訪問看護師は、継続的な医療サービスを必要とする患者さんの家庭におもむき、医療処置や療養上の世話などの看護を提供します。
厚生労働省によると、在宅医療が必要になる患者数は2025年には現在より12万人増え、29万人になると予測しています。
また、終末期の療養場所に関するアンケートでは、「自宅で療養したい」との回答が60%以上を占めています。在宅医療の需要は間違いなく今後急速に高まっていくでしょう。
ここではそんな在宅医療を提供する訪問看護師の仕事内容とメリットデメリットについてご紹介します。参照元:厚生労働省「在宅医療連携拠点事業について」より
訪問看護師の仕事内容
健康管理(身体面から精神面まで)
バイタルサイン測定や状態観察を行い、変化があれば在宅医へ報告し、支持を仰ぎます。疾患を持ちながら自宅で生活する不安に対してメンタルケアも行います。
医療処置
医療機器管理、インシュリン注射・点滴の施行、褥瘡処置、服薬指導などを行います。また、自宅で日常生活を送るためのリハビリ指導を行います。
緩和ケア
終末期の患者さんには疾患の治療をメインとするのではなく、自宅で穏やかに過ごせるように痛みの緩和、メンタルケアを中心に行っていきます。
認知症ケア
患者さんには生活リズムの調整、家族には認知症介護の相談、事故防止のアドバイスを行います。
訪問看護師として働くメリット
土日休み、夜勤なし、残業なし
訪問看護師は決められた時間に訪問し、決められた時間内に仕事を終わらせて帰ってきます。新規の利用や緊急時の利用さえなければ定時であがれます。
オンコール当番を除き、土日休みで夜勤もないため、プライベートの時間を充実させることができます。
患者さん、家族と深く関われる
自宅を訪問し、患者さんや家族が生活する場に入ることで、病院勤務ではなかなかわからない患者さんを取り巻く環境を知ることができます。
また、継続的に訪問する中で、時間をかけて信頼関係を構築することができます。
臨床経験を存分に生かせる
訪問看護師は状態把握からアセスメント、評価まで一人で行うことになり、個々の患者さんに合った対応やその場の判断力が求められます。
自分の経験や知識、スキルを活用する場としては最適であり、やりがいにもつながります。
訪問看護師として働くデメリット
オンコールが負担
24時間体制で行っている事業所では、夜間休日にオンコール体制を取っています。オンコールの日に呼ばれてしまうと、自宅にいてもすぐにかけつけなければなりません。
小規模な事業所はオンコールの当番がすぐに回ってくるため、負担に感じる人が多いです。
一人で判断しなければならない
在宅医療ではさまざまな症例があり、生活環境もさまざまです。幅広い知識が必要であり、同じ症例でも生活環境により対応は異なります。
基本的には一人で対応しなければならないため、それをプレッシャーに感じ負担となってしまうこともあります。
スキルが求められる
点滴静注、吸引、胃管チューブ、膀胱留置カテーテル交換など、さまざまな処置を行います。できないからといって、病院のように他の看護師に代わることもできません。
教育体制の整っていない事業所も多いので、入職までにある程度スキルがそろっている必要があります。
訪問看護師に向いている看護師像
コミュニケーション能力が高い
病院では治療を目的とするのに対し、在宅医療では生活の質の向上を目的とします。患者さん自身だけでなく、その家族や生活環境など様々なことに気を配る必要があります。
患者さんやその家族としっかりと向き合い、信頼関係を築くことのできるコミュニケーション能力が求められます。
判断力がある
いくつかの選択肢がある場合に、迷わず最適な選択ができる判断力が求められます。看護師が迷っていては、患者さんや家族の不安を与えてしまいます。優柔不断な人はあまり向かないでしょう。
一人で行動するのが好き
訪問看護のほとんどは一人で行動します。指示を仰がなければ行動できない人や団体行動が好きな人は訪問看護にあまり向いていません。
訪問看護師の年収・給与・賞与
平均年収・給与
訪問看護師の平均年収は400~500万、給与は25~35万と言われています。看護師の収入としては、夜勤や休日出勤がない割に高いです。地域によって差があり、都市部は比較的年収が高い傾向にあります。
オンコール手当
オンコール手当は平日休日によって異なりますが、1日当たり1000~3000円で実際に呼び出しがあった場合は呼び出し手当や残業手当としてさらに支給されます。オンコール体制のない事業所もあります。
賞与について
賞与は事業所の規模や経営状態によってかなり左右されます。賞与が全くない事業所も少なくないので、応募する際は求人情報をしっかり確認しましょう。
訪問看護師の求人状況
冒頭で説明した通り、現在在宅医療の需要は急激に増加しています。それに伴い事業所も増加し、そこで働く訪問看護師は不足している状況です。
国としても在宅医療の拡大を推進しており、自治体では訪問看護師育成セミナーが、看護協会では訪問看護師養成講習会が実施されています。経験が浅く訪問看護師に転職するのが不安な人は講習会に参加してみるのもよいでしょう。
このように訪問看護師の確保にさまざまな取り組みがされていますが、小規模な事業所はまだまだ体制がしっかり取れていないところも多いです。
応募する際は勤務体制や給与、福利厚生、夜間休日体制、1日の訪問件数などの条件を事前に確認する必要があります。
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