この記事では、東京大学医学部附属病院への転職を検討している看護師に対して、同院が看護師から選ばれる理由や評判などを解説します。
東大学病院と言えば、37の診療科と39の中央施設部門を設ける超大型病院です。日本の医療を土台から支えた病院でもあります。
しかし、そんな有名病院ですが、働く上では良いことばかりではありません。実際に現場で働いている看護師の実情も紹介しますので、転職選びの参考にしてくださいね。
看護師みき
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東京大学医学部附属病院が看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:看護師の負担経験に努めている
- その2:看護スキルを高める教育と制度
- その3:国家公務員に準ずる給与と福利厚生
それぞれ解説します。
その1:看護師の負担経験に努めている
同院では、看護師の業務が激務にならないよう、負担軽減に努めています。具体的には、以下の3点です。
- 看護師を積極的に増員
- 病棟・外来クラークの増員
- 忙しい部署の人員の再編成
また、誰でも同一の看護ケアを提供できるよう、体系的にまとめたデータをネット上に公開しています。(閲覧制限は職員のみ。)先輩看護師にいちいち確認する必要がないので、確認するための無駄な時間を省くことができます。
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その2:看護スキルを高める教育と制度
同院の教育プログラムは、キャリアラダー以外に自分に必要な研修を自分で選択して学ぶスタイルです。自分に必要なスキルを自分で選択できるので、効率的な学習ができます。
他にも、同院では3年を上限にした休職制度があります。専門看護師資格を取得するには大学院の修士修了者でなければならないので、この制度を利用してより専門性を高めることができます。(残念ながら、休職中の給与は出ません。)
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その3:国家公務員に準ずる給与と福利厚生
同院の職員は、準公務員の扱いになります。準公務員の待遇は、ほぼ公務員と同じです。そのため、給与と福利厚生は他院と比べて恵まれています。
準公務員は、長く働き続ければ働き続けるほど給与額が上がるため、役職者でなくとも将来的には高い給与を得ることができます。
もちろん準公務員より高い給与を支給している病院はあります。しかし、他院だとある一定の看護年数が越えると役職者にならない限り昇給しなくなることがよくあります。
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東京大学医学部附属病院で働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
実情1:年収・給与の実情
給与と福利厚生がそれなりに恵まれているので、不満に思う人は少ないです。出退勤はPC上で管理するので、残業代が未払いになることもありません。
給与単体で考えると他院の方が高く感じることもあると思いますが、福利厚生も含めて考えると最終的に手元に残るお金は多くなります。
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実情2:教育・研修の実情
中途入職者には、チューターとしての実地指導者が付き、業務に慣れるまでサポートしてくれます。とは言え、新人への教育研修のように手取り足取り教育してくれるわけではないので、自発的な行動が必須です。
また、キャリアラダーを取り入れているので、自身のスキルに応じて業務が割り振られます。(個人目標を設定し、一年に一度、上司と面談をする。)
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実情3:残業・離職率の実情
残業に関しては、病棟によるバラツキが顕著です。仕事を分担してみんなで早く帰ろうという病棟もあれば、割り振られた分の仕事を終えたら後はお好きにしてという病棟もあります。厳密には、病棟というより師長・副師長の采配次第です。
離職率に関しては、新卒で9.1%、既卒は公表していません。ただ、実情を調査すると離職率は平均的なようです。つまり、既卒採用者は、約15%前後になります。
なお、有給に至っては平均取得日数が8日なので、結構少ない日数です。有給を取得するには何ヶ月も前から表明する必要があり、有給を使えていない人が大半なようです。
転職アドバイザー ジョブス
実情4:福利厚生・育児支援の実情
師長・副師長の多くがママ看護師なので、育児や女性特有の体調不良への理解はあります。
例えば、妊娠が分かった時点で希望があれば夜勤から外してもらえますし、産休前後の体調不良にも快く応じてもらえる雰囲気があるようです。
ただし、職場復帰後に時短勤務する場合、定時で帰れるかどうかは部署次第です。職場復帰の面談はかなりシビアなようなので、育休後に復帰しないで退職する人がそれなりにいます。
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実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
国からの補助金や運営交付金のおかげでようやく黒字になっている状況です。病院運営で最もお金がかかる経費は人件費なのですが、同院の医業収益に占める人件費の割合は5割程度です。これは他院と比べて低い値です。
つまり、不必要なところにお金が流れてしまっているということです。公的病院にありがちなことですが、合理的な経営ができていなかったのでしょう。現在は独立行政法人化したので、コスト削減に注力しているようです。
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東京大学医学部附属病院が募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
常勤職員の求人内容
同院では年に3回(第一期〜第三期)ほど常勤職員を募集しています。任期付きの臨時職員の募集もしていますが、条件が常勤職員とほぼ同じなので割愛します。
なお、同院では短時間勤務者の募集はしていません。育休復帰者が短時間勤務者として働いているためです。
常勤職員の求人内容
職種 | 看護師・助産師 |
---|---|
雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 資格保有者 |
給与 | 325,584円(経験3年) |
賞与 | 年2回4.39ヶ月分 |
勤務形態 | 2交替 |
休日 | 4週8休制 |
選考方法 | 書類選考・作文・グループ面接 |
常勤職員の採用試験
常勤職員の採用試験は「書類審査・作文・グループ面接」の3つです。
同院に採用されるためには?
同院では、採用試験が始まる半年前にオンライン説明会を実施しています。この説明会では、どんな考えを持つ看護師を求めているかが分かりますし、グループ面接での会話のネタにもなります。
そして、やはり作文の対策は必須です。よく出題される作文のテーマには以下があります。
- あなたの目指す看護師像とは
- 医療従事者としての資質とは
- 患者から信頼される看護師とは
- 高齢社会の医療で必要なこととは
- 患者に「寄り添う」とはどういうことか
作文は小論文とは違い、出題されるテーマがふんわりしています。自由度が高いということですね。看護学生の時には作文対策はしていたと思いますが、再度練習をしておくと良いでしょう。