転職回数は、転職活動の際にかなり重要なポイントの一つです。その理由は、転職回数が多ければ、どうしても「すぐに辞める人」という印象が面接官に残ってしまうからです。
すぐに辞める人を採用したいと考える面接官はいないですよね。では転職回数は、何回までであれば、面接官に悪い印象を持たれずに済むのでしょうか。
平均転職回数は年齢によっても異なります。自分は平均より転職回数が多いかどうか、把握することも大切です。
今回は平均転職回数と看護師の転職回数の限度、そして面接の対策について紹介します。
転職回数が多い=採用で不利になるの?
転職回数が多ければ、転職活動で不利になります。
なぜなら、どうしても同じくらいの技術や学歴を持つ看護師を選考することになった際に、どうしても転職回数が少ない看護師の方が、面接担当者からは良い印象になるからです。
冒頭でもお伝えしたように、転職回数が多ければ「すぐに辞める人」という印象が残ります。
看護師の現場は、ただでさえ離職率の高さが問題視されています。すぐに辞める看護師を採用してしまうと、その責任が面接官など、採用担当者に発生する場合もあるからです。
またワークライフバランスへ配慮がある人気病院になるほど、採用枠に対する求職者の競争率は高くなります。
そうなると、採用担当者は、求職者を比較して精査します。
転職回数が多くなれば、それだけ履歴書の埋まる項目も多くなるので、どうしても悪い方に印象が残りがちです。
転職回数が多いことで、そもそも書類選考が通過しない、という状況に陥る可能性もあるのです。
看護師の年齢別平均転職回数
リクルート社のナースフルが公開している情報によると、看護師の年齢別平均転職回数は、以下の通りです。
- 20代:1.9回
- 30代:3回
- 40代:3.8回
また日本看護協会の「2012年 病院における看護職員需給状況調査」によれば、看護師の離職率は常勤10.9%、非常勤7.5%。
夜勤負担が重いほど、離職率が高い傾向にあります。もちろん、転職は前向きな理由で取り組むケースもあります。
しかし現在働いている現場での負担が重いために、転職を余儀なくされている場合も少なくないといえるでしょう。
このような実態からも分かるように、看護師としてキャリアを形成する場合、転職を前提に考えた方が現実的です。
特に女性で看護師として働く場合、どれだけ新卒で入職した病院が自分に合っていたとしても、結婚や出産などのライフイベントがあると、どうしても退職が必要になる可能性が高いですよね。
看護師としてのキャリアを考えるなら、転職そのものは悪ではありません。
しかし、前述した年齢別の平均転職回数よりも、転職してきた回数が多い場合は、転職活動に影響する可能性は高くなります。
転職回数より勤続期間をチェックしている
転職回数が書類選考や面接で重要になることは前述した通りですが、それ以上に重視されるポイントがあります。
それは勤続期間です。仮に転職回数が30代で5回程度あったとしても、その全てが2年以上勤続していれば、それほど悪い印象にはなりません。
しかし1ヶ月や2ヶ月など、短期間で辞めてしまった職歴がある場合、面接官に「すぐ辞める」という印象を強く与えてしまうのです。
これは自分自身が面接担当者の気持ちになって考えれば分かることです。私も実際に採用の経験がありますが、採用担当者には経営層からのプレッシャーがかかります。
すぐ辞める人材や、問題を起こす人材を採用してしまった時に詰問されるのは、採用担当者だからです。
仮に30代で4回の転職経験がある、看護師から応募があったとしましょう。
そのうち一人目は、それぞれの職場で2年以上勤務していたとします。
二人目は、1つ目の病院は6年間務めて、他の3つの病院は半年で転職していたとします。
あなたが採用担当者なら、どちらの求職者を安心して採用できるでしょうか。
間違いなく、後者ですよね。一つの病院で6年間務めた、という忍耐力は評価に値するものです。
しかしその評価があるのは、6年間務めた後の転職活動の時だけです。
どれだけ過去に輝かしい経歴があったとしても、直近の職場を半年で離職していれば、面接官にはどうしても「すぐに辞める」という印象を持ってしまいます。
面接の際は、直近の仕事の勤続期間が重要になる、ということも意識しておきましょう。
このような面接官の立場や心理を考えれば、転職を有利にするためには、今の職場でもう少し我慢してみる、という選択も見えてみますよね。
仮に半年しか務めていないのであれば、1年間務めてから、転職した方が、スムーズに転職できる可能性があるからです。
そのため長期的なキャリアを考えるなら、仮に転職に失敗してしまった、すぐに他に移りたいと感じることがあったとしても、できるだけ長く務めることを考えましょう。
もちろん無理は禁物ですが、我慢できる限り耐えて勤続期間を長くした方が、今後の転職活動が有利になるからです。
転職した理由が明確に答えられるようなら転職回数に限度はない
転職した回数が平均よりも多かったとしても、面接の答え方によっては、良い印象を面接官に残すことができます。
転職した理由が明確に答えられるようなら、転職回数に限度はありません。なぜなら、結婚していて、旦那が転勤族の場合、どうしても病院を転々とする必要が出てしまいますよね。
旦那が転勤族なら、40代を迎える頃には転職回数は10回を越えているかもしれません。
しかし理由を説明できれば、面接官はそこまで悪い印象を持つことはありません。
矛盾のない説明ができれば、転職回数に限度はありません。逆に何の目的も持たず、勤続年数だけ長くなっているよりは良いともいえるでしょう。
転職した経歴がなく、一つの病院で長く務めてきたのであれば、何故長く働いたのか、またどのようなスキルを身につけることができたのかを説明することが欠かせません。
転職活動が多かったとしても、少なかったとしても、自分の経歴についてしっかりとプレゼンできることが大切です。
面接官が看護師を面接する際に見ているポイントは、矛盾がないかどうかです。医療の現場は科学的、かつ論理的であることが求められます。
経歴の説明に矛盾がある場合、それだけでコミュニケ―ションスキルに乏しいと判断されてしまう可能性があります。
看護師としての転職活動でこれから面接に挑む、という場合は、矛盾なく説明できるように、面接対策に取り組んでおくことをおすすめします。
なお、これから転職活動を始める看護師は、転職エージェントのレバウェル看護をお勧めします。
取り扱っている求人の質が良く転職サポートを充実しているため力強いパートナーになってくれますよ。