「いざ転職したらイメージと違った」「年収の高さで選んだら激務でしんどい」「仕事が単調過ぎて辛い」
転職先の内部情報をしっかりと収集し、事前準備を徹底したとしても、こういったアンラッキーな事態に陥ることは決して珍しいことではありません。
職場ごとの違いを比較できたことで転職しなければよかったと後悔することもあるでしょう。
そんな時に頭をよぎるのが出戻りです。
この記事では、出戻りを検討している看護師に向けて出戻りの実情やデメリットを解説します。
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やっぱり出戻りしたい看護師の相談内容
以下は当サイトに連絡をくださった、看護師4年目の恵梨香さんの相談内容です。
転職してみたら聞いてた話とは違う、よくある失敗談です。
新しい職場で働き始めましたが、事前に聞いていた話とは異なりサービス残業や過密なシフト組みでかなり仕事がハードです。
毎月の残業も余裕で72時間を超えるので、消耗して気力がこれっぽっちもありません。
学びたい専門領域があって転職したのですが、このまま働き続けたら倒れてしまいそうです。
前職場のありがたさというか、働きやすかったなと身にしみます。
戻りたい気持ちはあるのですが、前にいた職場が快く迎えてくれるか、同じ条件で雇用してくれるか不安です。
実際に出戻りすべきなのでしょうか?
転職して比較対象ができたことで初めて気づくことがあるように、以前の病院の方が合っていたと気づくのは仕方のないことです。
それでは、実際に出戻りができるのかどうか。
結論から言うと、前職場を円満に退職できていれば、出戻りできる可能性はかなり高いです。
ただし、出戻りすべきなのかどうかはまた違う話なので、詳しくは順を追って解説します。
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出戻り看護師は受け入れられやすい
病院側にとって出戻り看護師は、職場の勝手が分かっているのでオリエンテーションの必要がなく、すぐにでも通常業務ができるので採用のメリットがあります。
円満退職していれば、余程のことがない限り雇ってくれるケースが多いでしょう。
ただし、退職理由に不満があったり、引き留めを強引に振り払ったりしているのであれば、出戻りは難しいです。
理由は想像に難くなく出戻りしてもまたすぐに転職してしまう懸念があるからです。
一部の企業では「出戻り」を制度化
一部の企業では「出戻り」が制度化されているのはご存知でしょうか?
例えば、柿の種でお馴染みの亀田製菓や地方銀行トップの横浜銀行、IT企業のサイバーエージェントなどでは、出戻り制度があります。
病院や介護施設で出戻り制度を導入している法人はまだありませんが、出戻り自体は一般的なこととなりつつあります。
隣の芝生が青くないことが転職を通して学んだことで、出戻りによってより一層業務に励んでくれる可能性が高いので、病院としても積極的に取り入れたい人材なのです。
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出戻り看護師に聞いた本音とは?
出戻り自体が容易なことがわかりましたが、出戻ってみた結果はどうなのでしょうか?
実際に出戻り経験のある看護師へアンケートを取った結果は以下の通りです。
- 出戻りして良かった 38%
- 出戻りしなければ良かった 23%
- どちらとも言えない 39%
「出戻りしなければ良かった」回答が最も少ないものの、「どちらとも言えない」がわずかですが、「出戻りして良かった」を上回りました。
この結果から考察すると、やはり一度転職を決断したからには、何かしろの不満があったはずです。
その不満を改善するために転職をしたのだから、出戻りしたとしても不満を持ち続けてしまうことがわかります。
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出戻り看護師のデメリットとは?
出戻り看護師が最も考慮しなければいけないデメリットは給与面です。
出戻りの場合、給与の決定方法は以下の2パターンです。
- 中途採用者規定に合わせて決定
- 退職時と同様の待遇
「戻らせてもらう」って事は、給料の交渉ができる状態ではないので低くなる可能性がある事は承知しておかなければなりません。
看護師業務は売り上げ数字のような成果基準を明確に定めることができないため、看護技術はもちろんですが、何年継続して働いているかも重要な指標になります。
看護技術が同じだろうが、新卒から働き続けている看護師と中途入社の看護師では、前者の方が年収が高い傾向があるのです。
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出戻り看護師の4つのリスク
出戻り看護師を看護部長や看護師長が喜んで受け入れてくれる一方、一緒に働く同僚が納得するかはまた別の話です。
以下には出戻りした場合のリスク例です。
- 今まで仲が良かった同僚の態度が冷たい
- 元々いた診療科とは異なる病棟に配属される
- 組織体制やルールが変わり働きづらくなっている
- 後輩が上司になっていることも
出戻りする側の感覚では辞めた当初のイメージを持って戻りますが、実際にはある程度の期間が経過しているので、病院内の環境や体制が変化していることがあります。
また、忠義を持って働くことが美徳とされる日本では、出戻り看護師に悪いイメージを持っている職員も少なからずいます。
過去のイメージのままだと痛い目にあってしまうでしょう。
まとめ:現状維持・出戻り・転職を天秤にかける
いかに経験豊富な看護師だとしても新しい環境で働くことは不慣れがことが多くストレスを感じやすいものです。
それはごくごく普通のこと。
もし、慣れない環境が原因のストレスを理由に出戻りを考えているのであれば、思い留まった方が賢明です。
出戻りしたとしても元々所属していた診療科と異なる病棟に配属されれば結局同じ事です。
現状維持か、出戻りするか、転職するか、あらゆるリスクを検討して、ベストな選択を行いましょう。