この記事では、慶應義塾大学病院への転職を検討している看護師に対して、同院が看護師から選ばれる理由や評判などを解説します。
慶応義塾と言えば、ブランド力のある大学病院ですよね。先端医療を提供していることから、向上心のある医療人材が集まっています。
しかし、そんな人気病院と言えど、働く上でのマイナス点は付きものです。実際に現場で働いている看護師の実情も紹介しますので、転職選びの参考にしてください。
慶應義塾大学病院が看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:看護実践能力の高い人材になれる
- その2:激務ではあるが、対価はしっかり
- その3:教育制度で苦手分野を克服できる
それぞれ解説します。
その1:看護実践能力の高い人材になれる
同院で経験を積むことにより、看護実践能力の高い人材になることができます。
その理由は以下の通り。(配属される診療科にもよりますが、、、。)
- 患者の出入りが激しいので、多くの症例に関わることができる(人によってはデメリットと感じるかもしれません)
- 私学で2ヶ所しかない臨床研究中核病院のため、珍しい症例や難しい手術に多く関わることができる
臨床研究中核病院とは?
国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院のこと
とにかく多くの症例に関わることになるので、観察の視点や病態生理の知識などの応用力が身に付きます。そして、最終的には看護実践能力の高い人材になることができます。
看護師めぐみ
その2:激務ではあるが、対価はしっかり
大学病院だけあってとても激務ですが、その分の対価はしっかりしています。
基本給や夜勤手当などは同規模の大学病院と大差ありませんが、賞与額が大きく違います。具体的には、基本給の6.4か月分が支給されるので、賞与だけで120〜150万円ほどになります。
年収はボーナスの総額によって合計額がかなり変わるので、すぐに看護師の平均年収を上回ることができます。
看護師みき
その3:教育制度で苦手分野を克服できる
同院では、個々の能力に合わせた教育制度が組まれます。
とくに本人にとって苦手な分野を中心に学んでいくことになるので、自然とその苦手分野を克服することができます。そして、基礎と応用力が身についた先には、専門領域と海外研修への学習へ移行します。
一通りの教育を学び終えれば、どの病院で働こうとも「使える」人材になれます。慶応で学んだという自負も芽生えると思うので、自信にもつながるでしょう。
看護師めぐみ
慶應義塾大学病院で働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
実情1:年収・給与の実情
急性期経験が3年ある転職者であれば、すぐに年収550万円ほどになります。しかし、これ以上に給与を上げるとしたら役職者になるしかありません。なぜなら、昇給額はあまり高くないからです。
なお、致命的なマイナスポイントは、住宅補助がないことです。ちなみに、病院の敷地内に寮はありますが、部屋数の少ないマンションが1棟しかないので、入居できる可能性は低めです。
また、準夜勤後のタクシー手当もないので、帰宅できない人は院内の仮眠室を利用しているようです。
転職アドバイザー ジョブス
実情2:教育・研修の実情
とにかく自己学習が必須の環境です。研修プログラムを受講することとは別に、1〜2年目は事例レポート、2〜4年目は事例研究で忙しい日々を送ることになります。
また、半年に一度、師長と面談してキャリアについて相談することになります。自分のなりたい方向性を決めておく必要がありますね。
看護師みき
実情3:残業・離職率の実情
大学病院としては珍しい3交替なので、拘束時間は短く隙間時間は多いです。しかし、2交替と比べるとまとまったプライベートの時間はなかなか確保できません。さらに、前残業と後残業は当たり前のようにあります。(ただ、残業に関しては、病棟によって全くない病棟もあります。)
なお、当たり前のことですが、転職2年目以降は、1年目と比べて準夜勤と深夜勤が増えます。手取り額は増えますが、ガツンと負担が増えることになるでしょう。
看護師めぐみ
実情4:福利厚生・育児支援の実情
育児支援に関しては、表面上は協力的な職場です。時短勤務を希望したからと言って、自身の待遇が変わることはありません。実際、子育て中の看護師は多いですし、早上がりシフトの人もいます。しかし、それはその人のパートナーと両親の協力のおかげが大きいでしょう。
と言うのも、院内保育所はありますが、子供を連れて信濃町まで通勤するのは骨が折れます。さらに、実力主義的な職場なので、役職者には結婚していない人は子供がいない既婚者が多いのです。
時短勤務をしている人でも定時で上がれないことは多々あるので、あくまでも「表面上」かな、、、と思います。
看護師みき
実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
ぶっちゃけ経営状態は良好とは言い難い状態です。現在は赤字つづきにはなっていませんが、病院規模に対しての利益が少なすぎます。前年の財務諸表を見ると経常利益は3億、当期純利益はゼロですからね。
実はもともと多くの患者が来ているのに赤字だったので、職員の給与を下げたことで赤字から脱出した歴史があります。いまだに高い給与水準ではありますが、今後もこの水準が維持されるかは疑問です。個人的な見解としては、いづれ減額になると思っています。
転職アドバイザー ジョブス
慶應義塾大学病院が募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
専任職員と臨時職員の求人内容
同院では専任職員は1年に一度、臨時職員は常時募集しています。
専任職員の求人内容
職種 | 看護師・助産師 |
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雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 急性期ケアの経験が3年以上 |
給与 | 314,680円(夜勤手当含む) |
勤務形態 | 3交替 |
休日 | 4週8休制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:面接・適性検査 |
臨時職員の求人内容
職種 | 看護師(外来・病棟・夜勤専従) |
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雇用形態 | 臨時職員(6か月更新・最長3年) |
応募資格 | 急性期ケアの経験が3年以上 |
時給 | 外来:2,000円、病棟・夜勤専従:2,400円 |
勤務時間 | 外来(8:30~17:00)、病棟(3交替) 夜勤専従(14:45~23:15、23:00~8:15) |
休日 | 4週8休制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:面接 |
専任職員の採用試験
専任職員の場合、採用試験は「書類選考・面接・適性検査」の3つです。書類選考と面接は一般的な内容なので、事前準備をきちんとしておけば下手を打つことはありません。
適性検査に関しては、SPI試験になります。SPI試験では能力検査と性格検査の2つを行うのですが、能力検査に関しては、試験対策をやっておかないと試験中にテンパってしまうでしょう。
看護師めぐみ
転職アドバイザー ジョブス
同院に採用されるためには?
同院の採用基準は他院と比べると、高い水準にあります。と言うのも、とにかく申込数が多いので、人事サイドとしては買い手市場にあるからです。
看護経験が豊富な人であればそこまで問題はありませんが、経験が浅い人だと減点方式的に見定められます。だからこそ情報収集と事前準備は欠かせません。
それではどうやって情報収集と事前準備をすればいいのか、、、それは転職エージェントを利用することです。特にマイナビ看護師であれば同院の求人も扱っています。今すぐの転職を考えていなくとも、相談だけは早めにしておくと良いでしょう。