退職の意思を伝え、納得してもらい、手続きが行われ、新生活にスムーズ入ることが理想的な退職です。
しかし実際は、しつこい引き止めや退職届けを受け取ってもらえないケースも多くあります。
看護師は全国的に増えてきたと言っても、全ての医療施設で十分な人材が確保できているわけではありません。
看護師数に余裕のない職場では、一人の退職が他の看護師の業務を圧迫するので、運営サイドとしてもなかなか退職を受け入れられないのです。
そこでこの記事では、理不尽な引き止めを受けた場合の対処法を解説します。
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辞めるに辞めれない看護師の相談内容
以下は当サイトに連絡をくださった3人の相談内容です。
引き止めに関する内容なので、了承をもらい記事として掲載させてもらいました。
先日看護師長に退職届けを渡したところ、「病院全体の改善に取り組んでいるからもう一度考え直して欲しい」と退職届けを返されてしまいました。
病院の経営体質が古く前々から問題になっていたのに今更そんな事を言われても信用できません。また話し合わないといけないのかと思うと億劫です。
産休に入る看護師と退職のタイミングが重なり、退職届けを提出する前に師長に退職の意思を伝えたところ「二人も抜けるとシフト組みができないから、代わりになる採用者が決まるまで待って欲しい」と退職を受け入れてもらえませんでした。
「もっとここで学べる事があるんじゃないの?」とそれらしい事を言って引き止められました。師長が言う事もわからなくはないのですが、正直心が揺らいでいます。
退職や転職の経験がある看護師であれば、ほぼ皆が引き止められた経験があるでしょう。
一人抜ければ他の職員に負担が増えるうえ、新しく入ってくる看護師に教育を行わないといけないので、留まるように促すのは至極当然の話です。
しかし、仮に引き止められ気持ちが揺らいでしまったとしても、職場の悪い面ばかりが目に付くようになり、よりストレスを抱えやすくなります。
現状の不満や将来的な理想をきちんと整理し、しっかりと理解してもらう姿勢が必要になります。
看護師みき
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辞めさせてくれない・反対される場合の対処法
職場にいらない人材なら引き止めることはしないので、確かに引き止めて貰えることはありがたい話です。
ですが、引き止めも度を過ぎると、ただの迷惑でしかありません。
退職を受け入れてくれない場合の対処方法はシンプルです。むしろ、以下の3つしか方法はありません。
- 退職意思を曲げない
- 退職せざるを得ない理由を伝える
- 労働基準監督署に相談する
退職意思を曲げない
退職するにあたって最も大切なことは、絶対に意思を曲げないことです。
「このまま残った方がいいのかな」「新しい病院に馴染めるか不安」などと思うことはよくある事ですが、それでも強い意思を持たなければなりません。
確固たる退職の意思がないことは相手に見抜かれます。
そうなるとなし崩し的に退職を受け入れてもらえず、ダラダラと退職をうやむやにされてしまうでしょう。
退職せざるを得ない理由を伝える
退職の理由が旦那の転勤や結婚なら、師長も納得してくれやすいでしょう。
しかし、退職していった先輩看護師を見ていて師長が辞めさせてくれないタイプだとわかっているのであれば、例え嘘だとしても旦那の転勤や両親の介護が必要など退職せざるを得ない理由を伝えてもいいでしょう。
労働基準監督署に相談する
最終手段として労働基準監督署に相談する、もしくは、労働基準監督署への相談をにおわすと師長も確実に退職届けを受け取ってくれます。
看護師数が少ない個人クリニックや介護施設では、退職希望者を精神的に追い込む事例も確認されているので、労働基準監督署への助力を求める事が最善の選択になります。
民法上の取り決めでは2週間前に伝えれば退職ができる
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
民法第627条(引用)
つまり、無期雇用の看護師は、退職の申し入れをした日から2週間(14日後)に退職する事ができます。
どんなに話し合っても辞められない場合の最終手段です。労働基準監督署に相談した上で強行手段を取りましょう。
看護師長があなたを引き止める5つの理由
引き止めの際によく言われる「あなたの為」は、実のところ労働者の気持ちが反映されていません。
以下の引き止め理由を見れば、いかに組織都合で言われているのか分かるでしょう。
- 看護師数が足りないので業務に支障が出る
- 配置基準ギリギリの人数しかいないため
- 後任者への引き継ぎに時間が取られる
- 人員を補充するために人材会社とのやり取りが増えてしまう
- 看護師長にとって部下の管理ができていない事に責任を問われる
退職理由にもよりますが、転職の場合、本人にとってプラスにならないと説得してくる事が多いです。
さらに言うと、転職経験がない看護師長がまるで転職を知ったように言ってきます。
本人からしたら「挑戦しなかった自分を悔いている」「転職できる若いあなたが羨ましい」と言った自分本位の理由も含まれます。
さらに、頼んでもないのに師長や主任はアドバイスをしてきます。
しかし、例えアドバイスによってあなたが不幸になっても、彼らはその責任を一切取らないことは念頭に置いておきましょう。
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まとめ:退職の意思を曲げない事が最重要
なお、労働基準法上は退職の意思を伝えてから2週間で退職できるとされていますが、法的拘束力はないものの病院の就業規則には1ヶ月前の表記がある事が多いです。
円満退職の為にも、強い意思を持って余裕を持ったスケジュールで退職を伝えましょう。