ベテラン看護師が伝授!扱いが大変な患者の苦情・クレーム対応方法

看護師のクレーム・苦情対処

看護師の仕事をしていると必ずと言っていいほど皆が患者さんや家族からのクレームを経験するでしょう。それは病院でもクリニックでも施設でも同じです。

クレーム対応が苦手という人も多いと思います。特に新人看護師はクレーム対応に慣れていないので苦手意識を持つことも多いと思います。

新人看護師は患者さんから見て話しかけやすいことや、知識や技術が未熟といったことからクレームをつけられやすい傾向にあるのも事実です。

ベテランナースはベテランというだけあって、患者さんからのクレームを数多く対応しています。

もちろん苦手あな人も多くいるでしょう。ここでは、クレーム対応が苦手だという看護師に読んでほしいクレーム対応術をお伝えします。

クレーム対応は誰が対応すべき?誰の仕事?

看護師のクレーム対応02

病院によっては、その病院独自の「クレーム対応マニュアル」というものがあります。それだけクレームへの初期対応が重要ということです。

なぜ初期対応が重要なのでしょうか?それは、最初の対応次第でその後が大きく左右されるからです。

きちんとした対応をすれば、実は相手はそんなに怒っていなかったということもあります。逆に初期対応を誤ってしまうとますます話が大きくなってしまうことだってあります。

場合によっては訴訟に…なんてなったら嫌ですよね。そこまでいかなくても、病院長にまで話が行く大あ事になることだってあるのです。

看護師の対応は、病院の対応ということになります。看護師が患者さんに対して不誠実な対応をすれば、「○○病院の対応は不誠実だ」となってしまいます。

患者さんや患者さん家族からクレームを受けた場合は、まずはクレームを受けた看護師が対応します。

いきなり上司に交代してしまっては「この看護師は話を聞いてくれない」となってしまいます。まずは相手の話を聞いて内容を把握しましょう。

相手がすぐに師長や院長を呼ぶように言っていても、まずはどのような内容なのか話を聞いてください。

初期対応が大切だと先ほど述べましたが、最初の段階でかなり話が長くなるのもよくありません。
クレームというのはスタッフみんなで考える問題なので、困った時には先輩や上司に応援を頼みましょう。

報告・連絡・相談は働くうえでとても大切です。

相手が何を伝えたいのか、何に対して怒っているのかを自分の中で整理してから上司への報告や先輩への応援要請をすることを忘れないようにします。

相手が患者さんであっても、暴力を容認することはあってはいけません。必ず上司に報告しましょう。

クレームの対応事例3選

看護師のクレーム対応03

クレーム事例1

<クレームの内容>
4人部屋に入院している男性の患者さんから
「同室の患者がイヤホンを使わずにテレビを見ているみたいだ」と指摘がありました。

その時に対応した看護師が
「大部屋の患者さんにはイヤホンを使うように説明しています」と答えました。

その患者さんは
「前にも同室の患者がイヤホンを使わずにテレビを見ていた。入院してから1度も看護師が患者にイヤホンの説明をしていたのを聞いたことがない。なぜ自分だけイヤホンを使うように言われるのか」と怒り出してしまいました。そして看護師の対応が悪いと、職場長に怒鳴りに行きました。

<看護師の対応>
この例では患者さんが怒るのも仕方がない感じがします。まず、患者さんは入院中の決まり事を守っていたにも関わらず、同室者がイヤホンを使っていないことで不快な思いをしました。

しかし最初に対応した看護師は患者さんの話を否定してしまったのです。結果として看護師の対応が悪いというクレームに発展していまいました。

<このクレームの対応術>
初期対応としては、患者さんに不快な思いをさせてしまったことに対して謝罪の言葉を伝えます。
最初の段階では怒りではなく指摘や質問ということが多いです。

今回も指摘でした。それを否定してしまうと、看護師の対応が悪いという怒りに代わってしまいます。

謝罪の言葉と、指摘してくれたことへの感謝の言葉を伝えます。

そして、「スタッフでこのことを共有してこれからこのようなことがないようにします」と患者さんに約束をします。

クレーム事例2

<クレームの内容>
患者さん家族から
「前に入院した時には毎日体を拭くタオルをくれたのに、今回は週に2回しかくれない」
というクレームがありました。

その患者さんは以前にも入院したことがあり、前回と今回の対応に不満を抱いていたようです。

さらに
「タオルや着替えがほしくても忙しそうにしていて声をかけにくい。前はそんなことはなかった」という指摘がありました。

患者さんは感情的ではなく、思いを淡々と話している様子でした。

<看護師の対応>
まずは入院中に不便をかけてしまったことに対して謝罪をしました。そして病棟の中での清潔ケアの決まり事を説明しました。

しかし自分で体を拭くことができる患者さんに合ったものではないため、スタッフ間で共有し毎日清拭用のタオルが必要か確認をするということになりました。

<このクレームの対応術>
患者さんは入院生活に不便を感じています。まずはそのことに対しての謝罪が必要です。

何度か入院している患者さんは前回の違いを感じやすいです。そしてそれが不満になることがあります。

業務が増えればそれだけ患者さん全員の清拭を毎日やることは出来ません。それを毎日、全員と約束してしまっては「責任の持てない約束」になってしまいますね。

そのため、この事例では毎日声をかけるということと、この件をスタッフで共有して対応に気を付けるということになりました。

クレーム事例3

<クレームの内容>
寝たきりの患者さんの家族からのクレームです。「夫の平熱は37.5℃です。今体温を測ったら、36.5℃でした。体温管理をしっかりしてくれないと困ります」
とナースステーションに怒鳴り込んできました。

「何度もお願いしているのにちゃんと聞いてくれる人がいない」
と感情的になっていました。

家族が面会に来ると、真夏であっても布団と毛布が肩までかかっていて、患者さん自身も顔が紅潮していました。

患者さんは自分で布団の上げ下げができず、言葉を発することができません。

そのため看護師が患者さんの体調や顔色などを総合的にみて室温や布団の調節をしていました、

<看護師の対応>
まずは、患者さん家族の話をしっかりと聞きます。
そして患者さんについて家族に心配や不満を抱かせてしまったことに対し謝罪します。
その上で、看護師として患者さんの状態を説明します。

<このクレームの対応術>
寝たきりの患者さんの場合、長期療養になるので家族の思いが強いことが多いです。
まずは家族の思いを傾聴しましょう。

家族の思いも重要ですが、看護師としてきちんと通さなければならない部分があります。
病院のルールに関することや患者さんの治療、療養に関することがそうですね。

しかし、ただ「患者さんはこういう状態だから、体温管理は私たちに任せてください」と言っては突き放したように感じてしまいます。

相手の思いに寄り添いながら説明することで、理解に繋がります。

クレーム対応3つのコツ

クレーム対応コツ1
感情的にならず冷静に対応する

クレームがあった時には、まずは「申し訳ありませんでした」と冷静に謝罪します。

患者さんがクレームをつける時には感情的になっていることが多いです。

そのような時に対応する側も感情的になってしまっては、話が進むどころかますます相手が感情的になってしまいます。

感情的になると言っても、それは怒りだけではありません。

患者さんは慣れない病院生活や自身の病気のことに不安を抱えています。

そういった不安から「何か聞いてほしい」という思いで看護師に伝えることがあります。

それを看護師が感情的に返してしまっては、患者さんも感情的になってしまいます。

感情的にならず、冷静に話を聞くことで、患者さんも話しやすくなります。

繰り返しますが、クレームには初期対応がとても重要です。まずはきちんと話ができる雰囲気を作りましょう。

クレーム対応コツ2
相手の話をしっかり聞く

クレーム対応には、コミュニケーションの基本である「傾聴」が重要になります。

患者さんが話をしている時に口を挟んだり、ねじ伏せるように言いくるめようとしたりすると逆効果です。

患者さんは話を聞いてほしいと思っているのですから。

「うなずき」や「あいづち」をして「あなたの話を真剣に聞いています」という態度を示すことが大切です。

傾聴しているうちに患者さんの言いたいことや思いが見えてくるでしょう。

相手が話終えたら、「ご指摘ありがとうございました」「申し訳ございませんでした」と指摘してもらったことに対しお礼と謝罪の言葉を伝えるようにしましょう。

ここまでくると相手もだいぶ冷静になるはずです。

最初は怒っていても、看護師が話を聞いているうちに「話を聞いてほしかっただけなんだ」「聞いてもらえてすっきりしたよ」と言う患者さんもいるでしょう。

クレーム対応コツ3
速やかに解決案を提案する

クレーム対応にはあまり時間を長引かせてはいけません。

「後で確認します」「少しお待ちいただけますか」というあいまいな言葉でその場を済ませてしまうと、「あれから長いこと待たされているがどうなっているんだ」とさらに患者さんを怒らせるという結果になりえます。

解決を長引かせるとそれだけ患者さんが長時間不満を抱いていることになります。

そうすることで問題が大きくなってしまうこともあるので、それは避けたいですよね。その場で対応できることはその場でするのが良いでしょう。

判断に迷う時には先輩や上司に相談するようにします。勝手に約束してしまい、実は病院の決まりではNGなんていうこともあります。速やかに解決策を提案することはとても大切です。

しかし、注意しておかなければならないのは、責任を取ることができない約束は絶対にしないということです。

まとめ【クレームは初期対応が大切!逃げないで誠実な対応をすれば伝わります!】

クレーム対応が苦手な人は、相手が怒っているから怖い、もっと怒らせてしまったらどうしようと思っていませんか。

怒っていたり感情的になっている人の対応が好きなんていう人はほとんどいないでしょう。

ベテランナースはベテランだけあってクレーム対応も多くこなしています。

クレームの数だけ対応もあります。困った時は先輩に相談してみるのもいいでしょう。コツがつかめるかもしれませんね。