2015年12月より50名以上の従業員がいる企業ではストレスチェックが義務化になり、国全体がメンタルケアに注目してきています。近年増えてきていると言われているのがうつ病とパニック障害です。
うつ病は厚生労働省の患者調査によると、1999年では44万1千人、2008年では104万1千人、2014年では111万6千人と増加の一途を辿っています。
パニック障害についてはWHOがこの病名を正式に登録をしたのが1992年ですので、独立した病名としてはまだ歴史が浅いものです。
不安障害の中でも全体の0.8%と、数字だけをみると少なめですがこちらもうつ病と同じように増加しています。
両疾患とも若い女性に多いというのが共通の特徴になっていますが、うつ病に関しては中高年も増えてきています。
看護師のうつ病・パニック障害の症状
心の病気は診断の基準が明確ではないものも多く、本人も「ただの疲れかもしれない」と放置してしまうこともありますので、気づかないうちに症状が悪化していく可能性があります。
心も体も不調な時は何かしらのサインを出している場合が多いので、そのサインに素早く気づけるように以下の症状を時々チェックしましょう。自分ではわからない症状もありますので、周囲の方に聞いてみることも時には必要です。
うつ病のサイン
- 気分が落ち込んだり不安になる
- イライラする
- 不眠
- 死にたくなることがある
- 表情が暗い
- 涙もろくなる
- 飲酒量が増える
- 食欲が湧かない
- 朝起きるのが辛く疲れが取れていない感覚がある
- 頭痛や肩凝りがある
パニック障害
パニック発作
動悸、めまい、発汗、息苦しさ、手足のしびれや震え、吐き気などの症状がきっかけや原因がなく、いつどこで起こるかわからない発作を起こします。本人は死ぬのではないかと恐怖を感じますが10分ほどで症状は治まります。
予期不安
また発作が起こるのではないかという強い不安を感じる症状です。また、発作を起こした時のことを思い出してパニック症状が出ることもあります。
広場恐怖
パニック発作が起きた時にそこから逃げられない、助けを求めることができないかもしれない場所や状況を怖がり、避けることを指します。具体的には、一人での外出、電車、美容室、人ごみ、高速道路、映画館や劇場、歯医者などです。
また、この症状のために買い物に行けない、会社に行けない(電車等での出勤困難)など日常生活に支障が現れることもあります。
看護師のがうつ病・パニック障害になる原因
うつ病もパニック障害も特別な病気ではなく、誰でもなり得る病気です。両疾患とも原因としてはストレス、男女比でいうと 女性の方がうつ病では約1.5倍、パニック障害では約2.5倍多いという共通性があります。
常勤看護師の0.8%は何らかの心の病気を自覚しているとの調査結果があります。特に20代の若い年齢の看護師ほどその割合は高くなっています。 医療現場でのストレスの原因は次のようなものがあります。
精神的過労
ミスは許されないという緊張感とプレッシャーを感じながら日々仕事をしていますので、精神的な疲労は他の職業よりも強くあります。
身体的疲労
時間外勤務や夜勤により、時間が不規則で疲れが溜まりやすく身体への負担が大きくなります。
人間関係
看護師同士、医師、検査技師、事務員、患者、患者家族など多数の方との関わりの中で調整役になることも多く、人間関係に関する問題と悩みが多くみられます。
うつ病・パニック障害にならないための予防法
心の健康を保つための3つのポイントです。
十分な休息と気分転換
仕事中は心も体も緊張をしています。仕事から離れたら気持ちを切り替えて心も体もリラックスできることをしましょう。質の良い睡眠を取り、お休みの日は仕事のことを考えないようにすることも大切です。
日光を浴びる
不規則な勤務になることが多い看護師ですが、意識して太陽の光を浴びましょう。日照時間が少ないことが原因で起こる「冬期うつ病」という病名があるくらい、日の光に当たることは心の病気の予防になるとされています。
外に出るのが億劫でしたらカーテンを開けて部屋の中を明るくするだけでも十分です。
相談相手を見つける
悩みや問題をひとりで抱え込むと「まだまだがんばれる」「私だけが大変じゃないから」とがんばりすぎてしまいます。
家族や友人、同僚、先輩など信頼できる人に相談をして一緒に解決をしてもらいましょう。
まとめ【心の病気は事前の予防が重要】
現代病とも言われる心の病気ですが、正しい知識を持つことで予防ができます。身体や心に変化があった時はひとりで考えずに周りの助けを借りることも必要になります。
ストレスは自分ひとりで解決できるものと、職場環境などひとりでは解決できないものがあります。
心の病気の原因は性格やメンタルが弱いからではなく、ストレスとの関係性です。どうしても解決できない問題がある場合は職場や生活の環境を変えることも選択肢のひとつです。
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