正社員で働くことが良しとされる風潮が未だにありますが、私たちは理想のライフスタイルに合わせて正社員以外の働き方も自分の意思で選択することができます。
政府も働き方改革に向けて副業や兼業を推進する流れになっていますので、今後看護師の働き方も変化していくでしょう。
さらに、雇用形態にはそれぞれのメリットやデメリットがあるため、自分に適した働き方を選択する必要があります。
そこで、この記事では、「自分に適した働き方を探したい方」や「正社員以外の働き方とその違いを知りたい方」に向けて雇用形態ごとの違いを詳しく解説します。
みき
ジョブス
めぐみ
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雇用形態とは?今さら聞けない5つの種類
雇用形態とは、雇用主と職員が結ぶ契約上の雇用種別のことを言います。
雇用形態は大きく分けて5種類あり、それぞれにメリットやデメリットがありますので詳しく見ていきましょう。
- 正社員
- 契約社員
- パート・アルバイト
- 派遣社員
- 業務委託
正社員
原則として雇用期間に定めはありません。長期雇用を前提とした雇用形態です。
契約社員
雇用期間に定めのある雇用形態で、主に人員不足の解消を目的に雇用されます。勤務日数と勤務時間によっては、正社員と同様の社会保険と福利厚生が保証されます。
パート・アルバイト
契約社員と同様に雇用期間に定めのある雇用形態です。賃金水準は低いですが、短時間勤務や勤務日数を限定して働くことができます。
派遣社員
派遣会社と雇用契約を結び、病院や介護施設などの派遣先に出向する形で勤務します。同じ派遣先で勤務できる期間は原則3年です。
業務委託
個人事業主となり雇用主と対等な関係として業務を受ける働き方です。勤務日数や勤務時間は双方の合意によって決められるので、自由度の高い働き方です。
雇用形態と勤務体系を混同しないように注意
常勤での勤務だからといって、雇用期間の定めのない正社員での就業とは限りません。
看護師の求人票には、常勤や非常勤と書かれているものの正社員かどうかの雇用形態に関する記載がない場合が多いので注意が必要です。
労働基準法には、常勤と非常勤の違いを明確に定義されているわけではないので、大学病院では週5フルタイムでも非常勤と呼ぶ慣習があります。
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雇用に制限なく働く「正社員」
正社員は雇用されれば一方的な解雇をされることはなく、その身分は手当く保護されます。
原則として週5フルタイムの勤務になり、必要があれば残業を行い業務の遂行に従事します。
メリット:給与水準が高く福利厚生が優れている
正社員のメリットは、他の雇用形態と比べて給与水準が高く、福利厚生が充実している点にあります。
勤続年数を積み重ねることで給与アップやボーナスに反映されるうえ、住宅手当や通勤手当をはじめとした各種手当も充実しています。
他にも、夜勤免除や短時間勤務などの子育て支援の恩恵も受けることができます。
デメリット:時間外労働や夜勤で体調を崩しやすい
正社員のデメリットは、会社が円滑に回るよう、残業や勉強会に参加しなければならないことです。
少しずつ改善されつつありますが、残業の未払いや終業後の勉強会などの問題も根深く残っています。
解雇されることはないにしろ、一個人が労働環境の改善をしようにもすべが無いのが現状です。
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期間に定めがある即戦力「契約社員」
契約社員は、半年から1年単位での契約となる例が多く、双方の合意で契約の更新が行われます。
行う業務に正社員との違いはないものの、特定の業務を補完するための即戦力が求められます。
メリット:正社員と大差ない社会保障と福利厚生
契約社員のメリットは、正社員と同等の社会保障と福利厚生を享受できる点にあります。
契約内容によっては勤務日数を週4日にしたり勤務時間を短くしたりできるので契約次第で柔軟な働き方ができます。
さらに、残業や勉強会を強制されることはないのこともメリットです。
勤務日数と勤務時間は正社員に準じている契約が大半ですが、週2、週3の短時間勤務だと一部社会保険の加入条件を満たさないことがあるので注意が必要です。
デメリット:正社員と比べて給与に大きな差
契約社員のデメリットは、長期的な視点で考えると給与に大きな差が生まれてしまう点にあります。
短期的には正社員の時給換算よりも優遇されることがありますが、年間で考えると数十万円もの差になります。
病院や介護施設の中には契約社員だとしても賞与や各種手当を満額支給する法人もありますが、基本的には正社員と同等の恩恵を受けることはできません。
昇給に関しても契約賃金の見直しがなければ、いくら勤続年数が長かろうが賃金は変わりません。
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短時間だけ働ける「パート・アルバイト」
パート・アルバイトは、勤務日数が少なく勤務時間も正社員よりも短く設定されています。
正社員よりも重要度の低い業務を任さられたり、患者の混み合う時間帯に働くことになります。
医療業界の場合には「非常勤」といった言い方をされます。
メリット:短時間勤務でも結構稼げる
パート・アルバイトのメリットは、一般職と比べて時給水準が高いので短時間でも十分に稼ぐことができる点です。
- 1日5時間・週3日・月60時間・時給1800円
- 月の給与=108,000円
東京エリアであれば時給1,800円が相場です。1日5時間、週3日であれば月に10万円を超える金額を稼ぐことができます。なお、都市圏の時給相場は1,700〜2,100円です。
さすがにパート・アルバイトのみで家計を支えることができませんが、旦那の扶養に入り子育てを優先するなら適した働き方でしょう。
デメリット:長期間働いても昇給・昇格には繋がらない
パート・アルバイトのデメリットは、いくら長期間勤務しようが昇給・昇格に繋がらないことです。
パートとして10年間働いても時給500円アップが上限でしょう。
看護師の業務特性上、管理職になるには勤務年数は重要な要素ですが、パート・アルバイトの勤続年数は何の役にも立ちません。
また、扶養外ですと手厚い社会保障の恩恵を受けることはできません。いつ辞めるともしれないパート従業員は、会社からしても軽い扱いとなってしまうのです。
子育てと両立する看護のパート・バイト!時給や職場選びと扶養知識
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派遣会社との直接雇用「派遣社員」
派遣社員は、事前に取り決めた契約の期間のみ勤務し、契約終了後は別の派遣先に移って勤務します。
医療施設への派遣は「産休育休の代替・紹介予定派遣・離島僻地」の3つの条件のうち一つに該当する必要があります。
メリット:人間関係が合わなければ派遣先を変更できる
派遣社員のメリットは複数ありますが、その内の一つは人間関係が合わなければ派遣先を変更できる点です。
派遣勤務の契約は3ヶ月単位の更新が一般的ですので、人間関係にストレスを感じるのであれば契約が終了したら継続せずに他の派遣先へ移ることができます。
また、雇用主はあくまで派遣会社になるので、サービス残業や勉強会に出席する必要がなく、限りある時間を自分のために使うことができます。
デメリット:同じ勤務先で働くことができるのは原則3年
派遣勤務のデメリットは、気に入った勤務先だとしても最長3年間しか同じ職場で働くことはできません。
派遣先が派遣社員を直接雇用すれば問題ありませんが、派遣勤務中に常勤の看護師を確保することが一般的ですので、現実的ではありません。
また、パート・アルバイト同様にキャリア形成することができないので、一生プレイヤーとして働き続ける必要があります。
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看護師の紹介予定派遣って実際どう?3つのメリットデメリットを解説
事業主となって働く「業務委託」
業務委託とは、自身が事業主となり対等な契約で、依頼主から仕事を請け負う形態です。
看護師の業務委託案件は一般的ではないので、案件内容も限定的です。看護師資格を活かすとなると以下の3つが主な業務委託案件になります。
- 国家資格を対策する予備校での講師
- 専門学校での講師
- 監査法人グループでの健康管理室業務
税金管理や社会保険の支払いなどデメリットの要素はありますが、報酬から経費を差し引くことができるので、雇用契約よりも手元に多くのお金を残すことができます。
人によってメリットにもデメリットにもなり得る雇用形態です。
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絶対に知っておくべき労働者を守る労働法規とは?
労働に関する法律を最低限知っていれば、不審な点が会った時におかしいと言えることができます。
どの業界であろうと労働法規の原則に則っています。
- 1日8時間1週40時間
- 1日の労働時間が6時間を超えた場合、休憩時間を設ける
- 入職半年間が経過、出勤率が8割以上であれば10日間の有給取得
- 毎週1日の休日、4週間を通じて4日以上の休日
職員や会社の奴隷ではないので、自分の権利を守るためにも最低限の知識はつけておきましょう。
一部例外とより細かな説明が必要な箇所がありますが、詳細に関してはその法律が関わる記事にて説明しています。
まとめ:自分に適した働き方を模索しよう!
正社員で働くことだけが全てではありません。また、正社員がステータスのように言われることがありますが、それは古い考え方です。
自分に適した雇用形態で働くことができれば、家族と過ごす時間を大切にする生活や趣味を優先した生活など、幸福度の高い理想のライフスタイルを送ることができます。
雇用形態にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、正社員にこだわらず自分に最適な働き方を模索してくださいね。