この記事では、虎の門病院への転職を検討している看護師に対して、同院が看護師から選ばれる理由や評判などを解説します。
同院は、診療体制の分化や病棟医の常駐体制確立など、先進的な取り組みをいち早く行ってきた病院です。数年前に新病棟へ移行したばかりで、ホテルのような外観が印象的です。
しかし、そんな有名病院と言えども、働く上では良いことばかりではありません。実際に現場で働いている看護師の実情も紹介しますので、転職選びの参考にしてくださいね。
看護師みき
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虎の門病院が看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:血液疾患に関する専門性が身に付く
- その2:業務量を公平にするシステムがある
- その3:既卒でも新人と同じ教育を受けれる
それぞれ解説します。
その1:血液疾患に関する専門性が身に付く
同院は、がん診療連携拠点病院ということもあり、がん診療を重点的に取り組んでいます。
実際、がん診療に強みがあることを公言しており、その中でも血液疾患に関する治療はとくに強みのある分野の一つです。つねに数十人の患者が入院しているため、血液内科用の無菌病棟が1病棟まるまるあります。
血液内科といえば、看護師でも「よく分からない分野」と思っている人は多いですが、化学療法や輸血管理、造血幹細胞移植などの専門性があります。この分野に興味のある人に、同院はとてもおすすめです。
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その2:業務量を公平にするシステムがある
同院では、個人ごとの業務量を客観的に測定する独自システムを導入しています。このシステムにより看護師ごとの業務量が公平になるように調整されるので、理不尽に業務量が偏ることはありません。
どの病院にもサボり癖のある人はいますが、そういった人達が浮き彫りになるのは、真面目に働いている人にとってはとても良いことでしょう。データをもとに仕事を割り振られるので、不平不満もあがりづらいです。
なお、少し話はズレますが、同院では看護補助者を病棟毎に1〜3名常勤させています。看護師に対する負担軽減に努めていることはとても望ましいことです。
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その3:既卒でも新人と同じ教育を受けれる
同院では、基本的に既卒でも新人と同じ教育プログラムを受けることになります。
実務経験が豊富な人にとっては多少うんざりするかもしれませんが、実務経験が1年未満の人や長期のブランクがある人にとっては喜ばしいことでしょう。
期間としては2年間かけて行うので、看護ケアに不安のある中途入職者にとっては安心すると思います。
転職アドバイザー ジョブス
虎の門病院で働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
実情1:年収・給与の実情
同院の運営元は特殊法人なので、公務員に準じた給与体系です。大卒の基本給が「261,120円」スタートであることもあり、入職時からそこそこの給与を貰うことができます。(同じ規模の病院でも、入職時の給与は高くて23万円前後です。)
さらに、コロナ禍で賞与を減らす病院が多い中、約4.4ヶ月分の賞与を変わらず支給しています。勤続年数に応じて確実に昇給されるので、役職なしでも最終的にはかなりの給与を貰うことができます。
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実情2:教育・研修の実情
前述した通り、入職後の研修体制は充実しています。研修期間は1年ではなく2年間なので、じっくり看護の基礎と技術を身に付けられます。
その後は、リーダーシップを発揮できるような役割が求められ、最終的には自分の目指す看護師像に合わせてキャリアを選択します。
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実情3:残業・離職率の実情
残業に関しては、3交替制(一部の病棟では2交替ですが)ということもあり、さほど多くはありません。残業代は自己申請する形式なので、申告した分はきちんと貰えます。残業時間を過小に申告する人も中にはいますが、師長からの「申請するなプレッシャー」はありません。
離職率に関して、同院が以下のデータを公表しています。(本院と分院の合算です。)
- 平均年齢:29.5歳(全体の平均値:41.2歳)
- 勤続年数:6.5年(全体の平均値:9.2年)
- 退職率:11.9%(全体の平均値:11.5%)
- 新卒退職率:3.4%(全体の平均値:8.6%)
- 既婚率22.1%
このデータを見る限り、中堅どころのベテラン看護師が少ないように感じます。また、「勤続年数が短い・新卒の退職率が低い・既婚率が低い」ことから考察すると、看護師として一人前になり、結婚と同時に退職していることが予想できます。
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実情4:福利厚生・育児支援の実情
福利厚生は、公務員に準じているので充実しています。主要手当としては「通勤手当:55,000円、住宅手当:28,000円」です。
育児支援に関してば、基本的な制度はありますが、そもそも他院と比べて子育てをしながら働いている職員が多くありません。残念ながら、妊婦への時短勤務や夜勤免除などは配慮が足りないという声もチラホラ聞きます。
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実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
経営状況は黒字続きで良好です。ただ、国庫補助金と感染症助成金の恩恵が大きいのが実情です。とはいえ、特殊法人は政治家の天下り先でもあるので、民間病院のような経営難による閉院はないでしょう。
転職アドバイザー ジョブス
虎の門病院が募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
常勤職員・夜勤専従の求人内容
同院では「常勤職員・夜勤専従・契約職員」の募集を行なっています。以下には、常勤職員と夜勤専従の詳細を記載します。
常勤職員の求人内容
職種 | 看護師 |
---|---|
雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 資格保有者 |
給与 | 301,984円 |
勤務形態 | 3交替(一部2交替) |
休日 | 変則週休2日制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:小論文・グループ面接・個人面接 |
夜勤専従職員の求人内容
職種 | 看護師 |
---|---|
雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 資格保有者・40歳まで |
給与 | 259,935〜321,780円 |
勤務形態 | 2交替・3交替 |
休日 | 変則週休2日制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:小論文・グループ面接・個人面接 |
常勤職員の採用試験
常勤職員の場合、採用試験は「書類選考・小論文・グループ面接・個人面接」の4つです。
小論文は医療ニュース系が多く、個人面接では家族のことやストレス耐性、希望の科などの質問があったようです。
同院に採用されるためには?
中堅どころの看護師が少ないので、実務経験のある人であれば、採用難易度はさほど高くはありません。
ただ、小論文とグループ面接(ディズカッション)は、しっかりと対策をしておかないと不採用になってしまうでしょう。
また、面接を担当する人によっては圧迫気味で質問してくるようなので、その点は冷静に対応できると良いかと思います。