一般女性の平均年収より150万円ほど高い看護師ですが、現状の年収に満足していない方は多いのではないでしょうか?
当サイトが看護師100人に行った給与調査では、満足している看護師が多かったものの、満足していない看護師の年収は400万円に満たない結果でした。
他にも調査から分かった重要なことは、看護師としてのキャリアがあったとしても、勤務する病院によっては釣り合った対価を貰えていないという事です。
しかし、年収を上げる方法とコツは実際にあります。
そこでこの記事では、看護師100人の給与明細と4000件の病院を分析した結果から、看護師が年収を上げる方法を解説します。
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給与に不満のある看護師の相談内容
当サイトあてに、年収に不満のある看護師から問い合わせがありました。
了承をもらい一部を抜粋して以下に紹介します。
休憩中に同僚と給料の話になったのですが、10年働いている先輩が年収430万円程度って聞いて驚きました。
てっきりもっと貰えてるものだと思っていたので、私がこの病院で働き続けても同じくらいの年収なんだなと思うと急にモチベーションが下がってしまいました。
生活に余裕がないわけではないけど、仕事量に準じた給与は欲しいと思ってます。
夜勤回数や手当次第で給料額が変わることはわかっているのですが、このまま働き続けていいものか悩んでいます。
現在勤めている病院や会社で頑張り、昇給と昇進を目指すのは大切な事に間違いありません。
特に看護師の場合、非管理職と看護師長とでは200万円近く年収が異なるので、年収を上げる方法の一つではあります。
しかし、そもそものベース年収や年収上限が低い病院の場合、いくら頑張っても大幅な年収アップはまず見込めません。
例えば、看護師長の平均年収は669万円です。もしも看護師長ですら500万円台の年収であるなら、その病院で働き続けても昇給は期待できないでしょう。
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どこの病院で働くかが最も重要
年収を上げる方法で最も重要なのは「どこの病院で働くか」です。
看護師としてのスキルを数値化することは難しいので、キャリアが十分にある看護師だとしても働く病院が違うだけで年収が100万円以上変わってきます。
看護師の年収が高い病院には共通点があります。
- 1000人以上規模の病院(病床数でいうと500床以上)
- 独立行政法人含む公的病院
詳しくは「えっ私の年収低すぎ?看護師の平均年収と給料を年齢や役職別に徹底分析」でデータを解説していますが、まず病床規模と年収は比例します。
様々な要因がありますが、大学病院や病床数500床以上の病院は、患者数が一般病院よりも格段に多く、特定機能を持っているので、大きく診療報酬を稼ぐことができます。
そのため、医療スタッフの給与や手当を充実させることができるのです。
賞与に限っては平均4.5〜5ヶ月分支給しているので、小規模病院と比べて2倍近く多い額になります。
また、民間病院より公的病院の方が手当の種類と額が高いので、年収もそれに応じて高い傾向にあります。
しかし、一点注意が必要なのは公的病院の半数以上が赤字経営であることです。
経営が苦しくても看護師の手当や賞与額を大幅に減らしている病院はほとんどありませんでしたが、将来的に統合や再建で環境が変わる可能性はあります。
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その他の年収を上げる4つの方法
その他の年収を上げる方法として、すぐ年収を上げられる方法と時間がかかる方法の2つがあります。
ただし、年収の上がり幅に関しては、かなり差があるので、自分の適性や目標値をまず決めておきましょう。
- 美容外科で働く
- 副業をする
- 管理職になる
- 認定・専門看護師になる
それぞれ解説します。
1、美容外科で働く
美容外科で働く看護師の平均年収は520万円〜600万円なので、看護師の平均年収より40万円ほど高い基準です。
- 給料:35万円+報奨金
- 賞与:70万〜90万円(約2ヶ月分)
- 年収:520万円〜600万円
美容外科の多くが35万円を基本給と設定し、年に数回の報奨金制度(歩合)を設けています。
手術室での勤務経験がある看護師なら入職時点で500万円を超える年収を得られるのも魅力です。
また、手術室経験のない看護師でも3年目ぐらいには看護師の平均年収である480万円を超えることができます。
すぐに年収を上げられる点と夜勤がない点はメリットですが、年収700万円、800万円を稼ぎたいのであれば500床以上の大規模病院の管理職でないと稼ぐことは難しいです。
また、美容外科の離職率は20%を超えるの点もデメリットです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
右肩上がりの美容医療!美容外科で働く看護師の業務内容や年収とは?
2、副業をする
本業の他に、副業で月3万円稼ぐことができれば年36万円になるので、これも年収を上げる一つの方法です。
検診やイベント、夜勤バイトなど看護師資格を活かせる副業は多くあります。
しかし、病院でも副業解禁が少しずつ進んでいますが、未だに病院の大半が副業を禁止していますし、そもそも公務員は法律上、副業を行うことができません。
副業で稼げる労働収入だと月に3〜5万円が限度なので、本業での資格取得や管理職になる努力を行った方が将来的な年収は多くなります。
ブログやYOUTUBEであれば月に100万円以上稼ぐこともできますが、時間がかかる上に運の要素もあります。
副業は短期的には収入を挙げられますが、継続することはオススメしません。
詳しくは以下の記事で解説しています。
右肩上がりの美容医療!美容外科で働く看護師の業務内容や年収とは?
3、管理職になる
看護師の場合、非管理職と管理職の年収にはかなりの差があります。
- 看護部長:平均年収812万円
- 看護師長:平均年収669万円
経験10年目、非管理職の平均年収が498万円なので、年収差は150万円以上になります。
150万円の差は昇給でどうにかなるものではないので、管理職になることが年収を大幅に上げる方法になります。
ただし、看護師長はその病院で働いている看護師総数の3〜4%程度、500人の看護師がいる病院なら15人程度です。
狭き倍率であることは間違いない上に、その病院で長く務めている実績が必要になります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
右肩上がりの美容医療!美容外科で働く看護師の業務内容や年収とは?
4、認定・専門看護師になる
認定・専門看護師の資格を取得することも年収を上げる方法の一つです。
- 認定看護師:月に3,000〜5,000円程度
- 専門看護師:月に5,000〜7,000円程度
しかし、取得までに時間とお金がかかる上に、取得したとしても年に5万円程度の上がり幅です。
病院によっては資格支援はおろか、手当がない病院も数多くあります。
年収を上げる目的での取得はオススメしません。
詳しくは以下の記事で解説しています。
認定看護師になるには?21の特定領域の解説と取得メリット※まとめ
補足:訪問看護に関して
他のウェブサイトを調べると訪問看護も年収を上げる職場として紹介されていますが、これはニュアンスが違うと私は考えています。
- 年収を上げる:
- 日勤で年収を維持する:
訪問看護は年収を上げる職場というよりは、夜勤をせずに年収を「維持する」職場です。
確かに、訪問看護の管理職なら年収600万円を超えますが、一般病院の管理職の方がもっと稼ぐことができます。
さらに言えば、訪問看護大手のセコムですら経験10年ある看護師が3年勤務してようやく520万円程度です。
日勤で働けることは大きなメリットですし、それなりの年収を稼げますが、「年収を上げる」職場かどうかと問われれば異なると思います。
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看護師が年収を上げるなら転職が最適解
繰り返しになりますが、看護師が年収を上げるのなら、500床以上の病院もしくは公的病院に転職することが最適解になります。
もちろん病院研究は徹底的に行わなければなりませんが、規模が大きい病院ほど離職率も低い傾向にあります。
転職でよく耳にする「年収が下がる」は、転職者が低い年収を許容していることが原因です。
確かに、一般職であれば未経験の業界への転職だと年収が下がる可能性が高いのですが、看護師はそうではないですよね。
そもそも年収額を相手任せにしていて交渉しないケースが圧倒的に多いのです。
病院事業だってビジネスです。利益を残すには人件費は低くしたいんですから、低い年収を提示してくるのは普通なのです。
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まとめ:早めの行動が生涯年収を上げる
看護師の場合、医療職の中でも高い初任給が特徴ですが、それでも病院によって10万円の差があることもザラにあります。
勤続年数が長ければ長くなるほど、この金額の差は大きくなり、「もっと早く転職しておけばよかった」と後悔することにもなります。
病院選びの違いだけで年収に差が出てしまうので、早めの行動が将来の生涯年収を上げることに繋がるのです。
人気病院はそれだけ倍率が高く筆記試験もあるため一筋縄ではいきませんが、年収を上げる確実な方法でもなるので、是非チャレンジしてみてくださいね。