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人員不足の医療業界!外国人看護師の受入れ状況や合格率の実態とは?

日本が外国人看護師の受け入れを始めたのは2008年のことです。経済連携協定(EPA)に基づいて、看護師や介護福祉士候補者として、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3各国から受け入れをしています。

日本で看護師や介護福祉士の資格を取得し、就労することで在留期間の更新の回数に制限がなくなり、日本で働き続けることができるのです。

これは、3国の就労希望者にとっては働く場所と収入が確保できますし、日本では看護師不足の解消につながると期待されていました。

この制度が発足してから8年間、実情はどのようになっているのでしょうか。

外国人看護師の入国者数

外国人看護師02

外国人看護師・介護福祉士候補者は2008年から2015年までに、3,000人以上が入国しています。

希望をしたら全員が入国できるわけではなく、自国で看護師資格の保有、実務経験年数などの条件を満たし、一定の日本語の研修を受けた人だけが入国し、看護師を目指すことができるのです。

中には、母国で看護師資格を持っていても実務経験が満たないため、看護師候補者になることができずに、介護福祉士候補者に変更する人もいます。

インドネシアは2008年から、フィリピンは2009年から受け入れをしていますが、ベトナムは2014年からの受け入れのため、多くの外国人看護師候補はインドネシアとフィリピンになっています。

外国人看護師の国家試験合格率

外国人看護師03

訪日した看護師候補者は看護補助者として病院で働きながら国家試験に向けての勉強をすることになります。3回まで国家試験の受験のチャンスがあります。

その間に合格をすると日本で看護師として働くことができますが、3回で合格しなければ帰国することになります。

その後は、国家試験受験のために短期入国をして、受験するというチャンスもあります。

合格率は2016年では11.0%です。昨年が7.3%でしたので3.7%アップしています。

国別では、インドネシア5.4%、フィリピン11.5%、ベトナム41.2%となっており、ベトナムの合格率の高さが際立ちます。外国人看護師の合格率はかなり低いと言えます。

外国人看護師の言葉の壁

母国で看護師資格を持っているにも関わらず、日本の国家試験に合格できない理由は何といっても言葉にあります。

看護師候補者になる条件として、訪日前に日本語研修を受ける必要があります。そして日本語能力検定の取得をまずは目指します。

インドネシアとフィリピンはN5以上のレベルを目指すというのが決まっています。

N5のレベルとはカタカナやひらかなの日常生活で使われる基本的な日本語を理解することができ、ゆっくりと話される短い文章を聞き理解することができるとされています。

これに対してベトナムの候補者は日本語能力検定のN3レベル以上の取得者のみが候補生となれると決められています。

N3は、新聞や雑誌の見出しから内容を理解でき、普通のスピードで話される会話が聞き取れるレベルです。日常会話は何の問題もなくできる状態ということです。

国によって日本語の習得レベルに差があり、これが合格率の違いに現れているということもできるかもしれません。

医療の中で使われる言葉は、当然専門用語もあるため日常生活の会話レベルがなくては勉強を進めることも簡単ではありません。

また、日本語が十分に理解できていないことで、患者や医師とのコミュニケーションにも影響があり、医療事故につながりかねませんので、看護師候補者の日本語の能力は必須と言えます。

日本の文化と習慣の壁

外国人看護師04

突然日本に来て、文化や習慣を理解し溶け込むのは容易なことではありません。食生活、人間関係やコミュニケーションの仕方、仕事に対する考え方、宗教など、日本では当たり前のことが、他の国では理解されにくいこともあるはずです。

知らない土地で働きながら国家試験の勉強をして、それだけでも大変なことは想像できます。

日々の生活の中で戸惑うことも多々あるはずです。それに慣れていかなくては試験に合格したとしても、その後働き続けるのが困難になってきます。

医療や看護に関しても国によって違いがありますので、お互いに理解し合いながら働くことが大切になってきます。しかし、患者にはそういう訳にはいきません。

外国人というだけで抵抗を感じる人もいるかもしれません。安心して看護を受けてもらうためにも、日本の文化・習慣をある程度習得し信頼を得ることも大切になってきます。

試験合格後の進路

看護師候補者は母国に家族を置いて、単身で日本に来ます。訪日後1~3年間は看護師の資格を取るために勉強と仕事で必死になっていますが、言葉の壁を感じることも文化や習慣の違いに悩むこともあるでしょう。

さらに母国にいる家族の心配をしたり、ホームシックになり、帰国を考えたくなる人もいるはずです。

帰国をすると日本語ができるため、観光地などの病院では高給で働ける国もあるようです。そのため、試験に合格すると早々に帰国を考える看護師もいるのが現状です。

もちろんそのまま病院や施設で同僚や患者と良好な関係を築き、日本で暮らしている外国人看護師もいます。

就職先は日本全国の病院で受け入れをしていますので、就職に困ることはありません母国よりも給料も良いため、離れて暮らす家族に仕送りをしている人もいます。

外国人看護師が働きやすい環境

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看護師だけではなく日本で暮らす外国人にとって言葉を覚えるというのは、やはり難しく感じることのひとつになります。

観光ではなく働くということは日本語ができないと就職にもつながりませんし、資格を取るには日本語は必須です。

それでもがんばって働きながら勉強をし、合格できたらそのまま日本で働いてもらえることが看護師不足の解消にもつながる可能性があります。

そのために考えなくてはいけないことは次のようなことです。

  • 日本語の勉強のための環境を整える
  • お互いに理解をする努力
  • 看護師として就職後のサポートシステム

外国人看護師に関しては賛否両論あります。ですが、一緒に働くことで刺激を受けることもあるのも事実です。

お互いを尊重し良い関係性で働くことができたら、外国人看護師候補者受け入れ制度がある意味が増すことでしょう。

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