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現役看護師228人に聞いた転職理由ランキング!原因と解決方法とは

看護師の転職理由

他の職種と比較して、離職率が高い傾向にあると言われる、看護師。日本看護協会が発表した資料によると、2015年度に離職した常勤看護師は、全体の約11.0%。全国で就業している看護師が約140万人いることを考えると、1年で10万人以上もの人が離職していることになります。

離職後は、看護師から別の職種へ転向する人、専業主婦になる人など、進路は様々ですが、多くの看護師は、転職して別の医療機関で就業します。

そこで今回は、看護師100人にアンケートとインタビューを実施し、転職理由を徹底リサーチしました。なぜ転職を決意したのか、その原因と解決法をランキング形式で発表します!

参考 日本看護協会「2014年 病院における看護職員需給状況調査」

看護師の転職理由ランキング

看護師13

  • 1位 労働環境が過酷
  • 2位 人間関係に嫌気がさした
  • 3位 育児や介護と両立して働きたい
  • 4位 給与アップのため
  • 5位 結婚・出産のため
  • 6位 希望の診療科で働きたい
  • 7位 スキルアップしたい
  • 8位 病院の看護方針が合わない
  • 9位 配偶者の転勤
  • 10位 昇進・昇格制度に不満

転職理由ごとの原因と解決法

医療01

1位 労働環境が過酷

<原因>
人手不足が深刻化する病院では、長時間労働やサービス残業は当たり前、有給も取れず、年間休日も少ない…といった状態のなか、働かなければなりません。

そのため、心や身体が疲弊し、体調を崩したり、家事や育児との両立が難しくなったり、様々な点で日常生活に支障をきたします。

<解決法>
残業が少なく、有給を取得しやすい職場に転職しましょう。精神科や人工透析科などの専門病院、あるいは療養型病院であれば、定時で帰宅できる場合が多いです。
また、小さなクリニックなら、日勤のみで働くことも可能です。

2位 人間関係に嫌気がさした

<原因>
看護師の職場は、基本的に女社会。グループ派閥があることも多く、人間関係は複雑です。また、労働環境が過酷で、精神的にゆとりがないため、同僚にキツくあたってしまう人もいます。

<解決法>
紹介予定派遣で転職することをおすすめします。紹介予定派遣は、一定期間、派遣看護師として就業したのちに、双方合意のもと、直接雇用に至るシステムです。

実際に働くことで、入職の意志を固められるため、人間関係の良し悪しを確かめるのに最も適した方法だと言えます。

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3位 育児や介護と両立して働きたい

<原因>
病棟の常勤看護師の場合、フルタイム勤務かつ不規則な勤務体系で働くことを、余儀なくされます。また、残業も避けられません。よって、育児や介護と両立して働くことが難しくなります。

<解決法>
「午前中のみ」「週3日だけ」など、労働時間や勤務日数を限定する場合は、非常勤(パート)あるいは派遣として就業しましょう。

なお、非常勤(パート)と派遣は、メリット・デメリットが、それぞれ異なります。契約更新のスパンの長さを重視するなら非常勤、高時給で働きたい場合には派遣を選択すると良いでしょう。

大阪 大阪

4位 給与アップのため

<原因>
看護師の仕事は基本的に激務で体力勝負。その働きぶりに見合った給与が欲しいと思うのは、労働者として当然のことでしょう。

他の医療機関と同じような業務をこなしているのに、給与が低い場合は、待遇の良い職場へと転職を考えるようになります。

<解決法>
私立の大学病院や、国立・公立病院は、待遇が手厚い ことで有名です。そのため、採用難易度は高くなりますが、看護師としての実務経験とスキルをお持ちであれば、転職することも不可能ではありません。

転職エージェントに登録する、各医療機関のホームページをチェックするなどして、情報収集を行っていきましょう。

5位 結婚・出産のため

<原因>
女性看護師の場合、結婚・出産によるライフステージの変化によって、転職を決意することが多いです。

過酷な労働環境や不規則な勤務体系により、家事や育児と両立して働けないことが原因として挙げられます。

<解決法>
夜勤のないクリニックあるいは、非常勤・派遣などの雇用形態 で就業し、労働時間や勤務日数を調整しましょう。

また、常勤の時短勤務制度が充実している、大学病院や国立病院へ転職するのも手です。

時短勤務制度は、原則、3歳に達するまでの子を養育する労働者に適用されますが、福利厚生が充実している大規模病院では、6歳まで適用になる場合があるのです。

ただし、利用にあたっては、同一の事業主に1年以上雇用されていることが条件となります。そのため、「すぐに時短で働きたい!」という人には、おすすめできません。

6位 希望の診療科で働きたい

<原因>
診療科の変更を、転職理由に挙げる人は、主に以下の2パターンに分類されます。

  • 興味のある診療科に移りたい
  • 残業が少ない診療科に移りたい

興味のある分野でスキルアップしたいと考える人もいれば、過酷な労働環境とライフスタイルがマッチしないために、残業が少ない診療科で働きたいと考える人もいます。

<解決法>
現職での異動が叶わない場合は、 専門病院 、あるいは、 クリニック へ転職しましょう。多くの診療科がある総合病院への転職は、あまりおすすめしません。

転職時に希望の診療科へ配属されるかは分かりませんし、配属されたとしても、将来的に、他の診療科へ異動する可能性があります。

7位 スキルアップしたい

<原因>
「最先端の医療技術が学べない」「専門性を高められない」など、スキルアップの面で不満を持つ看護師は大勢います。また、「もっと教育体制が充実している職場で働きたい!」と願う人も多いようです。

<解決法>
自身のスキルアップに必要な要素を吟味し、それらを満たす職場で働くことが重要です。一般的に、大学病院や国立病院であれば、最先端の医療に触れることができ、教育体制も充実しています。

しかし、「自身の専門性を高めたい」という場合には、総合病院よりも専門病院で勤務するほうが、スキルアップにつながります。

また、「患者さん一人ひとりと、じっくり向き合いたい」という場合には、 プライマリーナーシング や、 モジュール型看護方式 を採用している病院へ転職することが望ましいです。よって、病院の規模ではなく、自身が望むスキルアップが可能な職場を選択することが大切だと言えます。

8位 病院の看護方針が合わない

<原因>
病院の看護方針が、自身の看護観と一致しないため、やりがいを感じることができず、転職を考えるようになります。

<解決法>
看護観は経験年数によって、変化するため、安易な転職はおすすめできません。しかし、2〜3年勤務しても、やはり自身が理想とする看護を提供できないという場合には、マッチする職場へと転職しましょう。

その際は、転職エージェント経由で、事前に、職場環境や病院の理念、看護方針などを、細かくリサーチしましょう。

9位 配偶者の転勤

<原因>
配偶者の転勤により、他県へ引っ越すことになった場合は、新しい土地で、職場を探さなければなりません。既婚者には多い転職理由です。

<解決法>
新しい土地へ引っ越す前に、転職エージェントに登録し、積極的に情報収集を行いましょう。また、引っ越したのち、病院周辺の環境を、しっかりとリサーチすることも大切です。

10位 昇進・昇格制度に不満

<原因>
「どんなに頑張っても正当に評価されない」「昇進を望んでいるがポストが詰まっている」など、昇進・昇格制度に対する不満を解消するために、転職する人も多くいます。

<解決法>
転職エージェントを活用して、 人事制度 評価基準 をリサーチしましょう。ポストの空きはあるのか、推薦者となる上司はどのような人物か、など様々な観点で検討することが大切です。

ただし、多くの病院では、勤続年数を評価基準のひとつに設定していることが多いため、転職の際には充分、注意してください。

20代看護師に多い転職理由

20代で最も多い転職理由は、結婚・出産による、ライフステージの変化です。家事や育児と両立して働ける職場へ転職したいと望む人が大勢います。

また、転職と同時に、雇用形態を変える場合もあります。パートや派遣などで、短時間勤務をこなし、プライベートとの両立を図っています。

30代看護師に多い転職理由

20代看護師と同様に、家事や育児との両立を目指して転職する人が多いです。30代といえば、子育て真っ只中の世代。

女性看護師の多くは、家庭とのバランスをとりながら働きたいと考えています。また、給与アップのために転職する人も多いです。看護師の昇給は、基本的に年功序列。

しかし、上がり幅は病院によって異なり、30代になると、他の病院で働く、同世代の看護師との差が気になり始めます。

40代看護師に多い転職理由

育児のために、非常勤や派遣で働いていた女性看護師が、常勤看護師に復帰したいと、転職することが多いようです。

子どもが大きくなり、夜勤も対応可能になったことから、再び、正規雇用で就業し、看護師としてのキャリアを積みたいと考え始めます。

【まとめ】事前準備をしっかりと行って、ミスマッチのない転職を目指そう!

転職理由は人によって様々。しかし、全体的に、労働環境とライフスタイルのミスマッチが原因となり、転職を考える人が多い傾向にあります。

看護師の世界は、まだまだ女性中心。結婚や出産、育児、介護などで、仕事中心の生活を送れない時期があります。そのため、職場や雇用形態を変えて、プライベートとのバランスを図っているのです。

このように、労働環境を改善する目的で転職する場合には、転職エージェントや派遣会社の力を借りましょう。事前に職場環境をリサーチできるうえ、キャリアに関する相談にも乗ってくれます。

一般的に残業が少ないと言われる診療科や施設形態はありますが、人工透析科でも残業が多い病院もあるなど、例外も存在します。

転職エージェント経由で労働環境をリサーチする、紹介予定派遣を利用して、実際に勤務したのちに入職を決めるなど、ミスマッチのない転職を目指しましょう。