看護師として国立がん研究センター中央病院への転職を考えている。この病院に勤務経験のある看護師からの評判や年収などの実情を知りたい。あと、良い面だけでなく、悪い面もしっかり教えて欲しい。
この記事ではこういった疑問に答えます。
- 国立がんセンター中央病院が看護師から選ばれる3つの理由
- 国立がんセンター中央病院で働く看護師の様々な実情を調査
- 国立がんセンター中央病院が募集する看護師求人と採用試験
同院と言えば、腫瘍部門で世界的に評価される専門病院です。(腫瘍部門であれば、世界で16番目に権威があります。)そのため、専門的ながん看護を学びたい人に人気があります。
しかし、そんな人気病院と言えども、働く上では良いことばかりではありません。実際に現場で働いている看護師の実情も紹介しますので、転職選びの参考にしてください。
看護師みき
看護師めぐみ
国立がんセンター中央病院が看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:がん看護に関する高い実践能力が身に付く
- その2:教育体制に定評があり希望制の研修も豊富
- その3:準公務員として公務員と同等の待遇がある
その1:がん看護に関する高い実践能力が身に付く
同院は、国内のがん治療を牽引している病院のひとつです。診療科に至っては、脳脊髄腫瘍科や眼腫瘍科など、疾病や身体の部位によって細分化されています。そのため、より専門的ながん看護を学ぶことができます。
また、専門・認定看護師が59人ほど在籍しているので、ロールモデルとなる存在がそばにいる環境で働くことができます。(がん看護専門看護師は13名です。)
とにもかくにも、がんに関するあらゆる治療方法を経験するので、がん看護のプロフェッショナルを目指す人にはうってつけです。
転職アドバイザー ジョブス
その2:教育体制に定評があり希望制の研修もある
同院の教育体制は、「組織への貢献力・がん看護ケア実践能力・役割遂行能力・マネジメント能力・自己教育能力」の5つの能力を高める教育が行われます。
具体的には、「ベーシック研修」で基礎的な看護知識を学び、「がん看護コース」へステップアップしていく流れです。希望制の研修も豊富にあるため、意欲のある人にとっては魅力的な環境だと思います。
ただし、入職して3年目ぐらいまではレポートと院外研修に追われます。そのため、休日に病棟に行ったり、院内の図書館で勉強している人が多くいるようです。
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その3:準公務員ですが公務員の待遇に準じている
同院を運営する国立研究開発法人は独立行政法人なので、職員の身分は準公務員(みなし公務員)になります。とは言え、準公務員といえど公務員と同等の待遇(給与や福利厚生など)に準じています。
医療職の公務員待遇は、民間病院と比べてかなり恵まれています。赤字経営でも賞与はしっかり出ますし、住宅手当や通勤手当など各種手当の額も高いことが大きな利点です。
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国立がんセンター中央病院で働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
実情1:年収・給与の実情
金銭面に関しては、公務員と同等の待遇だけあってかなり高い部類です。具体的には以下の通り。
- 基本給:251,760円(地域手当込み)
- 賞与:4.2ヶ月
- 夜勤手当:12,500円/回
- 住宅手当:上限27,000円/月
- 通勤手当:上限55,000円/月
実務経験が5年程度の中途入職者であれば、すぐに年収500万円は超えます。賞与に関しても、減額している病院が多い中、4.2ヶ月分の支給です。
なお、昇給が全然しない、、、との声も聞きますが、昇給額は年5,000円ほどになります。この金額は一般的な額なので、昇給してないわけではありません。
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実情2:教育・研修の実情
教育制度に関しては、ラダー段階に応じた継続教育を行っています。他の病院と教育のステップ自体は変わりませんね。教育内容は、すでに述べた通りです。
ちなみに希望制の研修も豊富にありますが、忙しい業務に疲れてそれどころではないという人が多いようです。また、大学院や海外研修などのキャリア支援もしていますが、支援という割にはそこまで魅力的な支援制度ではありません。(メリットは推薦状を書いてくれることぐらいです。)
転職アドバイザー ジョブス
実情3:残業・離職率の実情
残業に関しては、基本的には毎日のようにあるが、それでも1〜2時間以内です。以前は2時間以上が当たり前でしたが、少しずつ改善されてきています。
離職率に関しては、具体的なデータを公表していませんが、同院の平均勤続年数は「5.8年」です。この勤続年数から考察すると、それなりに離職率が高く中堅層が少ないことがわかります。(看護師の平均値は「9.2年」です。)
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実情4:福利厚生・育児支援の実情
福利厚生に関しては、職員寮や食堂など一般的なことは整っています。他院と比べての違いと言えば、図書室があることぐらいです。
育児支援に関しては、365日24時間対応してくれる職員専用の保育所があることが大きな利点です。しかし、子育てしている人に対して時短勤務者は少なく、わりと早い段階で時短勤務から通常勤務に戻っているようです。
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実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
経営状況はとても良好です。前年の当期純利益は約12億円ですし、医業収益以外に臨床研究として政府からの交付金や企業からの受託研究を請け負っているので、安定的な収益につながっています。
なお、元国立病院だったことが原因なのか、組織体制は古いままです。実際、第三者機関からの格付けでは、業務効率化の点であまり良い評価ではありません。
転職アドバイザー ジョブス
国立がんセンター中央病院が募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
常勤と非常勤の求人内容
同院では、常勤と非常勤の募集を行なっています。
常勤職員の求人内容
職種 | 看護師 |
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雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 資格保有者 |
給与 | 301,760円(夜勤手当含む) |
勤務形態 | 2交替 |
休日 | 週休2日制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:面接・小論文 |
非常勤職員の求人内容
職種 | 看護師 |
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雇用形態 | 非常勤職員(1年更新・最長5年) |
応募資格 | 資格保有者 |
時給 | 1,800円 |
勤務時間 | ①8:00〜15:00、②11:30〜18:15 |
休日 | 週休2日制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:面接 |
常勤職員の採用試験
採用試験は「書類審査、面接、小論文」の3つです。月に2回も採用試験を行うぐらい人材不足なので、そこまで難しい試験ではないことが予想できます。最近の医療ニュース関連を復習して小論文対策を行なっていれば問題ないでしょう。