妊活前の派遣看護師なら事前に知って欲しいこと。それは、産休と育休制度です。
正社員として働く看護師なら子育て支援制度を取得するための条件は満たしていますが、派遣勤務ならどうでしょうか?
産休と育休の詳しい概要や取得条件を知らない女性は案外多いものです。
結論から申しますと派遣勤務だとしても産休も育休も取得できますが、取得には条件があります。
この記事では、金銭的な損をしないためにも法的な知識をわかりやすく解説します。
みき
めぐみ
ジョブス
派遣看護師でも産休と育休は取得できるの?
産休とは、産前休業と産後休業の総称で、育休とは、育児休業とされているものです。
産休も育休も赤ちゃんのために取得できる休業制度(子育て支援制度)ですが、取得のためには条件があります。
それぞれの項目を確認していきましょう。
産休を取得するための条件
産前休業と産後休業は、全ての人が等しく取得できる制度であるため、特段取得に必要な条件はありません。
ただし、産前休業に関しては、自動的に取得できる制度ではなく、「請求する」ことによってはじめて取得できます。つまり、務める派遣会社に申し出る必要があります。
めぐみ
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育休を取得するための条件
育児休業は、2005年4月に育児介護休業法が改正されるまで、派遣社員は取得できませんでした。その名残なのか未だに取得ができないと思い込んでいる方は少なくありません。
ただし、労使協定によって育休を取得するためには以下の条件があります。
- 同一の派遣会社に1年以上雇用されている
- 子の1歳の誕生日以降(育児休業終了)も引き続き雇用されることが見込まれる
同一の派遣会社に1年以上雇用されている
派遣社員の場合は、派遣会社が同じ(複数の派遣会社ではない)であることが重要です。派遣会社が同じであれば派遣先である職場が変わっていようが問題ありません。
また、「1年以上の雇用」とは、実質的に雇用関係が続いていれば問題ありません。
例えば、契約と契約の間に数週間の空白が空いている場合も継続していると考えます。ただし、数ヶ月空いているような場合は「1年以上の雇用」にあてはまらないことがあります。
子の1歳の誕生日以降(育児休業終了)も引き続き雇用されることが見込まれる
看護師の派遣業務は、契約期間が数ヶ月であることが一般的で、代替の効く仕事であることから、妊娠後も派遣先企業で契約を延長されるケースは稀です。
ただし、このような場合でも、優良な派遣会社であれば派遣会社と直接雇用で雇用契約を維持してくれる場合があります。
法改正によって出産育児を理由に雇用契約を切ることが禁止されているので、大手派遣会社であれば大抵直接雇用の対応をしてくれます。
看護師の派遣会社であれば、レバウェル看護派遣がしっかりと対応してくれるでしょう。
詳しくは、レバウェル看護は派遣も扱ってる?求人の質や口コミを調査しみた!で紹介しています。
みき
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妊娠から産休→育休→復職までの流れとは?
みき
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産休・育休中に支給される給付額は?
一部の病院では子育て支援制度として、給与の何割かを規定によって支払っているところもありますが、基本的に産休・育休中には給与の支払いはありません。
給与の支払いはなくとも健康保険と雇用保険から給付金が支給されます。
- 出産手当金
- 出産育児一時金
- 育児休業給付金
出産手当金
出産手当金は、派遣会社で加入する健康保険から支給される給付金です。産休6週間(42日間)、産後8週間(56日間)の給与を補償してくれます。
給付額は、月給与平均額を22で割った金額です。
出産育児一時金
出産育児一時金も、派遣会社で加入する健康保険から支給される給付金です。子供一人につき一律42万円が支給されます。
育児休業給付金
出産育児一時金も、派遣会社で加入する雇用保険から支給される給付金です。2017年10月に法改正が行われ、2歳まで支給期間の延長ができます。
給付額は、以下になります。
・育児休業開始から180日目まで:休業開始時の賃金日額×30日×67%
・181日目から:休業開始時の賃金日額×30日×50%
給付額のシミュレーション
シミュレーション1:子どもが1歳の時点で職場に復帰する場合
出産予定日 | 2019年6月1日 |
出産予定 | 1人 |
都道府県 | 東京都 |
毎月の額面給与 | 250,000円(交通費込) |
産休開始 | 2019年4月21日 |
産休終了 | 2019年7月27日 |
社会保険料免除額 | 109,980円 |
出産育児一時金 | 420,000円 |
出産手当金 | 566,440円 |
育休開始 | 2019年7月28日 |
育休終了 | 2020年5月31日 |
社会保険料免除額 | 403,260円 |
育児休業給付金 | 1,509,104 |
シミュレーション2:子どもが1歳の時点で職場に復帰する場合
出産予定日 | 2019年8月1日 |
出産予定 | 1人 |
都道府県 | 神奈川県 |
毎月の額面給与 | 300,000円(交通費込) |
産休開始 | 2019年6月21日 |
産休終了 | 2019年9月26日 |
社会保険料免除額 | 127,035円 |
出産育児一時金 | 420,000円 |
出産手当金 | 653,366円 |
育休開始 | 2019年9月27日 |
育休終了 | 2020年7月31日 |
社会保険料免除額 | 465,795円 |
育児休業給付金 | 1,826,000 |
子育て前提で働くなら派遣か正社員か?
結論から言うと、子育て前提で働くのであれば、派遣ではなく正社員勤務の方が断然おすすめです。
さらに付け加えると、介護施設ではなく病院勤務の正社員が理想的です。
病院勤務であれば、院内保育所、病衣保育、保育料助成、短時間勤務、夜勤免除、看護休暇など子育て支援の充実度が段違いです。
さらに、最近では育児休業を3歳まで認めていいる病院も多くなってきました。
派遣会社も子育て支援制度を整備していますが、病院の正社員勤務の方が充実した子育て支援制度を活用できるのです。
めぐみ
みき
ジョブス
まとめ:派遣看護師であっても産休と育休を積極的に活用しよう
派遣会社の営業担当は、法律や労務内容をきちんと理解している人は多くないので、産休と育休取得時の派遣会社の対応には注意が必要です。
ご自身でも最低限の知識を付け、健康保健と雇用保険を毎月支払っているのですから、積極的に産休と育休を取得しましょう。
産休と育休の詳細は、産休・育休を取得予定の看護師!期間や給付金額の基礎知識※まとめでより詳しく紹介しています。
また、以下の記事では、看護師200人にアンケート調査をした上で口コミ評価の高い派遣会社を紹介していますので、合わせて読んでおくと良いでしょう。