白衣の天使と呼ばれ笑顔でやさしいイメージがある看護師ですが、3Kとも9Kとも言われ、きつい仕事のひとつに挙げられます。
日勤だけではなく月に数回の夜勤をする職場が多く、シフト制や人手不足という環境の中で体調を崩しても少しくらいならと無理をしてしまうこともあります。
不規則な時間で生活をしている中で、自分の体調管理にはより気を使い、健康であり続ける努力が看護師には必要になってきます。
自分なりのペースをつかみ、夜勤の時、オフの時の過ごし方を工夫して元気に仕事ができるように心がけましょう。
看護師が夜勤で体調が崩れる理由
夜起きて働いているということはホルモンのバランスを崩し、体内時計のリズムを狂わせてしまうことになるのです。起きていても体のだるさがあり頭が回らないという状況になります。
また、夜勤は精神的なストレスも増えます。夜勤中は看護師の人数も少なく、急変や突発的な出来事があったときにひとりの看護師にかかる負担は当然大きくなります。
このようなことから夜勤をすることで心身共に疲れをためてしまい、体調を崩すことにつながるのです。
2014年に日本看護協会が夜勤や交代制勤務の実態調査をした結果によると、3交代制の病院では7~8回、2交代制では平均4~5回の夜勤回数が平均でした。
3交代制の病院では週2回くらいは夜勤があるということです。同協会では夜勤に関するガイドラインを作成し、夜勤回数や勤務間隔や吸毛時間などの勤務編成基準を示しています。
ベテラン看護師の体調管理法
夜勤前後の睡眠に気をつける
2交代制の場合は仮眠時間が、3交代でも休憩時間がある場合が多いですが、忙しさによっては取れないこともあります。
人間の体は起きてから14~16時間後くらいにメラトニンというホルモン物質が分泌され、体は急速に向い眠気を感じます。
夜勤前はあまり早起きをすると夜勤の途中に体が寝る準備を始めてしまうため、少し遅めに起きる、短時間の仮眠をするなどの工夫が必要になります。眠れなくても体を横にしているだけでも休息になります。
夜勤明けでは昼間にあまり寝てしまうと夜の睡眠に支障を与え、昼夜逆転してしまう原因になりますので夕方くらいには1度起きて、夜に十分な睡眠時間を取るようにしましょう。
太陽の光を浴びるとメラトニンの分泌が止まるため、眠気を感じなくなりますので、お部屋の中をカーテンなどで少し暗くしておくと仮眠しやすくなります。
食事に気を配る
忙しさによっては夜勤中に食事をする時間が確保できないことも考えられますので、空腹での出勤は避けましょう。
夜勤中はエネルギーを使いますが、通常なら体は寝ている時間なので、軽めのもので栄養価が高いもの(卵、牛乳、鶏肉など)を摂るようにします。
夜勤明けは気持ちも解放されてお腹も空いてきますので、暴飲暴食にならない程度に十分な栄養を摂りましょう。
食事をしっかり食べて栄養をつけることは免疫力アップにつながり、疲れにくくする、風邪を引きにくくするなど体調管理にも必要なことです。
特に体を温める食材(生姜、ニンニク、ナッツ類、アジ、鶏肉など)は意識して摂取するように心がけましょう。
また、眠気防止にコーヒーやカフェインに頼る場合もあると思いますが、体が慣れてくると少しずつ多くのカフェインを体が求めるようになっていきますので、1回の摂取量は少なめにして量が多くならないように気をつけましょう。
オンとオフの切り替えをする
夜勤は日勤よりも緊張感があり体にも心にも負担をかけます。仕事から離れたら気持ちを切り替えてリラックス・リフレッシュする方法を見つけておくと良いですね。
仕事の後、ゆっくり入浴をして体を温めることはリラックス効果を高めます。休みの日にヨガやジョギング、お散歩などの適度な運動をして汗をかくのも良いですし、ショッピングをする、おいしいスィーツや食事をするのも女性には良い気分転換になります。
少しまとまった休みが取れるようでしたら旅行に行くなど、日常から少し離れることもリフレッシュするには良い方法です。
休みの日は寝て過ごすという方もいらっしゃるかもしれませんが、太陽の光を浴びることで体内リズムをリセットすることができますので、日中はなるべく活動するようにすることで、夜勤での生活リズムの乱れを正常化することにつながります。
まとめ:体調管理の秘訣は日々の生活習慣
人間の体は日が昇ると起きて、沈むと寝るというサイクルが自然です。それに反する夜勤生活をすることで体調を崩す可能性は高くなります。
自分に合った体調管理方法を見つけることが大切です。誰にでも共通して気をつけたほうが良いポイントは以下の3つです。
- 十分な睡眠を取り、疲れを溜めない
- バランスの良い食事を摂る
- 仕事を考えない時間を作る
日々の生活習慣を少し見直し、夜勤と上手に付き合うことが健康で長く看護師を続ける秘訣です。