赤ちゃんとの生活は想像以上に過酷で、乳児期の1年間は常に寝不足状態でしょう。
産休に入る前は1年後には職場復帰できると思っていても、これだけ忙しいと仕事のこと自体を考えることすら億劫になります。
共働きで誰の助けも得ることができないならなおさらです。
そのため職場復帰を予定していたけど、場合によっては復職せずに退職しなければいけない状況もあるでしょう。
しかし、育休をもらっておきながら退職しても大丈夫なのでしょうか。そこでこの記事では、育休明けの退職の注意点を解説します。
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育休明けの退職を考えている看護師の相談内容
まずは当サイトに相談の連絡をくださった典子さんの事例を紹介します。
育休明けの退職に関する相談内容なので、了承をもらい掲載させてもらいました。
産休に入る前には、育休が終わったら短時間勤務かつ夜勤免除で働けるので復職する予定でいました。
でも、いざ子育てを始めてみると本当に大変なことばかりで、この状態でフルタイムでは働けないというのが本音です。
子供が小学生に上がるまでは自宅から近いクリニックで週3〜4の勤務日数でパートをしたいなと思い始めました。
もちろん保育園に入れるかの問題はありますが、育休明けの退職はイメージが悪いしどうしようか悩んでいます。
相談内容から子育てが想像以上に忙しいことが読み取れます。
赤ちゃんとの生活は何とも言えない幸せを感じますが、それ以上に睡眠時間は削られ肉体的にも精神的にも大変な労力がかかります。
たとえ育休期間が1年あっても、お世話にかかる労力は大きく変わりません。
次の見出しで詳しく解説しますが、復職ができないと判断するのは悪いことではないので、決して思い詰めることはありません。
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育休明けの退職は法的に問題はない!
結論から言うと、育休明けに退職は出来ますし、法的にも罰則があるわけでもなくなんら問題ありません。
ただし、法的に罰則がなくとも、「職場復帰が前提」である約束を反故していることには変わりません。
復帰予定の看護師が復帰しないとなると、リクルーティングの予定を狂わすことにもなるので、多少なりとも悪いイメージを持たれてしまうことは避けられません。
病院によっては子育て支援を充実させて、24時間の院内保育所や病児対応、育休期間自体を長く設定していることもあります。
まずは勤務先に相談して、フルタイムではなく勤務日数や勤務時間を調整したりと、交渉してから退職の決断をしても遅くはないでしょう。
育休明けの退職はあくまでも最終手段です。
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育休取得者の7.2%が復職せずに退職
厚生労働省の「育児休業終了後の復職状況」によれば、育休取得者のうち7.2%は復職せずに退職しています。
全体の1割に満たないですが、育休後に復職する人は25万程度いるので、2万人は復職せずに退職していることになります。
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育休明けの退職を検討する4つの理由
看護師が育休明けに退職する理由はそれぞれの状況によって変わりますが、大きく分類すると4つに分類することができます。
- 育児と両立できるか肉体的・精神的に不安
- 復職後に勤務する診療科が未経験、慣れるのに時間がかかる
- 保育所に空きがない(子供を預けられない)
- 子供が病気をした時に預けれる身内がいない、病児対応していない
病院勤務の看護師であれば子育て支援が充実しているケースが多いので、「保育所に入れられない、遠い保育所しか入れられない」など物理的に復帰が困難なことは稀でしょう。
ただし、疲弊しやすい看護師業務を並行して行えるか不安との理由はとても多いです。
子供を最優先にするのは当然の感覚ですので、こういった理由で退職することは仕方のないことでしょう。
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育休明けに退職するなら伝え方が大切
子育てが予想以上に大変、両親の協力が得られない、保育園に入れないなど理由は様々にしろ、師長や人事担当は育休明けの退職に理解してくれる事が多いです。
しかし、師長によってはどれだけ説明しても納得してくれないことも。
子育て経験のない師長や被害者意識の強い上司だと、育休が明ければ人員不足がマシになると思っていたのに、そのプランが崩れるので罵倒してくることもあります。
マナー的には退職することは避けなければならないのはわかりますが、感情的にならず根気よく話し合いましょう。
どうしても納得してもらえない場合には、最終手段として労働基準監督署に相談するのも一つの手です。
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育休明けに退職しても失業給付は条件次第で受給可能
失業給付の目的は、働く意思のある求職者に対して支払われる給付金です。
しかし、育休明けの退職の場合、育児に専念するために転職を検討していないと、就労の意思がないので失業給付の対象にはなりません。
ただし、実際に働かなくとも働く予定であれば給付の対象になります。
この場合、保育所に預けるかどうか、を確認されます。もし保育所が決まっていない、預けられる人がいない状況だと、実質的に働くことができないので、給付対象にはなりません。
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まとめ:育休明けの退職は躊躇しないでOK
繰り返しになりますが、育休明けの退職は法的には問題ありませんが、マナー的には避けるべきことです。
だからと言って、子供と自分を犠牲にしてまで職場復帰をすることは絶対にやめましょう。
育休明けの退職者が少ないのは一般職だと、一度退職してしまうと、再び正社員として転職することが難しいからです。
看護師であれば子育てが落ち着いた後に、正社員で再就職することは難しくありません。
最優先すべきことを考え、制度を上手に扱い、最適な行動をしましょう。