介護と看護!リハビリテーション科で働く看護師の仕事内容とお給料とは?

リハビリテーション科の仕事内容と給料

リハビリテーション科は、骨折のような損傷や脳血管障害などによる機能障害に対して治療や訓練を行い、失われた機能の回復を図ることを目的とした診療科です。

理学療法や作業療法、言語療法をはじめとし、神経ブロック治療やボツリヌス毒素治療、歩行支援ロボットの開発など高度な専門治療が行われています。

リハビリ訓練を行い、家庭復帰や社会復帰を目指すリハビリテーション科ですが、看護師にとってこの診療科は働き続けるのに魅力的な科なのでしょうか?

この記事では、リハビリテーション科への異動を考えている方や、スペシャリストになる為の専門領域を探している方に向けて、患者ニーズや仕事内容、お給料などを解説します。

みき

この診療科って機能の回復を図りつつ、残存している機能を低下させないようにリハビリ訓練を行うんですよね。

めぐみ

寝たきり状態や廃用症候群を予防すると、ADL拡大やQOLの向上にもつながるのよね。

ジョブス

高齢者がどんどん増えているので、リハビリテーション科は疾患により低下した機能を回復するための重要でニーズの高い診療科ですよ。

将来の重要度が増すリハビリテーション科の患者ニーズとは?

急性期の治療が終了したとは言え、機能的または体力的にまだ回復しておらず、在宅へ移行するにはリハビリが必要という状況は多くあります。

急性期からリハビリは開始されていることがほとんどですが、リハビリテーション科では、障害により失った機能の再獲得や回復を目標とし、在宅復帰や社会復帰を目指しています。

実は、1600人の医師にアンケートした「将来重要度が増す診療科」によると、リハビリテーション科は3位にランクインされているんです。

  • 1位:内科
  • 2位:総合診療科
  • 3位:リハビリテーション科
  • 4位:精神科
  • 5位:整形外科

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会を迎える2025年に向けて、在宅復帰や社会復帰を目指すためのリハビリテーション科が注目されているのが分かります。

高齢者が増加する中、このようなリハビリテーション科は、今後ますますニーズが高まっていくでしょう。

みき

リハビリテーション科は、全国に5,557ヶ所あって、内科に次いで多い診療科なんですよね。

めぐみ

診療所は11,834ヶ所もあるし、年々増加傾向にある診療科ね。

ジョブス

超高齢化社会となる「2025年問題」は深刻です。このような背景からも、機能回復や自立支援を図り在宅復帰を目指すリハビリテーション科の需要が高まっているんですよ。

リハビリテーションが必要は主要疾患とは?

リハビリテーションが必要となる疾患は、機能障害を来たす疾患など多岐にわたります。

発症や状態悪化による入院をきっかけに、体力低下や筋力低下を来たすケースは多く、高齢者になるほど入院を機に寝たきり状態になってしまうこともあります。

それらの予防のため、どのような疾患でも入院後早期よりリハビリテーションが行われています。

リハビリテーションが必要となる、主要な疾患について見てみましょう。

運動器 骨折、人工関節、切断指再接着、腱損傷、頚椎症、TFCC損傷など
脳血管 脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、脳腫瘍、水頭症、パーキンソン病関連疾患など
呼吸器 肺がん、IP、COPD、肺炎など
心大血管 急性心筋梗塞、狭心症発作、開心術後、大血管疾患など
がん 食道がん、肺がん、縦隔腫瘍、胃がん、肝臓がん、胆嚢がんなど

リハビリテーションが必要な疾患には、まず整形外科領域である運動器の障害による、骨折などが挙げられます。

損傷した部位の治療を行いつつ、機能をできるだけ再獲得するためのリハビリ訓練は非常に重要です。

また、脳出血や脳梗塞といった脳血管障害、脳腫瘍やパーキンソン病などの脳外科疾患も、リハビリテーションを行う代表的な疾患です。

脳血管障害では麻痺が生じ、嚥下機能の低下や高次脳機能障害を来たすこともあるため、歩行など活動に対するリハビリをはじめとし、嚥下訓練や生活機能訓練のような様々なリハビリが行われます。

他にも「呼吸器リハビリテーション」「心臓リハビリテーション」「がん患者リハビリテーション」など、それぞれの疾患の特徴に合わせた、疾患別リハビリテーションが行われています。

みき

どのような疾患でも、安静ばかりではどんどん機能が低下する一方なので、リハビリは大事ですよね。

めぐみ

疾患別のリハビリも積極的に行われているし、365日休みなくリハビリをしている病院も増えてきているわね。

リハビリテーション科の仕事内容と役割とは?

リハビリテーション科では、担当医師をはじめとし理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など多職種によるチーム医療が展開されています。

その中で、看護師の持つ役割や仕事内容について見ていきましょう。

1、リハビリに関する仕事

主な仕事内容

  • 日常生活援助
  • 状態観察・体調管理
  • リハビリ部門との情報共有・連携

リハビリに出療している時だけが訓練の時間ではなく、入院生活そのものがリハビリ訓練の場です。

食事や排泄、入浴などの日常生活動作は、できない部分はもちろん援助しますが、自力でできる部分や訓練中の動作については、看護師はむやみに介助せず見守り、待つことが重要な看護ケアになります。

また、急性期の治療が終了した回復期および慢性期なので状態は安定していますが、急な合併症の出現や原疾患の再発という事態になることもあります。

さらに、損傷した部位の痛みや痺れがあるため、リハビリによりさらに痛みを伴ったり疲労感も強いものです。

状態が安定していても油断せず、日頃から状態観察を行うことは異常の早期発見につながる大切なケアです。

2、精神的ケアに関する仕事

主な仕事内容

  • 訴えの傾聴、言動の観察
  • 不安内容の抽出やニーズの把握
  • 家族に対するケア

障害された機能を回復するためのリハビリは、痛みを伴ったり思うように動作を行えなかったり、決して容易なことではありません。

機能障害や麻痺により、これまでの生活が一変してしまう場合もあるため、精神的に落ち込みなかなか障害を受容できず、前向きにリハビリに取り組めないこともあります。

一方、早期に回復したいとの思いや焦りから、頑張り過ぎたり、体調が悪いのにもかかわらず気付かずに無理をしてしまうこともあります。

体調が悪化している状態でリハビリを進めると、更なる体調悪化を招くばかりかリハビリ中の転倒など、事故を招くリスクにもなりかねません。

看護師はそのような患者の思いや意欲を理解するとともに状態を把握し、体調悪化時には訓練を休むなどリハビリ部門と連携した配慮が必要とされます。

また、患者と同様に、家族も今後患者をどのように支えていけば良いのか、介護し続けていけるのか、といった大きな不安を抱いています。

患者だけではなく家族の訴えにも耳を傾け、患者と前向きに関わることができるよう家族に寄り添うことも大切な役割の一つです。

3、退院支援に関する仕事

主な仕事内容

  • 患者・家族の思い、家族の介護力、自宅の状況などの情報収集・アセスメント
  • 家族・他職種とのカンファレンス
  • 社会資源の利用についての情報提供・サービス導入などの調整

リハビリを行っても、発症前・受傷前のような状態に完全に戻らず障害を残したまま退院となる場合は多くあります。

在宅復帰するにあたり、自宅改修の必要性を評価する家屋調査の実施や、どのような支援が必要となるのか多職種によるカンファレンスを行い、介護サービスなどの調整を図ることが必要になります。

また、患者本人の希望や思い、家族の介護力・協力体制など、患者背景によってもサービス調整は変わってくるので、それらの把握も非常に重要になります。

そして、かかりつけ医や訪問看護師、ケアマネージャーなど、院外の地域の医療機関との連携も在宅復帰に欠かせません。

みき

できる動作を、患者自身に行ってもらうことは大事なのは分かりますが、忙しい時とか急いでいる時は、つい手を出して手伝いたくなっちゃうんですよね。

めぐみ

状況や状態に応じて、必ずしも介助してはいけない、という訳ではないけれど、患者さんの動作を見守ることは、看護師が介助してしまうよりも看護師にとっては忍耐かもしれないわね。

ジョブス

介助する・介助しない、をその時々の患者さんの状態から見極めるのも、リハビリテーション科の看護師の役割ですね。

リハビリテーション科のお給料と勤務先とは?

看護師の年収と給料

リハビリテーション科には特別な手当があるわけではないので、他の診療科で働く看護師と大きな差はありません。

以下は、看護師の平均的な給与と年収になります。

  • 平均給与:333,900円
  • 平均賞与:799.900円
  • 平均年収:4,806,000円

また、勤務先は以下になります。

  • 大学附属病院のリハビリテーション科
  • 総合病院のリハビリテーション科
  • リハビリテーション病院
  • 整形リハビリテーションクリニック

クリニックの場合、整形外科と併科していることが大半です。

ただし、病床規模と給料は比例するため、クリニックよりも大学附属病院の方が給料水準は高く設定されています。

看護師の年収・給料えっ私の年収低すぎ?看護師の平均年収と給料を年齢や役職別に徹底分析

みき

リハビリテーション科での入院の場合は、回復期リハビリテーション病棟や療養型病棟での勤務が多いですよね。

めぐみ

急性期病棟でもリハビリは行われているけれど、リハビリテーション科での入院となると、回復期リハビリテーション病棟がメインとなるわね。

ジョブス

急性期のうちからリハビリを始めることは、効果的なのでどの病院でも進んで取り組まれていますね。回復期のリハビリでは、365日絶え間ないリハビリを行う病院も増えていますよ。

リハビリテーション科のメリットとデメリットとは?

機能の回復や日常生活動作の向上を目的とするリハビリテーション科で働くには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

それぞれについて詳しく見てみましょう。

メリットと良い口コミ

3つのメリット

  • 患者とじっくりと関わることができる
  • チーム医療を学べる
  • 緊急入院や急変が少ない
現場の口コミ

リハビリを頑張ってADLが向上する患者さんが笑顔で退院されるのを見ると達成感があります。医療ソーシャルワーカーと連携しながらチーム医療を実践できるのも勉強になります。

現場の口コミ

急性期のように毎日の緊急入院や急変がほとんどないので、精神的なストレスは少ないです。バタバタしていないので、じっくりと患者さんに接することもできます。

リハビリ訓練によりできなかった動作や失った機能を戻し、自力でできることが増えていく回復の過程は、看護師にとっても嬉しく達成感があります。

また、急性期のような生命に直結する緊迫感や慌ただしさが少なく、患者と関わる時間を多く取れるのでじっくりと向きあうことができます。

医師やリハビリ部門、MSW、栄養士、薬剤師ら多職種が関わるチーム医療は、どの診療科でも行われていますが、機能回復を図り在宅復帰を目指すリハビリテーション科ではより重要になります。

患者と関わる時間が最も長く、患者に近い位置に居る看護師の存在は、チーム医療の中でもそれぞれの職種の橋渡し的な役割も担います。

デメリットと悪い口コミ

3つのデメリット

  • 看護技術のスキルアップが図れない
  • 日常生活援助・介助量が多く体力的に辛い
  • 看護ではなく介護を行っているように感じる
現場の口コミ

急性期を脱して状態が安定している患者さんばかりなので、急変対応や重症者の全身管理はほぼありません。今までに習得した処置やケアなどの看護技術を行う機会は激減するので、技術の向上はできません。

現場の口コミ

リハビリテーション科とういだけあって、日常生活援助が必要な患者さんばかりなので、介護的な感じで忙しいです。体力勝負の診療科ですね。

リハビリテーションは、ほとんどが急性期から開始されますが、リハビリテーション科では急性期を脱した後の回復期・慢性期が主となります。

そのため、重症患者や急変はほぼなく医療行為も少ないため、様々な看護技術や急変対応のスキルアップを図りにくいというデメリットがあります。

ですが、リハビリテーション科で対象となる脳血管障害などの疾患には再梗塞や再出血が起こるリスクが伴いますし、転倒による骨折や肺炎などもよく発症しがちな合併症です。

高齢者が多いという特徴からも合併症が発症するリスクは高いので、普段状態が安定していても、思いがけず急変の場面に遭遇することもあります。

急変時に対応が困難といった事態にならないよう、自分自身を含めスタッフの急変対応のスキルアップへの努力は必要になります。

また、リハビリテーション科では、疾患により自分の身の回りのことができない患者が多く、日常生活援助を要するため介護度が高くなります。

医療的な忙しさではなく援助と介助で忙しくなるので、疲労が強く体力的に辛くなってしまう場合もあります。

みき

日常生活の援助がとにかく多いので、介護の仕事をしているようで、これは看護ではないのでは…って、分からなく迷ってしまいそうですね。

めぐみ

日々の援助に追われる中で、看護を見失ってしまってやりがいを見出せなくなる看護師もいるわ。でも、個別性に応じて援助をすることは立派な看護よ。

ジョブス

そうですね、病状や障害の程度、患者背景に合わせて何が最適なケアか、どのような関りが最善なのか、個別性を考慮し行うリハビリ看護の視点は、どの診療科にも通ずる看護ケアのベースとなりますよ。

まとめ:チーム医療を実践し、リハビリ看護を極めよう!

リハビリテーション科は、障害が生じた身体機能の回復を図り、在宅復帰や社会復帰を目的とした診療科です。

生活そのものをリハビリ訓練の場とし、多職種での連携を図りながら在宅復帰や社会復帰を目指すため、チーム医療について十分実践できます。

日常生活の援助から退院支援に至るまで、障害の程度やリハビリ訓練の進捗状況、患者背景など、個別性に応じた看護が展開されるため、どの診療科でも通用する看護の基盤となるような視点や看護過程を身に付けることが可能です。