オペ室看護師と聞くと、医師にテキパキとメスを渡している医療系ドラマの手術の場面が浮かびますよね。
実際には、医師に手術器具を渡すばかりではなく、その他にも様々な役割があり専門性が高い特殊な部門です。
また、手術を行う診療科や疾患は多岐にわたるため、特定の診療科に限定されない幅広い知識やスキルを習得できるという特徴があります。
高い専門性を身に付けることができる手術室ですが、看護師にとってこの診療科(部門)は働き続けるのに魅力的なのでしょうか?
この記事では、手術室への異動を考えている方や、スペシャリストになる為の専門領域を探している方に向けて、仕事内容やお給料などを解説します。
みき
めぐみ
ジョブス
日勤で土日休みの手術室は生活リズムが安定
基本的にオペは平日の日中に行われ、土日が休みになるので生活リズムが安定しやすいことから人気のある診療科(部門)になります。
夜勤と残業に疲れて子育てに集中したい看護師が、キャリアチェンジするのに候補として上がる部門になります。
ただし、病院規模や手術件数によって働きやすさは異なるので注意が必要です。
例えば、大学附属病院や手術件数の多い総合病院では、予定手術が延長して定時帰宅できないこともしばしば。
夜勤もオンコールもある手術室だと給料面では良いですが、身体がクタクタになってしまうこともあります。
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オペ室看護師の仕事内容と役割とは?
手術のエキスパートとなるオペ室看護師には、どのような仕事内容や役割があるのでしょうか。
主要な仕事内容について見ていきましょう。
1、直接介助(器械出し)に関する仕事
- 手術中、医師に器械類を受け渡す
- 手術で使用する器械類の準備、セッティング
- 手術終了後の後片付け、器械類・ガーゼのカウント
直接介助を行う器械出し看護師は、手術中、執刀医に器械類を渡すという役割があります。
手術の進行状況を把握しながら医師のテンポやペースに合わせて適切な器械類を選択し渡すことは、スムーズに手術を進める上で重要になります。
咄嗟の事態にも臨機応変な動きが求められるため、疾患や解剖生理、術式や手術の流れを十分に理解することが必要です。
執刀するのは医師ですが、器械出し看護師の技術も手術に関与してくるので、円滑に手術が進むとやりがいや達成感を得られやすい仕事内容です。
他にも、手術前には、使用する器械類の準備を、手術後は準備・使用した器械類の数が揃っているかの確認をし、後片付けを行います。
2、間接介助(外回り)に関する仕事
- 患者の状態観察
- 手術中の記録
- 手術中に必要となった器械類・輸血などの準備・補充
- 術前・術後訪問
手術室の仕事内容は、直接介助の方が高度で難しいイメージがありますが、手術全体の動きを把握し細かな調整をする外回り看護師の方がより難しいとされています。
手術中の患者の全身状態は麻酔科医が観察していますが、外回り看護師も体位の調整や保温など状態観察を欠かさず行い患者の安全安楽に努めます。
手術には、執刀医・介助医・麻酔科医・臨床工学技士など、多くの職種が関わりチーム医療が展開されているため、スムーズに手術が進むように職種間の調整を行うことも、外回り看護師の大切な役割の一つです。
また、手術の進行状況に合わせて、さらには思わぬ事態が発生した場合にも、その都度必要な器械や薬剤の補充や準備を行い、手術が円滑に進められるような動きが必要です。
患者の情報収集や手術への不安の軽減を目的とし、手術前に患者と接する機会を持つ術前訪問を行ったり、術後訪問も併せて行う病院もあります。
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オペ室看護師の給料は平均より高水準
オペ室看護師の給料は常勤の夜勤ありでれば平均年収500〜510万円前後になります。
看護師の平均年収480万円であることを考えるとやや高い水準ですが、病棟とは異なる閉鎖空間での仕事になるので割に合わないと思う方もいるようです。
以下は、手術室勤務の手当になります。
- オンコール手当:2000〜4000円/回
- 手術室勤務手当:20,000円〜30,000円/月
夜勤がある手術室だと夜勤手当がプラスされますし、オンコールの場合だとオンコール手当プラス時間外勤務手当も加算されます。
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えっ私の年収低すぎ?看護師の平均年収と給料を年齢や役職別に徹底分析
オペ室看護師の勤務先や配属先の違いとは?
オペ室看護師の勤務先は、大学附属病院や総合病院といった大規模病院から、専門病院、クリニックのような小規模な病院に至るまで、手術室が完備されている病院であれば対象となります。
ある程度の規模の病院であれば、手術室部門が独立しており、専属で手術室看護師が配属されています。
一方、規模が小さい病院やスタッフが不足している病院では、外来や病棟と手術室との兼務という勤務体制もあります。
例えば、午前中は外来を担当し、午後からは担当する診療科の手術に入る、といった具合です。
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オペ室看護師のメリットとデメリットとは?
オペ室のエキスパートとして勤務する看護師には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
メリットと良い口コミ
- 全ての診療科を学ぶことができる
- 生活スタイルが安定しやすい
- 転職に強い
- 男性看護師が多い
残業やオンコールはありますが、基本的に夜勤・土日勤務がないので、趣味に没頭する時間や家族と過ごせる時間が取れてプライベートが充実しやすいです。
手術室看護師はどこの病院でも不足しがちなので、手術室勤務の経験があると、転職する時強みになります。手術室でのスキルは、どこの病院でも通用するので即戦力として重宝されやすいですよ。
手術室では、特定の診療科の専門病院を除き、手術を必要とする全ての診療科が対象となります。
そのため、多くの診療科の疾患や解剖生理の知識を幅広く習得できます。
勤務体制については、オンコールや夜勤・残業がある病院もありますが、病棟勤務よりも夜勤の回数は少なく、基本的に日勤という病院が主流です。
夜勤が少ないと生活のリズムが安定するので、仕事と家庭・育児を両立しやすい、プライベートを充実させやすいといったメリットがあります。
また、オペ室看護師は、病棟や外来勤務とは異なる特殊な部門なので、スキルを身に付け一人前のオペ室看護師になるまでには期間を要します。
その上、看護師の人員は病棟に重点を置いて配属される傾向にあるため、手術室看護者は不足しがちなので、手術室勤務の経験は転職の際に有利になりやすいでしょう。
デメリットと悪い口コミ
- 患者とのコミュニケーションが少ない
- 勉強量がかなり多い
- 精神的ストレスがある
- 手術室から病棟への異動は難しい
術前・術後に少し患者さんと話すくらいで、病棟のようにじっくりと患者さんとコミュニケーションを取ることは少ないです。コミュニケーションが苦手なタイプの人には良いかもしれないけど、物足りなさを感じちゃいますね。
手術中は、すごく緊張感が高くて独特の雰囲気があります。モタモタできないというプレッシャーも尋常じゃないし、覚えることも山積みで、毎日ヘトヘトです。
全身麻酔などの場合はもちろん、意識下で行われる手術であっても、患者とのコミュニケーションは、外来や病棟勤務と比較するとかなり少なくなります。
術前訪問・術後訪問により患者と話す場面はあるものの、密なコミュニケーションを取ることが少ないので、物足りなさややりがいのなさを感じる看護師は少なくありません。
限られた少ない時間の中でいかにコミュニケーションを図り、患者の要望や不安の軽減にどれだけ努められるかといった、コミュニケーションスキルが必要になります。
また、次から次とスピーディーに進められる手術中は、そのスピードについて行ける迅速な動きが求められるので、不確実な知識では手術についていけないばかりか、ミスにつながってしまうこともあるため、十分な自己学習が必要になります。
病棟や外来勤務の場合は主に担当する診療科についての学習が必要ですが、手術室勤務となると、疾患・解剖生理から術式・使用する器械類に至るまで、手術を行う全ての診療科の幅広く深い知識が求められます。
勉強量が多い上にミスできないというプレッシャーも大きく、ストレスは大きくなりがちな部署です。
さらに、手術室では医師との関りが非常に多くなります。
医師が居ると緊張してしまう、普段通りの動きができず萎縮してしまうなど医師と接するのが苦手なタイプの方には、さらにストレスが強くなってしまうというデメリットもあります。
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まとめ:オペ室看護師は、特殊な専門性が身に付き、仕事と家庭の両立が可能!
手術室は、外来や病棟とは異なり、専門性が高く特殊な部門です。
手術を行う診療科や疾患は多岐にわたるため幅広い知識や、医師への適切な介助方法、清潔操作などが身に付きます
また、オンコールや夜勤・当直がある場合もありますが、基本的には土日は休日なため、仕事と家庭の両立が可能であるなどプライベートの充実を図りやすい特徴があります。
入院設備を持つ多忙な病院では、夜勤も残業もある場合が多いので、希望する勤務先の条件をよく確認しておきましょう。