眼を除く首から上が対象!耳鼻咽喉科で働く看護師の仕事内容とお給料とは?

耳鼻咽喉科の仕事内容と給料

耳鼻咽喉科は、「眼・脳・歯」を除く首から上の幅広い範囲が対象の診療科です。

「耳・鼻・喉」の疾患以外にも、気管・食道・甲状腺の診療も行います。

扱う疾患数が多い耳鼻咽喉科ですが、看護師にとってこの診療科は働き続けるのに魅力的な科なのでしょうか?

この記事では、耳鼻咽喉科への異動を考えている方や、スペシャリストになる為の専門領域を探している方に向けて、患者ニーズや仕事内容、お給料などを解説します。

みき

耳鼻咽喉科って、耳や鼻の疾患ばかりなイメージですが、めまいや花粉症など多くの疾患が対象になるんですよね。

めぐみ

そうね。診療する疾患の守備範囲が広いのが耳鼻咽喉科の特徴ね。

ジョブス

小児から高齢者に至るまで、患者さんの年齢層が幅広いということも特徴の一つですね。疾患の種類も、患者さんの年齢層も、対象が幅広い耳鼻咽喉科では、習得できるスキルも多岐にわたりますよ。

耳鼻咽喉科の患者ニーズとは?

耳鼻咽喉科の患者ニーズ

耳鼻咽喉科では、いくつもの器官が対象になるため、多岐にわたる疾患を扱います。

喉の痛みや鼻汁が出て風邪かと思い内科を受診する場合は多いですが、実は扁桃炎やアレルギー性鼻炎、蓄膿症といった場合もあります。

内科領域のようで実は耳鼻咽喉科が専門という疾患は多く、内科でも治療は可能なものの耳鼻咽喉科のほうがより的確で専門的な医療が展開できる場合もよくあります。

また、内科系呼吸器科や小児科と患者層が似通っているため、難聴や補聴器を専門にするクリニックもあります。

みき

耳鼻咽喉科を受診したことがないと、内科領域のような症状で耳鼻咽喉科を受診しようって、あんまり思わないかもしれませんね。

めぐみ

耳鼻咽喉科はマイナーな診療科ではないのだけど、対象となる疾患の幅広さは案外知られていないのかもね。扁桃炎で喉が痛いとまず内科を受診するし、小さなお子さんが耳を痛がって熱が出ていると小児科を受診する、っていう場合は多いわね。

ジョブス

もちろん、大半の疾患は内科や小児科でも対応できますよ。重症化しそうだったり難治性の場合は、内科や小児科から耳鼻咽喉科へ紹介というケースも少なくありませんね。

耳鼻咽喉科で対応する部位別の疾患とは?

耳鼻咽喉科の主要疾患

首から上の器官を対象とする耳鼻咽喉科では、それぞれの部位ごとに様々な疾患があります。

部位別の主な疾患は以下の通りです。

部位 疾患
耳の疾患 中耳炎、外耳炎、難聴、メニエール病、めまい
鼻の疾患 アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、上顎がん、嗅覚障害
口・喉の疾患 口内炎、咽頭炎、扁桃炎、唾石症、唾液腺炎、睡眠時無呼吸症候群、舌がん、口腔がん、咽頭がん、味覚障害、嚥下障害
気管・食道の疾患 声帯ポリープ、胃食道逆流症、食道異物
その他 花粉症、顔面神経麻痺、リンパ節腫脹、唾液腺腫瘍、頸部嚢胞、甲状腺腫瘍

中耳炎やアレルギー性鼻炎のように比較的小児に多い疾患から、メニエール病や嚥下障害など成人や高齢者に多い疾患に至るまで、年齢層も幅広いという特徴があります。

耳鼻咽喉科と聞くと、軽症の疾患、軽微な症状の疾患ばかりと思われがちですが、上顎がんや咽頭がんのような悪性腫瘍も対象となります。

みき

花粉症やアレルギー性鼻炎のような疾患は季節によって増加するので、時期によってより多忙になりそうですね。

めぐみ

学校の健康診断の二次健診で受診する小児の患者さんが多くなる時期もあるわね。

ジョブス

患者さんが多くて普段から忙しい耳鼻咽喉科ですが、多忙な時期にはよりテキパキと仕事をこなす必要がありますね。

耳鼻咽喉科の仕事内容と役割とは?

幅広い疾患や年齢層を対象とする耳鼻咽喉科では、様々な役割や仕事内容があります。

詳しく見ていきましょう。

1、診察の介助に関する仕事

主な仕事内容

  • 診察や検査・処置の介助、患者への説明
  • 患者の状態観察、症状の把握、訴えの傾聴
  • 診察に用いる器具・薬剤の管理

耳鼻咽喉科では対象となる疾患が多いため、診療内容も多岐にわたります。

診察や処置には様々な機器や器具を用いますし、多くの種類の検査も行われるので、それぞれの介助方法や処置内容について習得する必要があります。

耳鼻咽喉科には、年間を通して多くの患者が受診しますが、花粉症の時期や風邪・インフルエンザが流行する時期には特に患者が増加し多忙を極めます。

診察や検査がスムーズに進むように、診察の介助を行う看護師のスキルは非常に重要になります。

使用する機器の洗浄や滅菌、薬剤や物品の管理などは、看護補助者や看護助手が行う病院が多いですが、勤務先の規模や方針によって看護師が行う場合も多くあります。

どの職種が物品の管理を行うにしても、使用する機器や薬剤の把握は、勤務する看護師にとって必要な業務です。

また、耳鼻咽喉科で代表的な疾患の一つであるメニエール病やめまい症は、激しい吐き気や嘔吐を伴い体動困難になりますし、診察を嫌がり暴れだしてしまう小児、難聴のため筆談が必要な高齢者など、症状や年齢層に応じた適切な看護ケアの実践が必要になります。

2、手術に関する仕事

主な仕事内容

  • 手術のオリエンテーション、不安の訴えの傾聴
  • 手術前・中・後の観察・ケア・介助
  • 手術機器・器具の管理

大学附属病院や総合病院のような大規模病院での手術は手術室で行われるため、手術室勤務の看護師が手術の業務を行います。

日帰り手術を行うクリニックや小規模な病院では、術前・術後のケアはもちろんのこと、手術中の介助や手術機器・器具の準備・洗浄・滅菌といった管理も耳鼻咽喉科の看護師が担当することも多いです。

そのため、術前・術後のケアや状態観察はもちろんのこと、術中の介助や看護ケアも必要になります。

また、手術を受ける際には、疾患の程度や手術の種類に関わらず、大きな不安が伴います。

手術に伴う不安の訴えを傾聴するとともに、手術そのものや手術後の経過についてなど念入りにオリエンテーションを行い、不安が緩和できるよう支援することが大切です。

中でも、悪性腫瘍の手術の場合は、外見上の変化や機能障害を来たすこともあります。

術後、どのような経過を辿り、どのようなリハビリを行うのか、術後に予測される機能障害や回復の程度についてなど、医師の説明を十分に行いできるだけ納得できるように配慮することも看護師の役割になります。

3、チーム医療に関する仕事

主な仕事内容

  • 他の診療科やリハビリ部門との情報共有・連携
  • 多職種によるカンファレンス
  • 必要なケアや介助の抽出、社会資源の活用の調整、退院支援

嚥下障害や音声障害などのように機能障害を来たす疾患もあるため、機能回復を目指すリハビリは必須です。

そのため、リハビリテーション科やリハビリ部門のスタッフとの情報共有などの連携が重要になります。

さらに、疾患によっては、口腔外科や呼吸器科など他の診療科と連携した治療が必要になる場合もあるため、診療科の垣根を越えての連携が欠かせません。

栄養サポートチーム(NST)による関りや補聴器業者との調整、退院後の生活に向けての介護の調整といった退院支援など、患者のADL・QOLが維持・向上できるようカンファレンスを通じて他職種との調整や連携を図ることも大切な役割の一つです。

みき

部位や疾患ごとにそれぞれ検査や処置が多いので、覚えるのが大変そうですね。

めぐみ

部位によって症状も疾患も異なるから、最初は何がなんだか分からず混乱しそうよね。一つ一つ経験や学習を積んで習得して、耳鼻咽喉科領域をしっかりマスターしたいわね。

耳鼻咽喉科のお給料と勤務先とは?

看護師の年収と給料

耳鼻咽喉科には特別な手当があるわけではないので、他の診療科で働く看護師と大きな差はありません。

以下は、看護師の平均的な給与と年収になります。

  • 平均給与:333,900円
  • 平均賞与:799.900円
  • 平均年収:4,806,000円

勤務先は以下になります。

  • 大学附属病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 総合病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 耳鼻咽喉科クリニック
  • 小児科・耳鼻咽喉科クリニック

クリニックの場合、小児科と併科していることがごくたまにありますが、基本的に耳鼻咽喉科のみの標榜になります。

さらに、耳鼻咽喉科では、アレルギー性鼻炎や花粉症のようなアレルギー疾患を扱うため、耳鼻咽喉科・アレルギー科と標榜されているクリニックもあります。

なお、病床規模と給料は比例するため、クリニックよりも大学附属病院の方が給料水準は高く設定されています。

看護師の年収・給料えっ私の年収低すぎ?看護師の平均年収と給料を年齢や役職別に徹底分析

みき

悪性腫瘍や手術が必要になる疾患は、総合病院や大学附属病院になりますよね。

めぐみ

そうね、大学附属病院のような大規模病院だと重篤な疾患が対象になるから、多数の患者さんが次々と受診されるクリニックとはかなり雰囲気が違ってくるわね。

ジョブス

耳鼻咽喉科は、病院は1,966カ所、診療所は5,828か所と、圧倒的に診療所の方が多いんですよ。診療所で見ると、内科に次いでの多さです。クリニックの方が気軽に受診できますし、患者さんのニーズは高いと言えますね。

耳鼻咽喉科のメリットとデメリットとは?

幅広い疾患を対象とする耳鼻咽喉科で働くには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

それぞれについて詳しく見てみましょう。

メリットと良い口コミ

3つのメリット

  • 機器の取り扱いのスキルアップができる
  • 幅広い年齢層の看護が実践できる
  • 耳鼻科領域の最新の知識を習得し専門性を高められる
現場の口コミ

色々な部位の診療を行う耳鼻咽喉科では、臓器ごとに検査や処置が異なるので、専門的なスキルをたくさん身に付けることができます。機器の取り扱いも上手になりました。

現場の口コミ

小児から大人・高齢の患者さんが幅広く受診に来られるので、様々な年齢層の患者さんと接することができます。小児の看護が経験できるのも良かったです。

耳鼻咽喉科では対象となる部位が多く疾患も多岐にわたるため、それに伴い検査や処置も様々です。

専門的な検査や処置のスキルが身に付きますし、特殊な機器を使用することも多いので機器の取り扱いについても習得が可能です。

また、対象となる年齢層が小児から成人・老年期に至り、様々な年齢層の看護を実践できるという特徴があります。

特に、小児科勤務の経験がある場合は、そのスキルを耳鼻咽喉科で十分に発揮することができるでしょう。

デメリットと悪い口コミ

3つのデメリット

  • 看護技術のスキルアップが図れない
  • 疾患による病状がシビアなため、精神的に辛い
  • 機器の取り扱いが苦手
現場の口コミ

耳鼻咽喉科で必要になる検査や処置などの専門的な分野のことはしっかりと習得できて良いのですが、重症者の全身状態管理や他の技術があまり経験できないので、耳鼻咽喉科しか看られなくなりそうで心配になります。

現場の口コミ

耳鼻咽喉科のがんは、目に見える部分であったり、嚥下障害や声を失ってしまうなどQOLの低下が著しいので、患者さんの辛い姿を見ているのは自分自身も辛いです。

咽頭がんや上顎がん、舌がんといった耳鼻咽喉科領域の悪性腫瘍は、どれも顔から近い部分であるため外見上の変化を伴うこともあり、嚥下障害や味覚障害、音声障害を生じやすいです。

リハビリにより失った機能を回復できる場合も多いものの、著しくQOLが低下してしまう患者の看護は、看護師自身も非常に辛くなってしまうこともあります。

また、大規模な病院では手術や重篤な疾患にも対応しますが、小規模な病院やクリニックでは、軽症の患者が多いため看護技術や重症患者の状態管理のような様々な経験を積みにくくなります。

耳鼻咽喉科領域のスペシャリストにはなれますが、習得できるスキルが偏ってしまうという不安を持つ看護師も多くいます。

みき

耳鼻咽喉科は、特殊な検査が多いし色々な機器を使用しますよね。機械がちょっと苦手なので心配になっちゃいます。

めぐみ

幅広い疾患が対象になる分、使用する機器も豊富にあるわね。最初は分からなくて大変かもしれないけれど、慣れて覚えてしまえばルーチンワークとしてこなせるようになるから、多少機械が苦手でも大丈夫よ。

まとめ:様々な疾患、幅広い年齢層に対応するスペシャリストになれる!

「眼・脳・歯」を除く首から上の範囲が対象となる耳鼻咽喉科では、疾患の種類も豊富なため検査や処置、治療内容も様々です。

さらに、対象となる年齢層についても、小児から老年期に至るまで幅広い年代の患者を診療するため、あらゆる年齢層の看護の実践やコミュニケーションスキルを高めることも可能です。

特殊な医療機器や器具の取り扱いや、診療の介助方法のスキルの習得により、耳鼻咽喉科領域でのスペシャリストのなることが可能です。