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社会人から看護師になるのに将来性はあるのか?人気の看護学校も合わせて解説

社会人から看護師

更生労働省が発表している「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」によると2015年度の看護学校への入学者数は27595人。

そのうち25歳以上の入学者数は、4165人です。実に看護学校入学者の7人に1人は、25歳以上となっています。

この数字が示すように、看護師は一度社会に出てから目指す人も少なくありません。学生時代にお金が工面できなければ、一度働いて学費を貯めてから入学する方もいます。

このように看護師は再就職の職業として選ばれるケースもあります。しかし実際のところ、社会人から看護師になるのに将来性はあるのでしょうか。今回はその詳細を、人気の看護学校と合わせて解説します。

これから看護師を目指す社会人必読!今後の医療業界と看護師の扱い

社会人から看護師になる02

これから看護師を目指す社会人にとって、今後看護師の扱いと医療業界がどうなっていくのか、ということを理解することが欠かせません。

日本看護協会が公表している「2025年に向けた看護の挑戦 看護の将来ビジョン」という資料の中では、日本は高齢化社会を過ぎ、2025年には少子超高齢多死社会を迎えることが記されています。

これまで医療業界では高齢化だけに注目が集まっていましたが、少子化、多死、という要素も医療業界に密接に関係してくる、ということです。また2025年までに予想できる変化としては、社会保障制度の改革があります。

実際に内閣府が打ち出している、高齢社会対策の施策では、年金の支給開始年齢の引き上げと、高齢者の就労促進が主なテーマとなっています。これまでは定年退職後の高齢者は引退して年金で暮らすことが常識でした。

しかし高齢者が当たり前に就労する社会になれば、年金の支給開始年齢の引き上げだけでなく、さまざまな社会保障制度が改革される可能性は高いといえるでしょう。

高齢者の生活が変われば、医療業界は無関係ではいられません。、高齢者の病気を治すだけでなく、今まで以上に社会復帰するところまで考える必要があります。

では看護師は今後、医療現場においてどのような役割が求められるのでしょうか。日本看護協会が打ち出している看護ビジョンのいくつかを紹介すると、次の通りです。

  • 健やかに生まれ育つことへの支援
  • 緊急・重症な状態から回復することへの支援
  • 住み慣れた地域に戻ることへの支援
  • 穏やかに死を迎えることへの支援

これらの日本看護協会のビジョンを参考にすれば、看護師の本質的な役割としては、変わらないといえるでしょう。しかし社会はIOTが促進されています。

ロボットや人工知能が医療現場でも今より活用されることは間違いありません。

このような社会の変化を考慮すれば、看護師であっても最低限のITリテラシーを持つことは欠かせません。

そして専門看護師や認定看護師の制度が充実してきていることから、今後は看護師にも専門性が求められるようになってきます。

看護師として市場価値が高い人材になるためには、看護師として何を専門とするのか、方向性を見極めることも欠かせないといえるでしょう。

社会人が看護師資格を取得するためのコース

社会人から看護師資格の取得を目指すのであれば、学校に通うことが欠かせません。看護師の国家試験を受けるためには、看護師の受験資格が取得できる学校を卒業する必要があります。

もしくは学校に通ってまずは准看護師になり、そこから実務経験を経て看護師となる、という方法のどちらかしかありません。

では社会人が看護師資格を取得するための学校のコースには、どのような種類があるのでしょうか。それは次の通りです。

4年制看護大学

社会人から看護師を目指すのであれば、最も手堅いのがこの4年制看護大学を卒業することです。大きな病院になればなるほど、大卒かどうかは重要です。

病院によっては大卒と、それ以外で給与の規定が違うだけでなく、昇給テーブルも異なることが少なくありません。

将来のことを考えれば、既に大学を卒業している、という場合を除いて、4年生看護大学を卒業するメリットは大きいといえるでしょう。

また3年生の看護専門学校との違いが気になるところですが、4年生の看護大学を卒業するメリットは大卒の認定があるだけではありません。保健師の国家資格試験の受験資格も得られる、というメリットがあります。

一般的な3年生の看護学校を卒業すれば得られるのは、看護師国家試験の受験資格のみです。看護師になってから保健師の資格も取得しようとすれば、文部科学省から認可を受けた学校への通学が必要です。

社会人になってから4年という時間は長いと感じるかもしれません。しかし活躍の幅が広がることを考えれば、4年という時間をかけることは無駄ではありません。

3年制看護専門学校(レギュラーコース)

3年制の看護学校は、看護学校の数としては4年制よりも圧倒的に多く、これまでの主流ともいえる学校です。文部科学省が公表している「医療関係技術者養成学校一覧」によれは、文部科学省が認定している大学は241校です。

3年生の短期大学は1930校、専修学校は980で合計は2910校。3年生の学校の総数は大学の10倍以上です。

4年生大学を卒業するメリットは前述した通りですが、3年生の短期大学や専門学校を卒業すれば、4年生大学を卒業するよりも、1年早く社会に出ることができます。

また全ての医療機関で大卒が優遇されるわけではありません。そのためなるべく早く看護師として働きたい、という場合は3年生の看護専門学校か短期大学が適しているといえるでしょう。

准看護学校

準看護学校は准看護師となるための国家試験の受験資格が得られる学校です。通学期間は2年間と短いですが、待遇や昇給ペースにおいては、正看護師よりも下回ります。

そのため准看護師となった後に、正看護師を目指すケースは珍しくありません。

しかし准看護師から正看護師になるハードルは低くはありません。現状では選択肢は3つあります。1つ目は再度、2年間の全日制の学校に通うこと、2つ目は定時制の3年間の学校に通うことです。

そして3つ目は複数年の実務経験とさらに通信制の学校を2年間通う、という方法です。これまでは10年間の実務経験が必要でしたが、2018年以降は、実務経験7年で正看護師を目指せます。

そのため今後正看護師を目指すことを考えるなら、3年生、もしくは4年生の大学に通った方が、スムーズだといえるでしょう。

また日本看護協会は、准看護師の養成所を看護師の養成所に転換して、正看護師の養成へと一本化させていくことを明確に示しています。

社会人枠の試験と単位免除とは?社会人入試と一般入試の違いも紹介

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社会人から看護師を目指す場合、社会人枠の試験を設けている学校を選べば受験勉強に時間を割くリスクを減らせます。一般的に看護専門学校の入試科目は、国語、数学、英語など複数科目に渡ります。

しかし社会人枠であれば、それらの単位が免除されます。面接と小論文、そして国語のみなど、かなり簡略化された入試が受けられるのです。学校によっては書類選考と面接と小論文のみ、というケースもあります。

また社会人入試枠は専門学校以外の大学でも設けられている場合があります。社会人を経験していると、学生時代に学んだ学科の内容は忘れていることが多く、一般入試で受験すれば一から勉強しなければなりません。

看護学校は入学してから、莫大な知識を頭に入れる必要があります。できれば、そのために頭の容量は温存しておきたいですよね。

社会人から看護師を目指す場合は、社会人枠がある学校を狙ってエントリーしていきましょう。

働きながら看護師資格を取得するための方法

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働きながら看護師資格を取得する方法があります。それは、まず准看護師になってから、その後定時制の専門学校に3年間通って看護師になる、という方法です。

これはまず2年間は昼間の準看護学校に通う必要があります。

しかし准看護学校は単位数が看護学校よりも少ないので、勉強は大変ですがアルバイトがしやすい環境にあります。そのためまずは看護助手として病院でアルバイトしながら、准看護学校に通います。

晴れて准看護師になれたら、その後は3年間定時制の専門学校に通いましょう。そうすれば日中は准看護師として働きながら、看護師が目指せます。

ただし、この方法は5年間学生をしなければならない、というデメリットがあります。

また働きながら、看護師を目指せますが、学生生活では実習などがあるため、正職員として働くことは難しい可能性があります。また夜勤などは必然的にできないので、給与も低くなります。

社会人から働きながら看護師を目指すのであれば、他の仕事で学費を貯めてから、3年ないしは4年の学校に通い看護師を目指した方が効率的かもしれません。働きながら看護師を目指す場合はそのデメリットもしっかりと認識しておきましょう。

社会人から看護師を目指す際に考えておくこと

社会人から看護師を目指す際に考えておくことがあります。それは同期との年齢の差や、体力面の違いです。

社会人から看護師を目指すことが増えてきたとはいえ、4年生大学や専門学校の生徒のほとんどは18歳から20歳程度です。20歳以上の人は数人だと想定しておきましょう。

そうなると、人間関係においてはジェネレーションギャップがあるため、自分から歩みよる姿勢を見せなければ仲良くなることはできません。

看護師を目指すための勉強は大変です。クラスメートで助け合える関係を作るためにも、クラスメートとの人間関係を築くことは欠かせないといえるでしょう。

また30代で入学しても、40代で入学しても、授業や実習の内容は18歳で入学した学生と同じです。体育の授業に参加して、実習も乗り越えなければいけません。

特に実習期間中は何日間も寝ずにレポートを作成する、という経験をする学生がほとんどです。

ある程度体力に自信がなければ、実習で挫折するリスクがあることも想定しておかなければいけません。

看護実習は厳しい指導員にあたる可能性があり、看護師になりたいという情熱がない学生は実際に挫折するケースも珍しくありません。

そのため社会人から看護師を目指す際は、自分自身の適正を見極めるだけでなく、人間関係をつくることや体力づくりにも意識を向けることが欠かせません。

社会人に人気の看護学校とは

社会人に人気がある看護学校は2種類あります。1つ目は社会人入試の枠が準備されている学校です。社会人入試枠は私立大学や専門学校に多い傾向がありますが、こういった学校であれば、前述の通り、受験勉強に時間を割く必要が少なくて済みます。

働きながら、受験することを考えれば効率的な学校選びだといえるでしょう。

2つ目に人気があるのは、国立大学です。大きな病院への就職を計画的に考えている場合は、学歴の影響は大きくなります。

4大卒かそうでないかで、給与が明確に分かれるだけでなく、どこの大学を卒業しているかで、周囲の職員の見る目も変わるからです。また今後専門看護師を目指すことを想定している社会人からは、保健師がとれる学校も人気です。

また経済的に制限がある場合は、自宅からの通勤距離と学費で決めている、という人も少なくありません。

では実際に社会人から正看護師になった人はどのような、経験をしているのでしょうか。その意見の一例を紹介します。

私は大卒後、大手金融機関で務めていましたが、数字ばかり追う仕事に疲れて、退職しました。30代を迎えて、もっと人の役に立つ仕事をしたいと思って選んだのが看護師です。

看護師国家試験の受験資格は専門学校で取得しましたが、学校生活は特に問題ありませんでした。10歳以上年下のクラスメートとも仲良くできたので、運も良かったと思います。ただ、辛かったのは実習です。自分よりもかなり年下の指導員でしたが、正直年下から、厳しく対応されるのはしんどいところがありました。

また医療業界独特の雰囲気にも、最初は違和感がありましたが、今は慣れました。看護師は国家資格を取得した後も日々勉強が必要です。看護師となって2年目なので、まだまだ大変ですが、日々頑張っています。

まとめ【社会人から看護師を目指すなら、計画性を持って取り組もう】

いかがでしたか。社会人から看護師を目指すことは決して簡単な道のりではありません。時間もお金も、通常の転職よりも遥かに必要になるからです。

ただ国家資格を取得できれば、仕事に困ることが無くなるのは事実です。

基本的に看護師は需要に対して供給が追いついていない職業です。ある程度年齢を重ねていても、国家資格を取得する強みは大きいといえるでしょう。

しかし看護師はこれから、他の職業と同じように、専門性が求められる職業でもあります。計画性がなければ、、専門性は磨くことができません。これから看護師を目指すなら、資格を取得して、どういう働き方をしたいのかまで、しっかりと考えておきましょう。

まとめ

  • 看護学校の入学者の7人に1人は25歳以上
  • 看護師はこれから専門性が求められる
  • 社会人から看護師を目指す場合は実習を乗り越える体力が必要
  • 4年生大学を卒業するメリットは就職した後に実感する
  • 働きながら准看護師を経て看護師を目指すなら最低でも5年はかかる

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