看護師として日本赤十字社医療センターへの転職を考えている。この病院に勤務経験のある看護師からの評判や年収などの実情を知りたい。あと、良い面だけでなく、悪い面もしっかり教えて欲しい。
この記事ではこういった疑問に答えます。
- 日本赤十字社医療センターが看護師から選ばれる3つの理由
- 日本赤十字社医療センターで働く看護師の様々な実情を調査
- 日本赤十字社医療センターが募集する看護師求人と採用試験
同院は、渋谷区を中心とする中核病院です。日赤本社の直轄病院であり「救命救急・がん診療・周産期医療」の分野に強みがあります。
同院と言えば(そもそも日赤と言えば)、医療レベルの高さや教育体制に定評がありますが、業務の忙しさが半端ないといったマイナス面もよく聞きますよね。
良くも悪くも知名度のある病院ですが、実際に現場で働いてる看護師の実情も紹介しますので、転職先選びの参考にしてください。
看護師めぐみ
看護師みき
日本赤十字社医療センターが看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:目指すキャリアに応じた専門的な研修が整う
- その2:最先端の周産期医療を深く学ぶことができる
- その3:空きがあれば希望する日赤病院へ異動できる
それぞれ解説します。
その1:目指すキャリアに応じた専門的な研修が整う
同院では、目指すキャリアに応じた専門的な研修が整っています。具体的には、以下の通り。
- 実践者ラダー:ジェネラリスト・スペシャリストを目指す
- 管理者ラダー:看護管理者を目指す
- 国際ラダー:国際救援要員を目指す
- 教員ラダー:看護教員を目指す
実践者ラダーを基礎として、ラダーレベル3を達成した後、自分の目指すキャリアに応じて目指す方向性を選択します。
病床数の少ない病院だとどうしてもジェネラリストを求められがちですが、複数のキャリアの選択肢があることは大きなメリットです。
転職アドバイザー ジョブス
その2:最先端の周産期医療を深く学ぶことができる
同院では、最先端の周産期医療を深く学ぶことができます。と言うのも、総合周産期母子医療センターを備えていることから、医療レベルの高い環境で実践経験を豊富に積むことができるからです。
新生児集中ケア認定看護師や母性看護専門看護師も複数人いるので、ロールモデルとなる先輩が近くにいる職場で自己研鑽に励むことができます。
看護師めぐみ
その3:空きがあれば希望する日赤病院へ異動できる
同院では、空きがあれば希望する日赤病院へ異動できます。他の病院グループでも病院間異動は一般的ですが、日赤ではそもそも「人事交流システム」があります。
人事交流システムとは、人員の少ない病院へ看護師を派遣したり、キャリア形成のために他院へ一定期間異動したり、個人的な理由により異動したりすることです。
「空きがあれば」と付け加えてはいますが、普段から職員の異動が頻繁に行われているので異動の敷居は高くありません。
看護師みき
日本赤十字社医療センターで働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
実情1:年収・給与の実情
年収に関しては、高くもなく低くもなく平均的な水準です。もちろん同程度の規模の私立大学病院や都立病院などと比較したら低いですが、あくまでも平均水準です。具体的には以下の通り。
- 給与:296,240円〜
- 夜勤手当:9,500円/回
- 通勤手当:上限55,000円/月
- 住居手当:上限28,500円/月
- 賞与:4.1ヶ月
残業申請は、師長の許可なくウェブ上で申請するため、師長の顔色を伺うわずらわしさはありません。病棟勤務の人は残業時間が長いので、残業代で手取額がかなり高くなります。
日赤では、現在、給与制度の見直しが行われています。日赤の労働組合が賃金交渉をしていますが、日赤グループは超が付く赤字なので、少なくとも良い方向にはいかない可能性が高いです。
看護師めぐみ
実情2:教育・研修の実情
教育制度に関しては、キャリアラダーに沿って行われ、体系的なプログラム内容なので定評があります。日赤のキャリアラダーを参考にしている病院は多数あるので、看護スキルをしっかり身につけるにはとても良い環境です。
看護師みき
実情3:残業・離職率の実情
残業に関しては、お察しの通りめちゃくちゃ多いです。日々、業務に追われるでしょう。以前、労基署から是正勧告を受けたことがありますが、当時の産科部長だった杉本充弘さんが、是正勧告を受けたにもかかわらず「特別問題があるわけではない」と発言しているヤバさがあります、、、。
離職率に関しては、全体の離職率は公表していませんが、新人の早期離職率は10%です。平均より2%高い値ですね。とは言え、平均33.8歳なので中堅どころの看護師層は厚そうです。
転職アドバイザー ジョブス
実情4:福利厚生・育児支援の実情
福利厚生と育児支援に関しては、一般的なことは十分に整っています。他院と比べて子育てをしながら働いている看護師の割合が多く、驚くべきことに男性の育休取得者も多いです。
ちなみに院内保育所はありますが、制約があります。
- 常勤であること
- 居住地近隣の保育施設へ入園できない場合に限ること
定員自体もたったの5名なので、院内保育所はあてになりません。しかも、認可外保育所なので月額の利用料は月に6万円ほどになります。高い!!
看護師みき
実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
経営状況に関しては、すでに少し述べていますが、赤字を垂れ流しまくってます。多額の税金で成り立っているため、合理的な経営改革を怠ってきたのでしょう。
しかも、同院ではないのですが、日赤が運営する91病院のうち24病院が国から統合や再編を打診されているので、日赤ブランドが揺らぎつつあります。(いわゆる424病院リストです。直接的な言葉で言うなら、存在意義を問われてます。)
転職アドバイザー ジョブス
日本赤十字社医療センターが募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
常勤職員の求人内容
同院では基本的に、常勤(夜勤あり)の募集のみを行なっています。中途者には、応募資格としてラダーレベル2相当以上の技量が求められます。
常勤職員の求人内容
職種 | 看護師 |
---|---|
雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | ラダーレベル2相当以上 |
給与 | 296,240円〜 |
勤務形態 | 変則2交替 |
休日 | 4週8休制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:適性検査・筆記試験・グループワーク・個人面接 |
常勤職員の採用試験
採用試験は、新卒者と中途者は一緒に行われます。そして、応募者が多いため、他院と比べて難易度が高いです。
なお、中途者だろうが入職日は毎年4月に決まっています。求人募集の案内は入職予定日の約1年前に公開されるので、早めのスケジューリングが大切です。(例:2024年4月入職の求人は、2023年3月頃に受付開始。)