公益財団法人日本看護協会によれば平成27年末時点で看護師・准看護師として働いている人の総数は約160万人。
そして平成26年に発表された厚生労働省の「看護職員の現状と推移」によると、 潜在看護職員は約71万人 sとされています。
t 就業中の看護師の半数に近い約71万人もの人が希少な国家資格を持ちながら働いていないのです。
こういった人々の中には出産や結婚を機に退職して現場復帰できていない人、もしくは転居などの諸事情で退職して、そこから現場復帰していない人などが含まれています。
医療現場は日進月歩で技術が進化し続けます。その為ブランクができれば新しく覚えなければならないことが多く、看護師としての職場復帰は億劫になりがちです。
また元の職場に戻るとなっても5年以上月日が経過すると、メンバーの入れ替りが起こります。業務内容も全く違ったものになっているケースは少なくありません。
そうなると 職場の人間関係も一から作り直さなければいけない ので大変ですよね。したがって出産・育児を終えて元の職場に復帰することが簡単ではない、という現実があります。
これはブランクがある看護師なら誰もが感じることではないでしょうか。 人の生命に関わる仕事なだけに、ブランクがあると職場復帰への不安もどうしても出てしまいますよね。
そこで今回はブランクに悩み・不安を持つ看護師の再就職マニュアルとして、ブランクの不安解消法、そして再就職の方法を詳しく説明します!
看護師のブランク要因は【出産育児/結婚/職場関係の問題】
職場復帰する為には、自分自身のブランク期間ができた原因を振り返ることも大切です。その原因が職場環境であった場合は、再就職先を探す際の判断材料にもなるからです。
では以下に看護師がブランクとなる原因を紹介します。
出産・育児により退職した後ブランクとなっている
看護師として働いていてブランクができる原因はこの出産・育児が最も多いのではないでしょうか。 都心部では待機児童の問題が注目されていますが、それは看護師も例外ではありません。
しかも看護師業務は病棟勤務になると、土日や夜間も関係が無いのでそもそも平日だけ預けられるような保育所に全てを任せることはできません。
実家が近い、もしくは親と同居している等の条件を満たしていなければ、小さな子供がいながら常勤で働くことは難しいといえるでしょう。
結婚を機に退職してそこから専業主婦になった
看護師に限らないかもしれませんが結婚を機に専業主婦となり、ブランクができるケースも少なくありません。
時代背景を鑑みれば、50代以降でブランクがある看護師の方には多いのではないでしょうか。こういった方々は子供が中学、高校に入学する等、ある程度子供の手が離れた時点で職場復帰を検討される方が多い傾向があります。
しかしブランクの期間が10年以上になっている場合が多いので、復帰方法は慎重に判断すべきだといえるでしょう。
職場関係の問題で退職して、そこから再就職していない
過労でドクターストップがかかった場合や、上司のパワハラ等、何かしら問題が起きて退職となった場合は看護師として働くことに抵抗感を持ってしまうことは珍しいことではありません。
実際に病院勤務にトラウマを持ってしまい、事務職などの一般職を経験した、という人も少なくないのではないでしょうか。
このような理由でブランクができ、そこから復帰する場合は、転職コンサルタントや専門のキャリアコンサルタントに相談することが効果的です。
第三者の力を借りながら就活することで慎重に適正を判断でき、再就職が上手くいく可能性が高まります。
看護師の再就職支援プログラムを活用する
看護師としてのブランクを解消する為には、再就職支援プログラムの活用を検討しましょう。特にいきなり現場復帰することに不安がある、もしくは自信がない場合は積極的に受講しましょう。
再就職支援プログラムとは、県や市、もしくは病院などの医療機関が実施している、看護師が再就職しやすくする為のプログラムです。
その内容は病院ごと、もしくは開催されるテーマによって異なりますが、基本的には最新の医療技術の勉強である場合が多いので、復職する際の励みになりますよ。
その金額は数千円~数万円。
提供されるプログラムにより異なりますが、基本的に10日間など、ある程度期間が長いものは金額が高くなる傾向があります。 1日以内で終わるものはほとんどが数千円以内で受講が可能です。
こういったプログラムは人材紹介会社と提携して開催されている場合も多く、 プログラムに参加した実績が強みとなり、ブランク後の就職活動を有利にする可能性があります。
それに最新の技術をある程度理解できれば、何を新たに学ぶべきかが分かり、ある程度その目処もつくので安心できますよね。
また看護の実践に関しても、最新の技術や知識を学ぶことで自信が回復しやすくなります。1日だけの単発ではなく、1週間程度の実習を含むプログラムを受講すれば、実務感覚を取り戻せる人も少なくありません。
ブランクがあり、尚且つ自信を取り戻したい場合は受講を積極的に検討しましょう。
再就職プログラムの参考情報
各都道府県のナースセンターやeナースセンター
受講を検討する場合、都道府県のナースセンターについてはチェックしておきましょう。再就職支援関連のプログラムはeナースセンターの「お知らせ」からチェックできます。
このサイトでは、イベントに限らず求人情報の検索もできるので就活も兼ねたい場合は必見です。各都道府県のナースセンター住所
県が提供する支援プログラム
広島県の場合「看護職員復職支援研修」が実施されています。医療機関だけでなく、県がこのような復職支援を行う場合があるので、所属する地方自治体の再就職支援プログラムの活用も検討しましょう。
各病院ごとに再就職プログラムを提供
病院が公式HPで再就業支援プログラムの実施を発表する場合もあります。気になる病院がある場合は、公式HPのチェックもしておきましょう。
ブランクを持つ看護師には教育体制が整った病院を探すことが重要
再就職支援プログラムを受けてある程度自信をとり戻したら、就活をはじめていきましょう。その際のポイントはブランク期間があることを隠さないことです。
面接でも正直にブランク期間があることを伝えると、教育期間や研修期間を配慮してくれる場合が少なくありません。
またエントリーする前に、病院や施設の教育体制を確認することも大切です。教育体制が整った病院に入職すれば、ブランクがあっても働きやすい可能性が高いからです。
逆に即戦力を求める職場に入職してしまうと、ミスマッチとなるリスクが大きくなります。病院探しは慎重に取り組みましょう。
ブランクにしていた理由を明確にする
再就職に向けて、就活を始めたらブランクにしていた理由を明確にすることも欠かせません。何故なら 面接ではかなり高い確率でブランク期間の理由について確認されるからです。
その際に適格に答える為にもブランクの理由を明確にしておきましょう。自己分析の機会にもなるので、これはかなり重要なポイントです。
そしてブランクを経て就活する場合、面接の時に絶対にやってはいけないことがあります。それはブランクの期間を偽ること、もしくは自分の能力を過大にアピールすることです。
能力の高さを上手くアピールできれば面接を突破できる可能性は高くなるかもしれません。しかしそうなると、現場に入った時に教育期間が少なくなる、または即戦力として認識される可能性が高くなります。
さらに自分自身で自分にプレッシャーをかけることになるので、結果として再就職に失敗しやすくなってしまうのです。
ブランク期間について面接官に答える際は、過大評価を避ける為にも偽らず正直に伝えることを心掛けましょう。
看護師専門の転職サポートを活用する
看護師としてブランク期間を経て再就職する際は転職サポートを活用することも検討しましょう。
これは取り組んでみると実感することですが、自力でエントリーする病院の教育体制を全て調べることは簡単ではありません。
ところが看護師専門の人材紹介会社やキャリアコンサルタントに相談すれば、教育体制についての情報も一度に教えてもらえる可能性が高いのです。
また転職コンサルタントに相談して、 「ブランク期間を経て職場復帰した先輩」がいる職場 を探してもらってもいいでしょう。
不安がある場合は、履歴書や面接時の対応についても相談できます。転職コンサルタントによってはブランク期間等の状況を客観的に分析して、常勤ではなく非常勤から徐々に慣らしていくことも選択肢として提示してくれるかもしれません。
このように、ブランクの不安は転職サポートを活用することで解消できる可能性が高くなります。ブランクを経て就活する際は、転職サポートの活用を積極的に検討しましょう。
【まとめ】看護師として再就職する際はブランク期間について正しく伝えよう
ブランクを経て看護師として再就職する際に大切なことは、その期間や自分の能力について正しく面接官に伝えることです。
そうすることで即戦力を求める病院からは採用されにくくなるかもしれませんが、ミスマッチを防げます。
ブランク期間に不安がある場合はやはり教育体制が整った環境で再スタートしたいですよね。 看護師は供給が不足がちなので再就職そのものは難しくはありません。しかし本当に自分に合う職場を見つけることは簡単ではないのです。
その為、再就職する際は、慎重に病院選びをすることが欠かせません。再就職で後悔しない為にも、転職サポートや再就職支援プログラムは積極的に活用していきましょう!
特にレバウェル看護は、病院の内部情報に詳しく応募書類の書き方や面接対策など手厚いフォローに定評のある転職サイトです。
条件の良い求人(非公開求人)は応募者が殺到するため、募集されてから数日以内に締切してしまうケースも少なくありません。
たとえ今すぐに転職するつもりがなくても、普段から転職サイトはマメにチェックしておき、条件の良い求人が出たらすぐに対応できるようにしておく事が転職を成功させるコツです。
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登録後は、コンサルタントから本人確認の連絡がありますので胸の内を相談してみましょう。
- ブランク期間を隠して就活してはいけない
- スキルや知識に不安がある場合は再就職支援プログラムを活用しよう
- ブランクがある場合、教育体制が整っている病院が狙い目
- 転職サポートを活用すればブランクがあってもエントリー可能な病院が見極められる
- ブランク期間が長期に渡る場合、即戦力を求める職場は避けよう
産休や育児によって看護の現場から離れ、再び復職したいと考える看護師は少なくありません。しかし現場を離れているブランク期間が長ければそれに応じて転職活動が厳しくなるのが実際のところ。
では育休や産休から復職を成功させるためにはどうすればいいのでしょうか。今回は復職したいママ看護師が好条件で転職する方法を紹介します。
ママ看護師の復職・再就職の現状
更生労働省の発表している「看護職員の現状と推移」によれば平成24年時点の看護職員の就業者は1,537,813人。
そのうち離職者数は約16.1万人。全体から見れば約1割が離職している状態です。ではそのうち産休や育休で離職している人の人数はどの程度なのでしょうか。
前述の資料によれば 退職理由として最も多いのが出産・育児で22.1% です。
そのため16.1万人の約2割である3.2万人の人がママ看護師として復職の見込みがあるといえます。この数字に対して平成24年度時点のハローワークの有効求人数は1,223,564人で100万件を上回っています。
そのためママ看護師の復職に課題があるとしても、一般的な事務職よりは就職しやすい環境だといえるでしょう。
その一方で育休・産休の期間が長いママ看護師は現場へ復帰することに対して不安を抱いているケースが少なくありません。
ママ看護師の復職の問題はただ単純に求人数が多いことで解決されるわけではないのです。そこで ママ看護師の多くはいきなり就職活動をはじめるのではなく、研修や復職支援プログラムを活用しています。
ブランクがあっても安心!研修・復職支援プログラム
では研修や復職支援プログラムはどのような組織が提供しているのでしょうか。その代表的な組織は日本看護教会が運営する各都道府県のナースセンターです。取り組みの内容は次の通りです。
公益社団法人 日本看護協会(Japanese Nursing Association)について
日本看護協会は復職支援の取り組みに積極的なことで知られていますが、単なる復職を支援しているわけではありません。
日本看護協会はワーク・ライフ・バランスを重視した復職を支援しています。
日本看護協会が発表している「看護師のワーク・ライフ・バランス推進ガイドブック」では実際に医療機関に対して「WLB(ワーク・ライフ・バランス)」の導入が経営の改善や人材の定着につながることを提示しています。
さらに看護部長や役職のない看護師であったとしても自分からワーク・ライフ・バランスが整った環境づくりを働きかけることの重要性まで記しています。
復職できたとしても、激務のため離職してしまっては意味がありません。再就職した後に無理をしないためにもワーク・ライフ・バランスの概念をしっかりと理解することが欠かせません。
e ナースセンターによる研修情報の発信
e-ナースセンター日本看護協会が運営する職業紹介のサイト。日本看護協会が保有する各都道府県の求人情報がネットで確認できるものです。
このサイトでは求人情報だけではなく復職に関する研修の情報も閲覧できます。
また近年では各都道府県における研修だけではなくオンデマンドの研修も盛んです。そのため忙しくて研修会場まで足を運ぶ時間が無い場合も受講できるのが嬉しいポイント。
また研修会場で実施される研修の中には採血・注射などの看護の基礎的な技術を学びなおすこともできます。
長期に渡る産休、育休から再就職を成功させるためにはこういった研修の活用は欠かせないといえるでしょう。
ママ看護師向けに育児と仕事を両立しやすい職場と条件
ママ看護師が育児と仕事を両立しやすい職場の条件は明白です。それは実際に育児と仕事を両立している看護師がいる職場で働くことです。
育児と仕事を両立するためには医療機関の制度が整っているだけでなく、現場の理解が必要です。
たとえ病院が育児と仕事を両立するための有給休暇取得の推奨などをしていても、現場の理解がなければ意味がありません。そのため確実に育児と仕事が両立する職場を見つけるためには実際にそれを実現している看護師がいる職場を探しましょう。
しかし働いている職員の情報は求人票からは知ることはできません。
そのため 同期の看護師の紹介 や 転職サービスのコンサルタントから情報 を得るなど転職活動には工夫が必要です。
手間はかかりますが。職場環境を確認しながら転職活動すればミスマッチは避けられます。
また育児と仕事の両立を考えるなら日勤のみの勤務先を選ぶこともポイントの一つです。夜勤がある医療機関に就職すると、どうしても子供との生活時間がずれてしまい、育児との両立は難しくなりがちです。
しかしクリニックや企業で勤めれば、夜勤無しで日曜日も休めます。家族とズレがないリズムで生活できるのです。
特にクリニックであれば午前と午後で勤務がはっきりと分かれているため、子供の行事などで休む際も計画的に休暇が取得できます。
病棟勤務と比べれば責任を伴う看護業務も少ないためクリニックは産休からの復職として検討すべき職場の一つだといえるでしょう。
ママ看護師が働きやすい職場を見つけるには看護師専門の転職サイトを活用しよう
前述のようにママ看護師が働きやすい職場を見つけるには職場環境が重要です。しかし看護師仲間のつながりだけで職場情報を把握することは、よほどの人脈がなければできません。
働きやすい職場を見つけるためには看護師専門の転職サイトを活用することをオススメします。
そして転職サイトでコンサルタントにブランクがある旨をしっかりと説明しましょう。転職サイトのコンサルタントであれば現場のリアルな情報を把握しています。
充実な復職支援がある病院や、同じ状況のママ看護師がいる職場を紹介してもらうのです。
自分だけで求人情報を精査するよりもその方が効率的で近道です。転職活動に充分な時間を割く余裕がない場合、特に転職サイトは役立ちます。
なぜなら転職サイトは基本的に希望条件を伝えた後は待つことが基本だからです。忙しい日常を送っていると毎週のように更新される求人情報を自分で閲覧するのは手間ですよね。
転職サイトを活用すれば条件に合った求人があれば転職コンサルタントから提示されます。ママ看護師として働きやすい職場を見つけたい場合やスムーズに就職活動を進めたい場合は、転職サイトを積極的に活用していきましょう。
特にレバウェル看護は、病院の内部情報に詳しく応募書類の書き方や面接対策など手厚いフォローに定評のある転職サイトです。
条件の良い求人(非公開求人)は応募者が殺到するため、募集されてから数日以内に締切してしまうケースも少なくありません。
たとえ今すぐに転職するつもりがなくても、普段から転職サイトはマメにチェックしておき、条件の良い求人が出たらすぐに対応できるようにしておく事が転職を成功させるコツです。
レバウェル看護 公式サイトはこちら
登録後は、コンサルタントから本人確認の連絡がありますので胸の内を相談してみましょう。
【まとめ】看護師ママとして復職する際は研修と転職サイトを上手に使おう
看護師ママとして復職する際は現役の頃と同じ転職活動をしてはいけません。ブランクがある現状を直視して、まずは安心して働ける状態まで知識と感覚を取り戻しましょう。
そのためにはナースセンターの研修を使うことや研修制度が充実した医療機関を探すなどの工夫が必要です。
そして転職サイトを使えば職場環境を知った上でリスクが少ない復職ができます。復職支援がある病院を見極める際にも転職サイトはオススメです。
これから復職に向けて転職活動をはじめるなら、まずは感覚を取り戻すために研修の受講から取り組んでみてはいかがでしょうか。
- 産休、育休のブランクは研修でカバーしよう
- ママ看護師が働いている職場は復職に向いている
- 日勤のみの職場なら育児と両立しやすい
- 転職サイトは活用すればミスマッチのリスクが回避できる
- 転職サイトを活用して復職支援がある病院を見極めよう