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アメリカで看護師になるには?資格の取得方法や給料の違いを徹底解説

アメリカで看護師になるには

アメリカでは日本のように国民皆保険制度はないため、医療費コストが高く低所得者は十分な医療を受けることができない状況があります。

その代わり、民間病院が多く、競争原理が働くため、各々の病院は最新医療を取り入れ、総じて経営レベルは高い特徴があります。赤字病院なんてまずありません。

また、アメリカらしい仕事とプライベートをきっちり分けた働き方を理想とする看護師は多いのではないでしょうか?

ただ、英語力や就労ビザの問題もある中でアメリカでの看護師資格を取得し、医療機関で働くためにはどうしたら良いのでしょうか?

この記事では、日本で正看護師資格を取得し、臨床経験のある看護師を対象にメリカでRN(正看護師)として働くためのステップを紹介しています。

この記事では結論として、就労するためのビザ(永住権)を取得するのはほぼ不可能と紹介しています。方法としてはアメリカ駐在員かアメリカ人と結婚するかの2通りしかないのが現状です。

アメリカと日本の看護資格の違いとは?

アメリカで看護師として働くためには、まず前提についてよく理解しておく必要があります。

当たり前ですが国ごとに法律や規定が異なる為、日本で看護師資格を持っていようが、それぞれの国のルールに則って新たに看護資格を取得しなければなりません。

その他にも資格に対する位置付けや種類などは、知っておかなければならない知識になります。

アメリカと日本の看護師資格の違い

看護資格の違い

  • 日本:国家資格の為、どこでも働ける
  • アメリカ:全米資格ではない為、州ごとの試験に合格する必要がある

日本では、看護資格を取得すれば都道府県に縛られることなく働くことが出来ますが、アメリカでは大きく違います。

アメリカでは、連邦法はありますが、州法といって州ごとにも法律が定められている為、州ごとに実施されるNCLEX-RN(正看護師の資格取得試験)に合格する必要があります。もちろん、看護師の登録も試験に合格した州で行います。

注意すべき点は、州をまたいで働くことはできない事です。例えば、カリフォルニア州で看護資格を取得したからと言って、ペンシルベニア州で働けるわけではありません。ただし、看護師免許の移管をすることは可能です。

移管といっても、他の州で資格を取得しているにも関わらず、州によっては特定講義の時間数が足りないので、受講するように支持されることがあります。

アメリカで看護師として働くのであれば、まずどの州で働きたいか、そして、州ごとの試験に必要な書類をリサーチしておく必要があります。(後の見出しで説明しています。)

ジョブス

アメリカの法律って、日本人からしたら理解するのに苦しむかもしれませんね。連邦法では違法でも、州法では合法になってることも多いんですよ。

めぐみ

そう言えば、マリファナなんていい例よね。連邦方だと違法だけど、アラスカ州、カリフォルニア州、コロラド州とかだと合法だものね。

みき

交通ルールも違うって聞きました。ややこしいですね!

アメリカの看護資格の種類

看護資格の種類

  • 正看護師(RN)
  • 准看護師(LPN)
  • 看護助手(CNA)
看護上級資格の種類

  • 高度実践看護師(APRN)
  • ナースプラクティショナー(NP)
  • クリニカルナーススペシャリスト(CNS)
  • 麻酔専門看護師(CRNA)
  • 看護助産師(CNM)

資格の種類自体は日本と違いはありませんが、各資格が対応できる医療行為の範囲は異なります。

高度実践看護師に関しては、アメリカ看護大学協会に認可を受けている大学院でAPRN教育プログラムを修了し、APRNの試験に合格、州に免許申請を行うことで取得ができます。

日本でも認定看護師と専門看護師がありますが、アメリカの上級資格は全く別物です。

上級資格であれば全て年収1000万円は超えていきます。麻酔専門看護師に至っては、年収2000万近くまで至ります。

みき

年収1000万超えってすごいですね。日本だと看護部長でも年収900万円ぐらいなのに。羨ましすぎる〜。

ジョブス

医療制度の仕組みが異なるので、日本だと年収1000万円をだすのは無理でしょうね。でも、医療制度に関しては、健康保険制度がありますから、日本の方が全然充実してますよ。

めぐみ

国債赤字がすごいから、維持はできないでしょうけどね。笑。

アメリカで正看護師として働くためのステップとは?

STEP.1
どの州で資格を取得するか決める
州ごとに試験申し込みに必要な書類が異なります。
STEP.2
試験申し込みの必要書類を集める
必要書類(SSN、CGFNS、英語スコアの証明書)
STEP.3
NCLEX-RNを受験
STEP.4
NCLEX-RNの正式通知
STEP.5
ビザスクリーニング、英語力査定
STEP.6
就職活動
永住権のスポンサーになってくれる職場を探す
STEP.7
永住権取得、就労開始

州ごとに異なるNCLEX-RNの受験資格

NCLEX-RN(正看護師試験)は、州立試験になるので、州ごとに定める必要書類を集める必要があります。

SSN CGFNS 英語力
ニューヨーク州
カリフォルニア州
ハワイ州
アリゾナ州
フロリダ州
ジョージア州
マサチューセッツ州
イリノイ州
ミズーリ州
ネバダ州
テキサス州
ワシントン州
ニュージャージー州
オレゴン州

:必要、:不要

表の通りニューヨーク州とカリフォルニア州は、他の州と比べて必要書類が少ないのですが、永住権を取得するためには、どちらにしろSSNとCGFNSは必要になります。

受験申請に必要な書類

SSN(社会保障番号)とは?

社会保障番号とは、市民・永住者・外国人就労者に対して発行される9桁の番号。社会保障局によって、個人からの申請に基づき発行される。

アメリカでは戸籍制度がないため、日本で言うマイナンバーのようなものです。アメリカ人でも社会保障番号を持たない人はいますが、社会保障番号を持たずに銀行口座やクレジットカードを作ることはできません。

ジョブス

日本のマイナンバーと同じでぺらぺらの紙なんですよね。なくさないように家で保管しておかなければなりませんね。

NCLEX-RNの受験申請と試験形式

STEP.1
試験を申請する前
州の司法局で指紋を採取し、犯罪経歴証明を提出します。
STEP.2
受験申請
州の看護協会に願書と必要書類を送付。受験に必要な書類は州によって異なります。
STEP.3
受験登録
受験資格承認書が届いたら、オンラインで受講登録と支払い手続きを行う。
STEP.4
受験日を予約
受験登録後、登録内容の情報を元に受験日を予約する。

受験資格の承認されるまでが大変です。特定項目の実習時間や講義時間が足りなかったり、日本での講義時間が明確でないの場合、英訳したシラバスの提出を求められたれることがよくあります。

NCLEX-RNの試験形式

NCLEX-RNは、CAT(コンピュータ適応型テスト)形式で行われます。

コンピュータ適応型テストとは?
受験者の回答パターンに応じて、困難度の異なるアイテムを選んで出題するテスト形式

看護学生時代に馴染みがある方もいるかもしれませんが、適性検査の「SPI」と同じ形式です。最初は簡単な問題が出題され、適切に答えると問題が難しくなり、逆に間違えると問題が簡単になります。

NCLEX-RNの問題数と試験時間

  • 問題数:最小数75問、最大数265問
  • 試験時間:6時間以内

質問に対する制限時間はないので、休憩を取りながら試験に望むことができます。

NCLEX-RNの試験範囲

  • 安全で効果的なケア環境
  • 健康増進とメンテナンス
  • 心理社会的整合性
  • 生理的整合性

看護師として臨床経験のある方なら既に基礎があるため、問題自体に難しさを感じることはないでしょう。

ただ、当たり前ですが問題と解答は全て英語であるため、正しく文章を理解しなければいけません。

以下は、NCLEX-RNの問題例になります。

A 68-year-old woman is diagnosed with thrombocytopenia due to acute lymphocytic leukemia. She is admitted to the hospital for treatment. The nurse should assign the patient

1.to a private room so she will not infect other patients and health care workers.
2.to a private room so she will not be infected by other patients and health care workers.
3.to a semiprivate room so she will have stimulation during her hospitalization.
4.to a semiprivate room so she will have the opportunity to express her feelings about her illness.

NCLEX-RNの合格通知

NCLEX-RNの合否は、試験終了時点でわかりますが、正式な合格通知は1ヶ月以内に届きます。

不合格だった場合は、試験日から45日以内に再度試験を受けることができます。

資格取得後、実際に就職できる可能性とは?

海外で働く為には、就労ビザや永住権・市民権が必要なのは周知の事実ですが、昔とは状況がかわり今ではアメリカで就労ビザや永住権を取得することは極めて困難な状況にあります。

アメリカでも看護人材の不足から看護師用の就労ビザ(H-1C)があったものの廃止。また、H-1B(特殊技能職)にも該当しないとされています。

看護師の永住権の保証人になってくれる病院(ビズスポンサー)が見つかったとしても、永住権取得まで最低でも5年間またなければならない為、現実的ではありません。さらに、米国永住権(グリーンカード)の抽選も廃止方向に進んでいます。

このような状況の中で永住権を取得する為には、アメリカ人と結婚するか、駐在員と結婚するかの2通りしかないのです。

目的はアメリカでRN資格を取得することではなく、RNを取得してアメリカで働き続けることになります。

看護留学が盛んですが、看護留学はあくまでも資格取得までのサポートになります。せっかくアメリカで看護資格を取得しても、多くの日本人がアメリカで働けないまま帰国しているのです。

まとめ:資格は取得できるが、永住権が取得できない!

アメリカの看護資格は取得できます。ただし、働けるかどうかは別問題です。

アメリカの外国籍看護師を取り巻く状況は、2006、2007年以前と今とでは大きく異なっていることを理解しないといけません。

ネットで調べると見つかる、海外で働く看護師の情報はかなり古く、アメリカ人と結婚しているケースが大半です。

看護留学の資格取得プログラムの相場は200〜300万円です。何年も働いて貯めたお金を無駄ししない為にも、今一度アメリカへの看護留学は考え直した方がよいでしょう。

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