護師なら怪しく思うような求人でも年収や条件の良さに引かれて応募してしまい、現状よりもより悪い条件と環境で働くことになる羽目にも。
短期間で何度も転職するわけにもいかないので、身体的にも精神的にもボロボロになりながら勤め上げるしかなくなってしまいます。
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病院の第二新卒受け入れ状況とは?
医療業界ではあまり聞き馴染みのない「第二新卒」ですが、社会一般的には広く浸透しているキーワードになります。
具体的な定義は決まっていませんが、卒後入職してから1〜2年以内に転職活動を行う新人を指します。
総合職や営業職のような専門的なスキルが必要ない職種では、第二新卒を対象にした採用募集が積極的に行われています。
しかし、看護師の業務は独占かつ専門的な技能が必要とされるので、第二新卒の採用募集は少なからずあるもののあまり積極的ではないのが現状です。
第二新卒を募集する病院とは?
採用側にとってリクルーティング活動はコストも時間もかかるので、すぐに辞めてしまう看護師を採用するのはリスクがあります。
通常であれば、新人ではない経験者を採用するものですが、第二新卒でも積極的に採用する職場があります。
いえ、正確に言えば「採用せざるを得ない職場」があります。以下が主な職場です。
- いくら求人募集しても看護師の応募がない職場
- 看護師数が少ないので今すぐにでも看護師を増やしたい職場
- 退職予定の看護師の穴を早く埋めたい職場
- 採用予定人数を大幅に下回っている職場
常に看護師数が足りていないといういことは、ブラックな職場である可能性は大いにあります。
しかし、待遇も職場環境も優れているのに立地的な問題で看護師が集まらない病院もあるので、まずはリサーチを行うことが大切です。
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第二新卒看護師が転職で失敗しない3つのポイント
失敗を繰り返さないためにも、以下の3つのポイントを念頭におき転職活動を行えば、第二新卒でも転職に失敗する可能性を下げることができます。
- 病院の内部情報を徹底的に調べる
- 病床数の少ない小規模病院は候補から外す
- 退職理由を明確に答えられるように準備する
1、候補病院の内部情報を徹底的に調べる
転職で失敗する最大の原因は、リサーチ不足です。情報収集を怠ってしまうと、ブラック病院か否かを見極めることができません。
もし、同じ失敗を繰り返し1年以内に2回も転職するとなると、次に採用される確率がグンと低くなります。
第二新卒の募集と言えども、募集人数が少なく不採用になることはよくあるので、最低でも5〜6院は候補を挙げておきましょう。
2、病床数の少ない小規模病院は候補から外す
病院規模と離職率が反比例するように、小規模病院の多くが新人を教育できるだけの人員とマニュアルが整備されていません。
特に1年以内で退職した看護師であれば、教育に力を入れている病院でスキルを磨かなければなりません。
「今の職場をすぐにでも辞めたい」「第二新卒として雇ってくれるならどこでもいい」という考えで病院を選んでしまうと、また同じ目にあってしまいます。
第二新卒実績のある500床以上の病院を選ぶようにしましょう。
3、退職理由を明確に答えられるように準備する
第二新卒の看護師が最も悩むことが、マイナスの印象を与えず、どのように退職理由を説明できるかでしょう。
後々にバレる可能性がある嘘は避けるべきですが、入職して1年未満での転職はポジティブに言い換えることが難しいのが現状です。
ネガティブな退職理由だとしても、卑屈にならず自身の「やる気・人柄・将来像」を伝えるようにすれば良い印象を与える退職理由になります。
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第二新卒の退職理由で良い印象を与える例文
どうのように退職理由を伝えるかどうかは悩ましい点ですが、実際のエピソードを退職理由に盛り込むことで、信ぴょう性のある好印象な退職理由になります。
良い理由
私が働く病院で医療事故が起こった時、情報共有と医療事故を繰り返さないための意見会議がありました。
この時、私を含めた看護師で医療事故防止マニュアルの刷新とシステム導入の検討を提案しましたが、私が新人であることもそうですが、同僚との間に温度差があり、ただの情報共有で終わりました。
工夫と努力次第でもっと安全に働きやすくなるのに、日々の業務に忙殺されて私と一部以外は面倒と感じているようでした。
そのため、理想とする看護師像を目指す上で入職してからまだ10ヶ月ですが、年齢や役職に関係なく、建設的な意見交換とその意見を取り入れる社風のある御院で働きたいと思い応募しました。
ネガティブな退職理由でも応募先の優れた点や差別化しているポイントに言及すれば、採用担当者にマイナスの印象を与えません。
ただし、以下のような自分本位な退職理由だと採用されるのは難しくなります。
悪い理由1
前職では、緊張と慣れない勤務で小さなミスを繰り返し起こしてしまいました。
パートナーシップ看護方式でお互い支え合いながら業務を行わないといけないのに、本当は先輩もチェック不足だったりミスを私のせいにされたり…。
悪い理由2
現在の職場は、教育制度が整っておらずマニュアルもあってないようなもので放置気味です。
このままでは成長できないと感じたので、教育制度が整う御院で働きたいと思い応募しました。
第二新卒として転職した看護師の体験談
体験談1
新卒で入職した急性期病院に馴染めず11ヶ月で辞めました。忙しい病棟だったので物覚えの悪い私は、何度も怒られ最終的には無視されるようになりました。
前職を逃げるように退職して、転職エージェントにすがりつきました。結果的に基本給も福利厚生も前職よりも条件が良い病院に転職できました。
看護師の仕事が嫌いそうになりましたけど、病院が違うだけで仕事が楽しく感じます。日々頑張っています。
体験談2
入職して2年目に入り精神的に余裕ができたので、将来のキャリアを考えるようになりました。
サービス残業、退勤後の勉強会、有給が取れない、改めて考えるとブランクな病院に勤めていることに気がつきました。
今後子育てすることを考えると早く転職した方が良いと考えて、臨床経験が1年少ししかないものの転職をしました。
現職ばはずっと働き続けられる安心感があるのでモチベーションも維持できています。
自分のやりたい看護や方向性が分かれば、採用担当者にもその熱意は伝わります。
今の職場では達成できない夢があれば、ネガティブな退職理由だとしてもポジティブに変換しやすいでしょう。
ジョブス
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まとめ:辞めるか否か冷静に考えて行動を!
入職してすぐに退職することは、その後の看護師人生でマイナスの影響を与える可能性があります。
可能であれば、1年以内ではなく2年目を過ぎたタイミングの方が、採用担当者の印象を変わってきます。
しかし、精神的に疲弊して精神疾患になってしまっては元も子もないので、転職という最善の選択を行いましょう。
もしくは、雇用保険の加入期間が1年以上であれば失業給付が支給されるので、まずは退職してしまうのも一つの手です。
辞めるにしろ続けるにしろ、仕事に全てを奪われないためにも冷静な判断を持って行動しましょう。
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