看護師として神奈川県立こども医療センターへの転職を考えている。この病院に勤務経験のある看護師からの評判や年収などの実情を知りたい。あと、良い面だけでなく、悪い面もしっかり教えて欲しい。
この記事ではこういった疑問に答えます。
- 神奈川県立こども医療センターが看護師から選ばれる3つの理由
- 神奈川県立こども医療センターで働く看護師の様々な実情を調査
- 神奈川県立こども医療センターが募集する看護師求人と採用試験
同院は、神奈川県唯一の小児専門病院です。
先天性異常や難治性疾患、小児がん、アレルギー疾患などに対応し、周産期医療から在宅医療まで、切れ目のないケアを提供しています。
また、医療型障害児入所施設も併設し、医療的ケアが必要な子どもたちの長期的な支援も行っています。
そんな専門病院と言えども、働く上では良いことばかりではありません。実際に現場で働いている看護師の実情も紹介しますので、転職先選びの参考にしてくださいね。
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看護師めぐみ
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神奈川県立こども医療センターが看護師から選ばれる3つの理由
同院が看護師から選ばれる理由は、次の通り。
- その1:小児看護の専門性を身に付けることができる
- その2:専門性を身に付けるために相応の教育がある
- その3:人員の状況次第ですが、他院へ異動ができる
それぞれ解説します。
その1:小児看護の専門性を身に付けることができる
同院は、世界有数の小児専門病院であることから、小児看護の専門性を身に付けることができます。
Newsweek誌の「World’s Best Specialized Hospitals 2024」では小児部門で世界64位にランクインしており、その専門性は世界が認めるレベルです。
難病や希少疾患の患者が多く来院しており、急性期から終末期まで、専門性の高い小児看護の経験を積むことができます。集中治療と緩和ケアを同時に行うなど、看護師としての力量を試される場面も多くあります。
総合病院の小児科とは来院する子供たちの疾患や症状が全然違います。そのため、責任の重さや精神的な負担を感じることも多々あるでしょう。しかし、子どもたちの笑顔や成長を間近で見守り、その支えになれることは、何物にも代えがたい喜びとなるはずです。
「小児看護のスペシャリストになりたい」「子どもたちの未来を支えたい」そんな熱意を持つ人には、適した病院かと思います。
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その2:専門性を身に付けるために相応の教育がある
同院は、専門性を身に付けるために相応の教育体制を整備しています。
新人からベテランまで、段階に応じた研修プログラムを整備しており、専門看護師や認定看護師の育成にも力を入れています。
また、院内の認定資格もあります。「より専門性の高い知識や技術を習得したい」「小児看護のリーダーとして活躍したい」と考える看護師に向けた実践的なプログラムです。
さらに、各病棟でPNSの体制が導入されつつあり、スタッフ間のコミュニケーションは良好です。小児看護に対して熱意を持っている人が大半なので、情報共有しながらお互いを高め合っています。
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その3:人員の状況次第ですが、他院へ異動ができる
同院の運営元は、複数の病院を運営しています。そのため、人員の状況次第ですが、他院へ異動ができます。
病院ごとの特徴は以下の通り。
- 精神医療センター:精神疾患の専門病院(横浜市南区)
- 神奈川県立がんセンター:がん診療の専門病院(横浜市旭区)
- 循環器呼吸器病センター:循環器および呼吸器疾患の専門病院(横浜市金沢区)
- 足柄上病院:足柄上エリアの総合病院(栃木県足柄上郡)
小児看護から他の専門性のある病院への異動は、あまりないことかもしれませんが、一応、病院間の制度があることは覚えておくと良いでしょう。
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神奈川県立こども医療センターで働く看護師の様々な実情を調査
同院で働く看護師の実情を、5つの項目に分けて調査しました。
実情1:年収・給与の実情
給与は、一般的な水準です。基本給や夜勤手当は低めですが、その他の手当が充実しています。
- 給与:303,400円〜、337,300円〜(経験5年)、350,000円〜(経験10年)
- 夜勤手当:8,000円/回
- 通勤手当:55,000円/月(上限)
- 住居手当:28,500円/月(上限)
- 賞与:4.45ヶ月
残業代については、申請した分はきちんと支払われます。以前はサービス残業が常態化していましたが、医療事故や不祥事をきっかけに組織体制の見直しが行われ、改善されつつあります。
しかし、22時以降の深夜割増賃金については、いまだにカットされることがあるようです。
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実情2:教育・研修の実情
教育体制は、キャリアラダーに沿って行われます。専門性の求められる現場なので、研修プログラムがきちんと整備されています。
ただし、医療行為の多くを医師が担う傾向があるため、看護師の業務範囲が限定されてしまうという声も聞かれます。
点滴や包帯交換などは頻繁に行いますが、採血や導尿、吸痰などといった技術を磨く機会が少ないと感じている人もいるようです。
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実情3:残業・離職率の実情
残業は、忙しい病棟や時期もありますが、それでも1〜2時間程度に収まることが多いとのこと。超急性期の大学病院のような忙しさはなく、比較的落ち着いた雰囲気で働けるようです。
「早く帰ろう」という意識が低い病棟もあるようで、残業が前提となっているといった声もありました。
離職率は、グループ病院を含めた看護師全体だと8.8%です。平均勤続年数は9.6年なので、定着率は悪くないでしょう。
しかし、一部のお局によるパワハラが原因で退職するケースもあるようです。配置転換がなく、やりたい放題のお局に対して、見て見ぬふりの管理職がいるという声も聞かれます。
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実情4:福利厚生・育児支援の実情
休日は、基本的にカレンダーの日数分の休みがあります。ですが、育休や休職者が増えると、公休が繰り越しになるとのことでした。ひと月あたり2〜3日繰り越されることもあるようです。
他には、県内外で利用できる金券を年度はじめに貰えます。桜木町の映画館で利用できるので、皆よく行っているようです。江ノ島水族館や八景島シーパラダイスなども安くなるので、子連れには嬉しい特典です。
育児支援は、物足りなさを感じている人が多いようです。看護局は育休中に夜勤に入れる体制を整えるように求めており、それが難しい場合は退職を促されることも。そのため、子育て中の看護師は減少し、働き盛りの30代が辞めてしまうケースも多いようです。
子どもが1歳を過ぎると夜勤に入らなければならず、家族のサポートが必須となります。時短勤務のママ看護師だとしても新人教育や現任教育などの役割を担わされており、負担が大きいと感じている人もいるようです。
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実情5:経営状況・赤字かどうかの実情
経営状況は厳しく、令和5年度は約6億円の赤字です。ここ数年はずっと赤字が続いています。
業務プロセスの見直しやコスト削減策を実施しているものの、改善には至っていない状況です。
また、過去には医療事故や不祥事も発生しており、レジオネラ菌検出の隠蔽や亡くなられた患者家族への不適切な対応などが問題視されました。
さらに、グループ病院でも組織体制の粗雑さが指摘されており、外部調査委員会の報告書では「統治システムが存在したと言えない」と断定されるほど、問題は根深いようです。
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神奈川県立こども医療センターが募集する看護師求人と採用試験
実際に募集している求人と試験内容は、以下の通り。
常勤職員の求人内容
同院では、常勤や契約社員、非常勤の夜勤専従の募集を行っています。
常勤職員の求人内容
職種 | 看護師 |
---|---|
雇用形態 | 正職員 |
応募資格 | 経験3年以上 |
給与 | 303,400円〜 |
勤務形態 | 変則2交代制・3交代制(病棟による) |
休日 | 4週8休制 |
選考方法 | 一次:書類選考、二次:個人面接 |
常勤職員の採用試験
採用試験は、「一次:書類選考、二次:個人面接」です。
他のグループ病院と比べて人材不足は深刻ではなく、病院規模に対して看護師数も比較的多いです。国内有数の小児病院としての知名度もあり、採用活動は比較的順調に進んでいるようです。
しかし、だからこそ、しっかりと準備しておかないと不採用になってしまう可能性があります。志望動機(なぜ他の小児病院ではなく、当院なのか)や、どのような看護をしていきたいかなど、具体的に伝えることが重要です。