看護管理職になるには?看護部長・看護師長の役割や年収相場を解説

将来的なキャリアイメージを形作る上で、看護管理職になるステップや役割を把握しておく事に越したことはありません。

管理職になると責任は問われ残業も多くなりがちですが、給与がグンと上がりキャリアの選択肢も多彩になります。

出世欲のない若手看護師が増えるなか、管理職になったらなったで「続けたい」と思う人が多いのも事実。

そこでこの記事では、看護部長・看護師長・看護主任になるためのステップや年収相場などを解説します。

出世に関する記事は「看護師の大半が出世したくない現状!管理職になるべき?ならないべき?」で詳しく解説しています。

看護師みき

看護師って非管理職と管理職だと給与が全然違うんですよね。私はもっと稼ぎたいからまずは主任になることを目標にしてます。

看護師めぐみ

年齢に合わせたキャリアアップって大切だと思うわ。中途採用でも管理職経験がある人とない人だったら経験がある人の方が有利だしね。

ジョブス

出世欲がない人でも具体的な役割や給与相場の知識があれば、管理職に対するイメージも変わってくると思いますよ。

病院ごとに異なる看護管理職の種類

看護管理職としての主要な役職は、「看護部長・看護師長・看護主任」の三職です。

管理職の種類(ポスト)自体が少ない看護職ですが、病院規模や評価制度の整備などによって、役職を細分化している病院が数多くあります。

大学病院や大手グループ病院では病床数も看護師数も膨大なので基本的に役職が細分化されています。

細分化された役職階層は以下になります。

管理職の階層

  1. 看護部長
  2. 看護副部長
  3. 看護師長
  4. 主任(係長)
  5. 副主任
  6. リーダー(管理職ではない)

100床以下の病院であれば主任の役職がなく、「看護部長(統括)と看護師長」か「看護師長」のみのケースがあります。

また、宮崎大学医学部附属病院のように主任の役職自体がなく、代わりに副看護師長を設けていたり、病院によっては課長や係長など様々な名称で役職制度が設けてあります。

なお、200床程度でも岡山中央病院のように役職を細分化している病院もあります。

こういった病院では等級を用いた評価制度を導入しているので、評価査定に信用性があり、着実に昇給することができます。

看護師めぐみ

主任だと師長的な管理業務も任せられるし、現場でも普通に働くから、サポートしてくれる副主任やリーダーの役職が明確に定められていると助かるわね。

看護師みき

ちなみに役職にはステップというか、なるための流れがあるん思うんですが、大体何年目ぐらいからなれるもんなんですか?

ジョブス

まず主任だと10年目前後で任命されることが多いですね。それぞれ解説しますよ。

何年目で管理職に任命されるの?

看護師の管理職の場合、一般スタッフから始まり、リーダーの次は主任、主任の次は師長と順を追って役職に任命されます。

介護施設や訪問看護の現場では、管理職の求人を募集していることもありますが、病院では稀です。

中途採用者が入職から半年で管理職に打診をされるケースも耳にしますが、基本的にはその病院に長く務めている看護師から管理職の候補に挙げられます。

看護部長は26年目頃から任命

看護部長の平均年齢は54.7歳。看護副部長もしくは看護師長を経験したのち、早くて48〜50歳頃から任命されます。

看護部長は一つの院に一人で、副院長を兼務していることもあります。

看護師長は17年目頃から任命

看護師長の平均年齢は48.5歳。主任もしくは副看護師長を経験したのち、早くて38、39歳頃から任命されます。

「5階東病棟に一人、5階西病棟に一人、手術部で一人」など、部署やセクターごとに一人ずつ配置されます。

その病院で働いている看護師数の3〜4%程度なので、看護師600人規模の病院なら18〜24人の師長が役職に就いています。

看護主任は10年目頃から任命

看護主任は、早くて8〜9年目、大抵10年目あたりから任命されます。

一人の看護師長に対して一人から二人、主任として就いています。

実務経験5年以上経過したタイミングあたりから、管理職になるための一歩として認定看護管理者資格を取得するように打診されます。

副主任は6年目頃から任命

看護副主任は、早くて6〜8年目に任命されます。

副主任の役職を設けている病院は多くはないのですが、リーダーを経験したのち任命されます。

リーダーは3年目頃から任命

リーダーは管理職ではないのですが、一般スタッフのまとめ役として3〜5年目に任命されます。

ジョブス

管理職になるために特別なことって特にないんですよね。必須と言えば、認定看護管理者を取得することぐらいなんですよ。

看護師めぐみ

手術室と外来しか経験のない看護師が部長に抜擢されることもあるわよね。管理職になるには看護業務というよりは人をまとめる力だったり、聞く力が必要だったりするのよね。

看護師みき

なるほど〜。あとは管理者になりたい意思をあらかじめ伝えておくことも大切ですよね。だって大抵の看護師は昇進に興味ないんだから、伝えておくだけでも候補には上がるはずですよ。

看護管理職の役割と業務内容

管理職の役割と業務内容に関しては、役職ごとに明確に決まっているわけではありません。

それは、どれだけ役職を細分化しているか、管理職は何人いるか、看護部をサポートする他部署はあるかなど、病院によって状況が変わってくるからです。

また、その時々の忙しさ次第で、本来その役職が行うべき業務を部下に依頼したりするので、一概に分けられるものではないのです。

とは言っても、読者さんは大まかな概要を把握しておきたいはずですよね。

そのため、「看護部長・看護師長・看護主任」三職の役割と業務内容をそれぞれ解説します。

看護部長の役割と業務内容

看護部長の役割は、看護部門を運営し、質の高い看護を維持することです。

業務内容な多岐に渡りますが、一部は以下になります。

役割と業務内容

  • 看護部全体の年間目標を設定し、運営方針を決定する(病院経営に参画)
  • 看護師の採用や人事考課、各病棟への配置決定(人事)
  • 新人教育や院内研修の計画し、実行してボトムアップをはかる(看護師教育)

「経営・人事・教育」がメイン業務になりますが、その他にも病床の稼働率を把握して高い稼働率を維持する施策を行ったり、他部署や関連業者と打ち合わせなども行います。

看護部長は院内に一人しかいないので、時間帯によっては外線と内戦が鳴りっぱなしの状態です。

そのため、その場その場で最適解を導き出せる意思決定が必要になります。

また、部長室にこもりっきりではなく、院内ラウンドや重篤患者の把握なども行います。

看護師長の役割と業務内容

看護師長の役割は、病棟(部署)責任者として方向性を決め、看護師を育て、質の高い看護を提供することです。

また、スタッフが働きやすい環境や相談しやすい雰囲気を作ることも仕事の一環です。

業務内容な多岐に渡りますが、一部は以下になります。

役割と業務内容

  • 部門計画に基づいて部署の年間目標を設定し実行する(部署運営)
  • キャリアラダーに沿った教育や指導を行い、レベルの高い看護師を育てる(計画と教育)
  • 夜勤回数や残業時間を調整しスタッフが疲弊しないよう務める(労務管理)
  • 医療事故や感染症を防ぐための管理を行い定期的に指導を行う(業務管理)

この他にもカンファレンスや委員会の運営、個人面談を通して環境改善などを行いますし、責任者としてクレームや患者同士のトラブル解決も行います。

部署責任者として病棟全体の状況(患者の容態や稼働率など)を把握し、必要に応じて指導を行います。

看護師主任の役割と業務内容

看護主任は、看護師長が不在の時はその役割を代行するため、役割自体に明確な違いはありません。

ただし、看護師長が患者調整や労務管理など部署運営がメインですが、主任はスタッフ教育や看護業務の直接な指導や管理がメインになります。

業務内容な多岐に渡りますが、一部は以下になります。

役割と業務内容

  • 看護師長が行う業務全般のサポート(相互協力)
  • 一般スタッフの個人目標を把握し、実践能力に応じて指導(教育)
  • 患者の状況を把握しリーダー、一般スタッフに指示及び看護業務(通常業務)
  • 医療事故防止のためにインシデントレポートやヒヤリハットをまとめ改善する(危機管理)

この他に、シフト作成やベッドコントロールも師長と協力しながら業務を行います。

特にシフト作成は主任看護師を悩む一つの業務です。

スタッフの希望を叶えてあげようとすると、自分のシフトが過密になってしまったりするので、優しさだけでは主任は務まりません。

看護師みき

どの役職も大変なことには違いないと思うんですけど、主任看護師って色々とかなり疲弊しそうですよね。

看護師めぐみ

そうね。自分よりスキルのある看護師を指導する立場だと接し方が分からないわよね。

ジョブス

主任だと自分よりキャリアの長い部下が多くなるので、接し方で悩む人が多いんですよね。主任としての経験を少しずつ積んで慣れていくしかないですね。

かなり高い!看護管理職の年収相場

看護師全体の平均年収は480万円ですが、管理職になることで急激に給与が上がることになります。

以下に役職ごとの平均年収を解説します。

看護師長と看護部長の年収は厚労省の賃金構造基本統計調査から算出できましたが、看護主任のデータはないためアンケート結果から算出しました。

管理職の平均年収

  • 看護主任:年収530〜600万円
  • 看護師長:年収6,699,404円
  • 看護部長:年収8,121,360円

看護主任の年齢幅は30代前半から50代までかなり幅広いので、年収も幅がある状態です。

看護師長であればポスト数も少ないので、病床500床以上の大規模病院なら700万円を超えることもあります。

ジョブス

看護師は「初任給が高い」「ポスト数が少ない」ことから勤務経験を積んでも昇給額は低いんです。でも管理職になると急激に給与が上がるんですよ。

看護師めぐみ

一般スタッフでも年収600万以上貰ってる人もいるけど、大抵、管理職経験があったりするのよね。

管理職への近道は昇進か?転職か?

結論としては、年収水準が高く、離職率の低い病床数の多い病院に転職した上で、昇進を目指すのが最適解になります。

また、看護師の場合、病院規模とポスト数は比例しているので、大きな病院に転職した方が管理職になるチャンスは増えます。

100床以下の看護師長の役職しかない病院に務めたところで、管理職になる可能性は限りなく少数でしょう。

つまり、管理職になるための転職ではなく、今後を見据えた転職が管理職になるための近道になります。

そもそも管理職を募集する求人はかなりの少数です。

転職エージェント最大手のマイナビ看護師ですら、公開求人37000件のうち管理職求人はたったの3件です。

しかも、その募集している3院を分析しましたが、当サイトでは転職すべきではない病院だと判断しました。

もちろん好条件な非公開求人もありますが、転職できるエリアかどうかは運になってしまうでしょう。

看護師めぐみ

結果的に管理職にならなくても、規模の大きい病院なら院内保育所や子育て支援、福利厚生の充実度が小規模病院とは段違いなのよね。

看護師みき

そうなんですね。確かにポストが空くかどうかって、不確定要素が多いですよね。管理職の人が自分の意思以外で降格することなんてないし。

ジョブス

統計データとして病院規模と看護師の働きやすさって比例してるんですよ。だから転職するなら大きい病院の方が何かとメリットがありますよ。

まとめ:後悔しない選択が将来を作る

「まさか私?」と思ってる人ほど管理職への打診をされるものです。

管理職になりたい人にとっては嬉しい打診ですし、なりたくない人にとっては悩みのタネになってしまうでしょう。

しかし、「あの時、管理職になっておけば」と後悔しないように決断しなければなりません。

年齢と共にキャリアを変化させることは、生涯看護師として働くのなら大切なとこです。

管理職になることで一般スタッフとは比べものにならない経験と学びを得ることができます。

もし早い段階で管理職への打診があればやらずの後悔より、チャレンジ精神を持って取り組んでみましょう。