看護師の派遣は禁止でも違法でもない！ややこしい仕組みを簡潔に解説

看護師を含む医療専門職の派遣が原則禁止なのは今や周知のことだと思いますが、例外条件の説明がないまま「原則禁止」のワードだけが一人歩きしてしまっている印象を受けます。

医療ニュースや知恵袋、ツイッターなどでは、「原則禁止」「違法」のワードが目立ちますが、あくまでも原則禁止であって、完全禁止ではありません。

そもそも原則禁止といったワードは、法律には明記されていません。

結論から言えば、看護師が医療施設で派遣勤務することは可能ですし、派遣看護師が派遣先を選ぶ上で特段注意すべきことはありません。

この記事では、これから派遣勤務を検討している看護師に向けて、派遣の例外条件や法的解釈について解説します。

派遣として働くのであれば知っておいて損はないので理解しておくと役に立つ場面があるでしょう。

なぜ派遣看護師が禁止や違法だと誤解されるの？

1986年から開始された派遣業は、当時多くの職種に規制がかけられていましたが、派遣法改正に伴い今では一部の業務を除いて派遣が可能になっています。

ただし、この一部の業務の中に「病院等における医療関係の業務」が含まれていることが原因で、未だに看護師の派遣業務が禁止や違法だと思われてしまっているのです。

以下は、厚生労働省が公表している文章になります。

次のいずれかに該当する業務は、労働者派遣事業の適用除外業務であり、これらの業務での労働者派遣事業を行ってはなりません。
①港湾運送業務
②建設業務
③警備業務
④病院等における医療関係の業務

医療関係の業務とは、保健師、助産師、看護師及び准看護師の業務である保健指導、助産、療養上の世話及び診療の補助
労働者派遣事業を行うことができない業務は｜厚生労働省

医療施設への派遣が可能な３つの条件

未だに病院や診療所などの医療施設への派遣は、労働者派遣法に明記されている通り原則禁止されていますが、以下の3つの条件の内一つに該当すれば医療施設への派遣が可能になります。

産前産後休業と育児休業の代替

産前産後休業と育児休業の代替とは、産休と育休を取得している正職員の看護師に代わり、休業中である期間のみ派遣先に勤務することです。

業務内容は、休業中の看護師の仕事を引き継ぐことがあるため、週4やフルタイムでの勤務を求められがちです。

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣先である病院や介護施設などに直接雇用されることを前提として行われる派遣形態です。

派遣期間は大抵3ヶ月程度、3ヶ月以上だとしても最長6ヶ月になります。

看護師の紹介予定派遣って実際どう？３つのメリットデメリットを解説

離島・僻地にある医療施設

離島・僻地とは、厚生労働省令によって指定された地域のことです。

宮古島や石垣島、奄美群島、伊豆諸島、屋久島屋、五島列島など、離島としてお馴染みの地域も含まれますが、僻地も含める北海道から沖縄まで全国に数百以上の区域が指定されています。

医療施設以外での派遣は条件なく全面ＯＫ

派遣看護師の医療施設での勤務は、先に紹介した3つの条件に該当する場合のみ許可されていますが、医療施設に分類されない施設での派遣勤務は可能となっています。

以下は、医療施設と医療施設以外の 表になります。実は、検診センターも医療施設以外に分類されます。

派遣勤務できる例とできない例

まとめ：派遣看護師は医療施設でも問題なく働ける！

派遣看護師が禁止でも違法でもないことが理解していただけたかと思います。

確かに法的には規制はあるものの、雇用される派遣社員サイドが気をつけなければならないことは一つもありません。

派遣会社の求人サイト内でも、病院や診療所、訪問看護など、一般職と同様に求人を選ぶことができます。

唯一注意が必要なのは、単発派遣の場合です。単発派遣の場合は、派遣社員の年収次第で働けるか働けないかが決まります。

看護師の単発・スポット派遣とは？手軽に月３万円稼ぐ求人の探し方

また、トラブルなく派遣勤務するためにも実績が豊富でフォロー体制が充実している派遣会社を選ぶ事が重要です。

未経験でも働きやすい職場探しや何かあった際のフォローまでストレスなく業務に集中する事ができるのです。

以下の記事では、看護師200人にアンケート調査をした上で口コミ評価の高い派遣会社を紹介していますので、合わせて読んでおくと良いでしょう。

看護師200人が選ぶ派遣会社ランキング！口コミから全12社を徹底比較