2014年に世界中の美容整形外科医を対象としたアンケートで、「トータルで美容整形が人気な国ランキング」が国際美容外科学会より発表されました。
第1位がアメリカ、第2位ブラジル、第3位日本、第4位韓国という結果が出ており、美容大国と呼ばれる韓国を抜いて日本が上位に挙がっています。
近年では美容への意識が高い女性が増え、女性のみならず男性でも利用する方が増えつつあり、その需要も高まっています。
需要の高まりと共に、医師数、施設数も増加しているため看護師の求人も多く、好条件な所が多いことからも人気の高い分野となっています。
それでは、美容外科・美容整形外科とはどんなところなのかみていきましょう。
保険の適用がされない美容整形外科では診療金額はクリニックによって決められる
美容整形外科は疾患の治療を目的とした医療機関ではなく、美容を目的とした医療行為を行うので保険適用外となります。
自費診療のため、診療金額はそれぞれのクリニックによって大きく異なりますが、価格差の理由としては、技術料や処置代などの人件費に違いがあります。
技術や品質、サービスの質を強みとしているクリニックでは価格もそれなりに高めの設定をされていますが、低価格を売りとしているクリニックでは、質を下げて件数を多くこなすことを目的としている所が多いです。
美容整形外科で働く看護師の仕事内容・役割
美容整形外科はクリニックであることが多く、訪れる方も患者というよりは「お客様」という扱いになります。
そのため、看護師に求められる役割も一般の医療機関とはまた異なる部分が多いようです。具体的な役割をまとめてみました。
医師の介助
基本的には診察の介助、手術の介助が日々のメインの業務となります。
手術室で使用する医療器具や薬剤の準備、手術前の患者の準備、使用後の医療器具の洗浄や滅菌なども行うため、手術室勤務の経験があると優遇される傾向にあります。
経験がなくても、研修制度が整っている所も多いため入職後に覚えることも可能です。
- 診察の介助
- 手術の準備、介助
- 手術に使用する器材の洗浄や滅菌
- 薬剤の準備
- 術前、術後の患者管理
検査のための処置と美容機器の使用、管理
手術のための採血検査や注射、点滴などの医療行為を行います。他に、脱毛や美顔などの美容機器も看護師が扱うため、機械の使用方法や管理についても覚えることになります。
- 採血検査
- 注射、点滴
- 美容機器の使用、管理
受付やカウンセリング
容姿に関するデリケートな相談とカウンセリングを行うため、丁寧な接客対応スキルが必要です。
また、クリニックの顔ともいえる受付や電話対応を行う所もあるので、第一印象を良くするためにも明るく丁寧な対応力が求められます。
- 受付や電話での接客
- 患者へのカウンセリング
手術室勤務の経験があるほうが美容整形外科では働きやすく、優遇されることが多いです。
また、医療行為がメインの業務ではありますが、医療機関というよりはサービス業寄りな分野なので看護師という役割以外の接客対応などのスキルが特に必要とされます。
美容整形外科で働く看護師の給料とノルマ・インセンティブとは?
美容整形外科の看護師は一般診療科の看護師よりも比較的給与が高い傾向にあります。
その理由として挙げられるのが営業ノルマです。
美容整形外科は自由診療を行っているので、施術価格を安く提供して顧客を集めたり、クリニックの方針や品質を重視してそれを売りにしたりとそれぞれに売り上げを伸ばすための工夫をしています。
そんな背景から、利益を上げるために看護師にも営業ノルマが課せられている所もあります。
多くのクリニックでは看護師以外のスタッフが個人レベルで営業ノルマに関わりますが、クリニック全体としての毎月の売り上げ目標を設定している所も多く、達成されるとスタッフ全員に報奨金が与えられたり、看護師が課せられた場合は個人の給与に報奨金が反映されることもあります。
個別でのがんばりが目に見える成果報酬となるのは嬉しいことですが、そういった報奨金がないクリニックもあるため求人情報をチェックする際には気を付けましょう。
美容整形外科で働く看護師のメリットとデメリット
美容整形外科では一般診療科よりも給料が高い、日勤のみで残業がない、一般診療科とは違い疾患の治療ではないので医療行為が少ないなどのイメージが挙げられますが、実際にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
美容整形外科で働く看護師のメリット
給料が良い
多くのクリニックでは利益を上げるために低価格で施術を提供して多くの顧客を集めたり、技術や品質を売りにしていたり、それぞれに工夫をしています。
売り上げの目標をクリニック全体で設定して営業を行ったり、個別にノルマが課せられたりする所もあり、結果的に頑張り次第で給料が高くなるということになります。
夜勤や残業がほとんどない
基本的にはほとんどのクリニックが入院病床を持たないので、夜勤はなく日勤のみの業務となります。
勤務時間は午前10時頃から19時頃までがほとんどで残業も少ないのですが、年末年始、GWなどの大型連休などには繁忙期となるため時期により残業があります。
社員割引で自分も綺麗になれる
脱毛程度であればレーザー機器の練習台となって施術ができたりするようです。また、社割での整形もモニターの写真を撮影したりすることを条件に行えたり、クリニックによってさまざまです。
大きな手術を行うクリニックでなければ夜勤はありません。
あったとしても、月に2~3日程度の所が多いようです。夜勤や残業がない分、身体的な負担は少なく生活リズムが崩れる心配もないですよね。
夜勤や残業ばかりの病院勤務に疲れてしまった方や、育児や介護などで日中しかお仕事ができない方、社割で施術も受けられるので美容に興味のある方が向いているといえます。
美容整形外科で働く看護師のデメリット
看護技術スキルが身につかない
検査に必要な処置や点滴、手術があれば術前・術後の管理も行いますが、疾患の治療というわけではないのでさほど難しい医療行為を行うことはありません。
そのため、一般的な看護技術スキルはあまり身に付きません。
ノルマが課せられる所もある
保険適用外となるので、売り上げ次第で経営状態も変わってきます。そのため、クリニックスタッフへの営業ノルマが課せられている所もあります。
ノルマの金額もクリニックによって設定額が違うようですが、個人的なノルマがなくクリニック全体で目標設定しているなど様々です。
美容への知識や興味がなければ働きにくい
訪れる顧客は美意識の高い方ばかりなので、美容への関心が低い方であれば接客対応も難しくなります。
お客様への印象も大切で、自分自身も身綺麗にしていなくてはなりません。美意識の高い方への接客となるので、自分自身も美容への知識や関心がなければ務まりません。
医療的な処置以外でも、カウンセリングや接客対応で関わる中で美容に関する話題を提供する場面が多々あります。
そのため、働くには自分自身が身綺麗にしていることが大前提で、それらが苦手な方には向いていない分野といえます。
美容整形外科で働く看護師の口コミ
「基本給が低いが、ノルマによって変わる」
「ノルマ設定が月100万円なので売り上げノルマが達成できない」
「仕事は難しいものがないのでとても楽に感じる」
「残業がほとんどないのでプライベートの時間が持てる」
残業もほとんどなく時間を有意義に使え、仕事内容自体に大変さはあまりないようです。
しかし、利益を上げるための営業ノルマが課せられる所もあるので、営業などの看護師業務以外の仕事が苦手であれば苦痛を感じる分野となります。
美容整形外科クリニックの選び方と注意点
美容分野では有名な大手クリニックから小規模なクリニック、ブラック企業なクリニックまでピンキリです。
その条件もクリニックごとに大きく違いますが、どのような点に注意して選ぶべきかみていきましょう。
営業ノルマがあるかないか
美容整形外科の求人は好条件を提示している所が多いですが、その高給与が基本給なのか、ノルマの報奨金を含めての金額なのか注意して見なければなりません。
ノルマがあれば給与もその分高い傾向にありますが、ない所では給与も低めとなってしまうので、どちらを優先するかは求人や口コミを見て判断するしかないようです。
美容整形外科か美容皮膚科か
美容整形では大きく分けて外科と皮膚科があります。
外科ですと、シリコンを入れる豊胸手術や骨を削るなどの手術があるので手術室の業務、術前・術後の患者管理も行います。
皮膚科では脱毛やニキビ治療など、皮膚に特化した施術のみなので外科的な手術はありません。どちらの分野で働いてみたいか、業務内容をよく調べてから選択しましょう。
教育制度は整っているか
初めて美容整形分野で働く方にとっては、医療行為以外の業務は未知の世界です。
一般病院ではプリセプター制度やチームで新人を教育する制度が整っていますが、クリニックなどの小規模な医療機関では教育制度が整っている所と、勤務時間外に機械の操作や手技を練習したり、自分で習得しなくてはならないような所があります。
そのため、働きたいクリニックではどのようになっているのかきちんと下調べしておくとよいでしょう。
美容整形外科クリニックの求人を探すなら看護師専門の転職サイトを活用しよう
説明してきたように、美容整形外科での就職には求人情報を注意深くみる必要があります。
さらに、看護師求人数の全体からみても0.5%の割合でしか求人数がなく、非常に狭き門となっている現状もあります。
自分の力だけでは詳しい内部情報や給与条件を調べるのはなかなか困難で、就職してみたら「こんなはずではなかった・・・」ということにもなりかねません。
そんなとき、転職サイトを活用するのが便利です。
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その保有している求人について担当者が詳しい内部事情や人間関係などまで調べて教えてくれるので、就職活動する際には大変助けになってもらえます。
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登録後は、コンサルタントから本人確認の連絡がありますので胸の内を相談してみましょう。
【まとめ】美容外科はサービスが大切
美容業界は一般的な医療業界とは違い、美の追求を目的とした特殊な分野です。患者様はお客様であり、サービス業さながら看護師は接客対応も身だしなみにも気を付けなくてはなりません。
医療行為も高度な技術は求められないものの、美容外科では手術室での無菌操作や準備・介助、術前術後管理まで行わなくてはならず、美容に関する学びと並行して看護師業務もきちんとこなさなくてはなりません。
病院での多忙な業務も大変さはありますが、美容整形分野が楽であるという認識は間違いです。
ノルマ営業があったり、営業競争の中での人間関係トラブルもあるなど、多忙という大変さとは違う苦労もあります。
口コミや求人情報、転職サイトなどの情報を基にして、自分にとって向いている分野かどうか、きちんと見極めることが大切といえます。