看護師が辞めたいほど辛い労働環境で働かないために!解決方法まとめ

日本医療労働組合連合会が発行している「医療労働(2014年1月)」によれば、 看護師の約75%が【看護師を辞めたい】と考えたことがある との報告結果があります。看護師全体の7割以上となれば、相当大きな割合ですよね。

しかし看護師としての仕事は簡単に離職するべきではありません。実際に退職した後に悔やんでいる看護師は少なくないからです。では看護師を辞めることは、どのようなデメリットがあるのでしょうか。今回はその詳細について紹介します。

参考:日本医療労働組合連合会「医療労働(2014年1月)」

看護師を辞めたいと思う理由

看護師を辞めたいと思う理由はさまざまなものがあります。一般企業に勤めていてもブラックな労働環境などの問題などがありますが、看護師業務ならではの問題が存在します。

では看護師を辞めたいと思う理由には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。それは以下の通りです。

生き死に直結するため精神的に疲弊する

看護師として働いていると、親身に看護して、仲良くなった患者さんが突然亡くなる、という事態に何度も直面します。外来勤務であれば、そこまで生き死にに関与することはないかもしれませんが、病棟勤務では避けることはできません。

また目の前で患者さんが亡くならなかったとしても、看護師の点滴や注射のミスが重大な医療ミスとなり、患者さんの生死を左右するケースは少なくありません。相手が重篤な状態の患者さんであればあるほど、一つ一つの看護師業務が生き死にに直結します。

自分の仕事が患者さんの生死に直結することは、精神的に大きなプレッシャーとなります。その結果として精神的に疲弊して、看護師を辞めたいと思ってしまうのです。

ハードな仕事な上に夜勤があるため体力面がキツイ

ハードな仕事の上に夜勤があることも、看護師を辞めたいと思う理由の一つです。看護師業務は日勤のみであったとしても業務内容はハードです。それは前述した通り、たった一つの医療ミスが患者さんの生死に直結する可能性があるからです。

それだけでも精神的に疲弊するわけですが、看護師は病棟勤務の場合、夜勤もこなさなければいけません。

夜勤と日勤を交互に繰り返すことは、生活リズムが不規則になり、睡眠不足を招く原因にもなります。

また20代、30代前半であれば夜勤は比較的スムーズにこなせますが、加齢と共に体力的にきつくなってくるのが実際のところです。ハードな業務内容と夜勤のきつさから、看護師を辞めたいと考えてしまうのです。

女性だらけの職場だから人間関係がこじれやすい

女性だらけの職場では噂話や嫉妬、妬みなどが起こりやすく、人間関係がこじれやすい、という傾向があります。実際に看護師の現場では、嫉妬や妬みによるいじめや嫌がらせが横行している場合が少なくありません。

それは同期の看護師同士ではなく、先輩看護師が部下に対して行うこともあります。上司としては優秀な部下が育てば嬉しい、と考えるのが通常ですが、上司の心が嫉妬や妬みに捉われている時は、パワハラや部下いじめにつながります。

新人看護師としては、頑張らなければ怒られる、そして頑張っても嫉妬される、という状態に陥ってしまうのです。このような状態になれば、誰だってストレスを感じてしまいますよね。

そして人間関係の構築が上手な人の場合、このような状況は回避、または乗りきることができます。しかしそもそも人付合いが苦手な性格の場合は、人間関係のこじれから看護師を辞めたいと考えてしまうのです。

健康を損なってしまった

看護師が辞めたくなる理由としては健康面の問題もあります。前述した通り、夜勤を含む不規則なシフト勤務は、身体にとって大きなストレスとなります。

20代、30代は何の苦も無く乗り越えられたとしても、40歳を越えてから、急に夜勤がしんどくなったと実感するケースも少なくありません。

そしてその心と身体のストレスが蓄積されると健康は損なわれます。精神疾患や何かしらの感染症を患ってしまえば看護師として働くことに対して、ドクターストップがかかるケースもあります。健康を損なったことで看護師を辞めたくなってしまうのです。

看護師は労働環境や人間関係の理由だけでなく、自分自身の健康を損なった時に、看護師を辞めたいと考えてしまいがちです。

しかし看護師としての仕事は辞めたいと思った時こそ立ち止まって考える必要があります。仕事を辞めることは簡単です。しかし同じ現場に戻ることは決して簡単ではありません。

したがって看護師を辞めたいと一瞬思ったとしても、退職に関しては慎重になることが欠かせません。

大半の看護師が辞めたいと思う反面、辞めた看護師の40%がまた戻りたいと思っている

前述の日本医療労働組合連合会の「医療労働(2014年1月)」によれば、看護師の勤続年数は平均10.7年。そのうち約4割の37.9%は5年未満の勤続年数です。医療機関における看護師業務は、働き続けられない実態があると指摘しています。

その理由は労働環境、精神的ストレスなどが主ですが、結婚や出産、子育ての問題も関係しています。看護師不足が起きている現場では、子育て中の看護師や結婚や出産を控えた看護師に休暇の優遇など、細かい配慮をすることができません。

その結果、子育てなど重要なライフイベントを抱えた看護師に大きなプレッシャーをかけることになり、長く務めることができていない、という実態があります。

しかしさまざまな理由で辞めていった看護師の40%は、また職場に戻りたいと思っています。仕事を辞めた後に、辞めなければ良かったと考えることほど辛いことはないですよね。

そのため、看護師としての仕事は、辞めたいと思う衝動が起きたとしても、簡単に決断すべきではないといえるでしょう。

看護師を辞める大きすぎるデメリット

看護師を辞めるとさまざまなデメリットがあります。あまりにも大きすぎるデメリットなので、看護師を辞めたいと考えても、多くの人が立ち止まるわけですが、実際に辞めてしまうと後悔することが少なくありません。

では看護師を辞めるデメリットには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。それを次に紹介します。

給料が圧倒的に下がる

看護師を辞めて、看護師以外の仕事に転職すると、給料が圧倒的に下がります。厚生労働省の「平成 27 年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、女性の30歳~34歳の平均賃金は238,400円です。34歳といえば、新卒で入社した会社で10年が経過した時期です。

日本看護協会の「看護職の賃金水準データ(2013年版)」によると、勤続10年以上の看護師の平均賃金は318,010円です。月額の給与だけを考えてみても、大きな差があることが分かりますよね。看護師の給与は平均から考えると、明らかに高いのです。

女性の平均年収と比べて考えても、 約100万円以上の差 となります。そのため看護師から事務員などで一般企業に転職した場合、給料が圧倒的に下がることになります。

看護師時代の条件がよく、希望条件通りの求人が見つからない

看護師を辞めると、看護師時代の給与条件のよさが分かります。そのため看護師から一般の仕事に転職しようとした場合、多くの人が給与の低さで悩みます。

仮に月額の給料や賞与が看護師時代と同じだけ提示されている求人を見つけたとしましょう。それでもその求人が、総合病院に勤務している頃と同程度の福利厚生が受けられる、ということはほとんどありません。

一度看護師として働くと、看護師時代の条件がよく、その報酬が働く際の基準となります。看護師時代の前提で転職先を探そうとしても、希望条件通りの求人が見つけることは非常に難しいのです。

一般的なパソコンスキルが乏しく仕事についていけない

仮に納得できる給料の会社に転職できたとしても、それで快適に働けるかどうかは別の話です。基本的に一般企業で求められる業務のスキルと、看護師の現場で求められるスキルは大きく異なります。

当然ですが、一般企業では注射や点滴の技術は必要ありません。それよりもエクセルやワードの資料作成、ブラインドタッチが当たり前のようにできることが求められます。このような一般企業では常識とされるスキルも医療現場の仕事ではそこまで重要ではないですよね。

そのため条件が良い一般企業に転職できたとしても、仕事についていけなくなってしまいがちです。このように実際に転職してから、看護師を辞めたことを後悔してしまうケースもあります。

このように看護師を辞めた後のデメリットはすぐに実感するものだけではありません。転職活動中、そして転職した後に感じてしまうものです。

できることなら、年収や業務スキルで悩みを伴うような転職はしたくないですよね。看護師の仕事を辞めたいと思った際はこのようなデメリットについて、一度冷静に考えることが大切です。

年齢が上がるにつれて未経験業界での正職員採用は厳しい現状

看護師以外の仕事に転職することを考えるなら、年齢の壁を無視することはできません。なぜなら年齢が上がるにつれて未経験業界での正社員採用は厳しい、という現状があるからです。

実際に求人情報には年齢による採用の制限を記載していなくても、社内的には暗黙のルールとして、35歳以上は採用しない、としているところは珍しくありません。

看護師の業界であれば、未経験者であったとしても、看護師免許を持っている、という付加価値があります。そのため40代、50代で看護師免許を取得して活躍することができるのです。

しかし一般企業は国家資格を採用の基準としていない分、若さや体力、頭の回転の早さ、などが求められます。

またベンチャー企業であれば、20代、30代の部長、役員も珍しくありません。そうなると、必然的に自分達よりも年齢が上の世代はよほどのスキルがあるなどの理由がない限り、雇用することはありません。

看護師から医療や介護以外の業界に転職するなら、現在の年齢も考慮して、慎重に判断することが欠かせません。

看護師を一度辞めて後悔した看護師の声

看護師を辞めることは、人生を左右するほどの重大な決断です。そのため退職に関しては慎重な判断が必要です。では看護師を一度辞めて、後悔している人の声にはどのようなものがあるのでしょうか。その一例を次に紹介します。

  • 年収が下がってしまった
  • 座りっぱなしのパソコン仕事が合わない
  • 生活費の不安が出てきてしまった
  • 他の仕事ではやりがいが感じられない
  • 看護師としての仕事が好きだと気がついた

このように看護師を辞めたことで後悔はするものの、自分自身が看護師として向いていた、と再認識する人も少なくありません。しかし辞めてから気がついたとしたら、キャリアにブランクができてしまうので、注意が必要です。

看護師の辞めたい理由を解決する

看護師を辞めたい、と思った時に自分だけで判断するべきではありません。看護師の仕事は辞めるデメリットが非常に大きいので、辞めたいと思った理由を明確にして、それを解決する方法を考えた方が賢明です。

では次に、看護師の辞めたい理由を解決する方法について、見ていきましょう。

看護師長に勤務条件や働き方を変えたいと相談する

現在の職場の勤務条件や働き方に不満がある場合は、まず看護師長に相談してみましょう。退職する前に一度、看護師長を呼び出しましょう。

仮に今の職場で働きやすくなれば、転職する必要がなくなりますよね。

相談することで、医療法人の関連病院を紹介してもらえるかもしれません。希望条件に合った病院を紹介してもらうことができれば、転職活動の手間もなくなりましょね。

いずれにせよ、ただ退職したとしても、次の職場が理想的な環境かどうかは働いてみなければ分からないものです。看護師を辞めたいと思った時はすぐに辞めるのではなく、まずは看護師長に相談することも検討しましょう。

残業がなく日勤勤務のクリニックで働く

看護師を辞めたい、と思った時は、看護師そのものを辞めるのではなく、職場を変えることも大切です。

残業が多く仕事の疲れが取れないと感じているなら、日勤勤務のみのクリニックで働くことも検討しましょう。

総合病院でしか働いたことがないのであれば、それで看護師業務のイメージが固定化されてしまうかもしれません。

しかしクリニックは患者数がそこまで多くないところであれば、のんびりとした現場も少なくありません。身体の負担が大きくなってきた場合、残業がなく日勤勤務のクリニックで働くことで、解決できる可能性があります。

残業なしの日勤勤務!クリニックで働く看護師の給料やメリットを紹介で詳しく紹介しています。

病院以外の老人介護施設や訪問介護ステーションで働く

病院勤務をしていて、看護師の仕事が嫌になった場合は、病院以外の老人介護施設や訪問介護ステーションで働くことで、辛さを解消できる可能性があります。

なぜなら、老人介護施設や訪問介護施設の看護師業務は、総合病院とは異なる役割が求められるからです。

老人介護施設も、有料老人ホームを選ぶのか、それとも介護老人保健施設を選ぶのかで、環境が全く異なります。

比較的元気な高齢者の介護に関心があれば、有料老人ホームで働くことが向いているかもしれません。看護師が嫌になって辞めたくなった際は、看護師としての仕事は病院だけではない、と考えることが大切です。

派遣看護師として短期間働く

正社員として病院で働けば、それなりの報酬を受け取ることができますが、その分ストレスやプレッシャーが大きくなるのが実際のところです。

看護師として働いていて、そういったストレスを負担に感じている場合は、派遣看護師として短期間働くことも検討しましょう。

短期間の派遣看護師であれば、いずれはいなくなる人として扱われるため、大きな責任を伴う必要がなくなります。その分、給料や福利厚生は正社員ほどのものは期待できないかもしれません。

ただ正社員よりも気楽に働けそうですよね。看護師を辞めてしまうのではなく、雇用形態を変えて看護師を続ける、という選択肢もあります。

【多様な働き方】派遣で働く看護師のメリットや給料、正社員との違いとはで詳しく紹介しています。

このように看護師を辞めたい、と思ったとしても、その理由を明確にすれば解決できる方法は存在します。病院が合わないのであれば、介護施設が向いているかもしれません。

正社員という雇用形態がプレッシャーなら、短期の派遣であれば気軽に働けるかもしれません。いずれにせよ、現在働いている職場が嫌になったとしても、看護師そのものを辞める必要はありません。

看護師を辞めたくなった時は、一度冷静になりましょう。そしてなぜ辞めたくなったのか、その理由を明確にすることをおすすめします。

まとめ【看護師を辞めたくなったら、転職することも視野に入れよう】

看護師を辞めた後のデメリットを考えると失うものも大きいですよね。そのため、看護師を辞めたくなっても、簡単にそれを決断するべきではありません。 看護師を辞める前に、思い切って病院以外の職場を考えてみることも大切です。

介護施設やクリニックであれば自分に合った職場を見つけられるかもしれません。視野を広げ情報収集するために、転職エージェントに相談することもおすすめです。

大切なことを後悔せずに、ご自身にとって満足できる決断をすることです。

看護師を辞めたくなった場合は、看護師そのものを辞めてしまうのではなく、現在とは異なる環境での転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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