准看護師から正看護師になるには?年収やキャリアの違いも一緒に解説

準看護師から正看護師

准看護師が正看護師になる為に必要とされる実務経験が10年から7年へ変更となりました。この決定がされたのは2015年12月です。

元々は実務経験5年への短縮案もありましたが、最終的には7年への短縮となりました。5年よりは長い実務経験が必要ですが、准看護師の方々にとっては嬉しいお知らせの一つですよね。

現在ほとんどの医療機関で正看護師、准看護師は不足しています。
一人でも人手を増やしたい医療機関は少なくありません。その為准看護師としての求人情報は、他の職種よりも充実しているといえるでしょう。

しかし准看護師としての転職となると、正看護師とは圧倒的な違いがあります。それは大学病院や公的機関への転職です。

大学病院や公的機関になると正看護師に限り募集されている場合が少なくありません。稀に正看護師、准看護師問わず募集している場合がありますが入職できてもリーダーのポジションには就けない、昇給ペースが低いなど様々な制約がつきまといます。

こういった正看護師との立場や収入の違いから、正看護師を目指す准看護師の人は少なくありません。

そこで今回は、准看護師から正看護師になる時に確認しておきたいポイントを、詳しく解説します!

准看護師から正看護師になる方法

准看護師から正看護師02

准看護師から正看護師を目指すには3つのルートがあります。
どの方法が正しいということはありませんが、その人の状況により最善となる選択は異なります。
時間的、経済的なリソースを鑑みて、自分にとって最適な選択しましょう。

全日制2年の学校に通う

准看護師から正看護師になる一つ目の方法は、全日制の学校に通学することです。
全日制の学校であれば定時制の学校のように3年間通学する必要がなく、2年間で卒業して正看護師になることができます。

准看護師として実務経験を7年間積む必要もないので、一刻も早く正看護師になりたい場合に取るべき選択かもしれません。

しかし全日制なので昼間の仕事はできなくなります。そして入学金や授業料を含めると合計で必要となる費用が100万円を越えてくる場合が少なくありません。したがって経済的、時間的に比較的余裕がある場合のルートだといえるでしょう。

<全日制学校(2年)で正看護師を取得するまでの流れ>

  1. 看護学校を選定
  2. 看護学校を選定
  3. 筆記試験・面接を受験
  4. 合格発表、授業料の支払い
  5. 通学(2年間)
  6. 卒業(国家試験受験資格を取得)
  7. 正看護師国試験を受験→合格

定時制3年の学校に通う

昼間の仕事も継続しながら、夜間の通学で准看護師から正看護師を目指したい場合は定時制の学校に通いましょう。

そうすれば昼間の仕事で給与を貰いながら通学できるので、貯金に余裕が無い場合でも無理なく生活できます。

しかし体力的に最もハードな選択となることは間違いありません。
毎日准看護師として働き、その夜間に授業を受けるわけですから、定時制の学校に通っている間はプライベートな時間を確保するのが難しくなりがちです。

特に試験前は仕事の合間やちょっとした休憩時間も活用して勉強するくらいの姿勢が必要になるので、このルートで正看護師を目指す場合はそれなりの覚悟が必要になります。

<定時制学校(3年)で正看護師を取得するまでの流れ>

  1. 看護学校を選定
  2. 筆記試験・面接を受験
  3. 合格発表、業料の支払い
  4. 准看護師として働きながら通学(3年間)
  5. 卒業(国家試験受験資格を取得)
  6. 正看護師国試験を受験→合格

通信制2年の学校に通う(実務経験7年以上)

准看護師から正看護師になる為の国家試験受験資格は通信制の学校でも取得可能です。

冒頭でもお伝えしたように、以前は10年間の実務経験が必要でしたが、実務経験7年でも通信制学校に通うことができるように決まりました。

しかし制度として決まっただけで、現在(2016年10月時点)ではまだ運用は開始されていません。

実際に制度が始まるのは2018年4月からです。2018年4月の時点で実務経験が7年を越えている准看護師に限り、通信制コースへ通えるようになります。

この通信制コースを選ぶメリットはやはり通学の負担が少ないことです。もちろん通信制でも2年間の間に数十日程度は、何かしら学校まで足を運ぶ必要があります。しかしそれは大きな負担になるレベルではありません。

また授業料も全日制や定時制よりも安い費用で通えます。何より通信制であれば働きながら学べるので、経済的に余裕が無い場合でも選びやすいルートだといえるでしょう。

<通信制学校(2年)で正看護師を取得するまでの流れ>

  1. 看護学校を選定
  2. 入試(小論文・書類審査程度)を受験
  3. 合格発表、業料の支払い
  4. 准看護師として働きながら通学(2年間)
  5. 卒業(国家試験受験資格を取得)
  6. 正看護師国試験を受験→合格

働きながら正看護師資格を取得するためには

准看護師から正看護師03

働きながら正看護師の資格を取得する場合は勤務先の協力が欠かせません。

何故なら、定時制や通信制の学校に通ったとしても、臨床実習等で学校の予定を優先させなければならない場合が出てくるからです。

期末試験前は、時間を確保する為に有給休暇を使うことも必要になるでしょう。正看護師、准看護師はほとんどの病院が不足しています。

したがって今勤務している病院に迷惑をかけない為にも、正看護師を目指す学校へ入学する前に相談しておきましょう。

また全日制の学校に通う場合は、今と同じ勤務状態を継続することはできません。その場合、学校に入学した後もパートとして引き続き雇用してもらえるのか、相談することも必要です。

正社員として働いた経験があり、そこからパートになった場合、時給を高めに考慮してくれる場合があるので、一度相談してみることをおすすめします。

それが難しい場合は時間に融通がきくパート・アルバイトへ変更してもいいでしょう。また派遣であれば、正社員よりも責任が少なく、柔軟に働ける可能性があります。

いずれにせよ通学が決まった場合は、学業を優先させて学校と両立できる働き方にシフトすることが大切です。

准看護師がキャリアダウンを防ぐ方法

准看護師から正看護師04

准看護師から正看護師を目指す場合、慎重にならなければいけないことがあります。それは給与の問題です。

せっかく正看護師になれたとしても、病院によってはキャリアがリセットされて、大幅に准看護師時代より給料が下がる可能性があるのです。

もし今勤めている病院の給与が、勤続7年目の准看護師より新卒の正看護師の給与の方が高いのであれば、正看護師になるメリットは大きいといえるでしょう。

しかし勤続7年目の准看護師の方が、新人の正看護師よりも給与が高い場合は、あえて准看護師のまま働き続けた方が得する可能性があります。

何故なら、准看護師のキャリアは正看護師のキャッリアとは無関係としている病院がほとんどだからです。その為、せっかく苦労して正看護師になったにも関わらず年収が低下するケースは少なくありません。

したがって通信制コースで准看護師から正看護師を目指す際は、キャリアダウンしない病院を探すことが欠かせません。

人材紹介会社や看護師同士のネットワークを駆使して勤務を希望する病院の給与テーブルやキャリアダウンに関する情報を集めましょう。

その際、准看護師から正看護師へキャリアチェンジした際の扱いは看護師長でも正確に把握していない場合があるので、注意が必要です。

正確な情報は人事部のトップもしくは担当者、または実際に准看護師から正看護師になった人しか把握していない、ということも珍しいことではありません。

しかしながら一求職者として、病院の人事部門に詳しくこういった確認することは簡単ではないですよね。

その為、情報を集める際はできるだけ転職サイトを活用しましょう。何故なら看護師専門の転職サイトやキャリアコンサルタントなら、そういった表に出にくい情報を所有している可能性が高いからです。

そしてコンサルタントからキャリアの引継ぎが可能な病院を紹介してもらうことが、病院探しの最も簡単な近道なのです。

特に転職サイトの看護のお仕事は、手厚いフォローと条件の良い求人情報を多数保有しているのでオススメです。

しかし、条件の良い求人は特に応募者が殺到するため、掲載から数日以内に終了してしまうケースも少なくありません。

たとえ今すぐに転職するつもりがなくても、普段から転職サイトはマメにチェックしておき、条件の良い求人が出たらすぐに対応できるようにしておくのが転職を成功させるコツです。

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准看護師が正看護師を目指す前に考えるべきこと

前述したように、准看護師から正看護師を目指す場合、メリットだけがあるわけではありません。

仮に正看護師になってキャリアダウンした時点で40歳を越えていれば、正看護師として働く年数は定年まで20年以下となります。

そうなると、「やっと准看護師の頃よりも給与が高くなった」と思った頃には定年が迫っている。

そんな状態になってしまいかねません。通学に費やした学費等の金額を考えると、場合によっては金銭的なメリットが無いかもしれないのです。

したがって准看護師から正看護師を目指す場合は本当に正看護師になりたいのか、そして正看護師になった後何がしたいのか、それを考えておくことが必要です。

単純に生涯年収を高くしたいのであれば、キャリアを積む病院を変える必要があるかもしれません。もしくは仕事以外のところに生きがいがあるのであれば、無理に正看護師を目指す必要はないかもしれません。

准看護師として働きながら通学して正看護師になることは、経済的、時間的投資が必要となる大きな決断です。その為、慎重に考えてから判断することが大切なのです。

准看護師から正看護師になる際に受け入れるべきこと

准看護師から正看護師05

准看護師から正看護師になるのであれば、受け入れなければならないことがあります。
それはどれだけ准看護師としてキャリアがあったとしても、正看護師では1年目として扱われることです。

給与面などでキャリアダウンしない場合でも、新人として新卒の若い看護師と一緒の研修に参加させられるのも珍しい話ではありません。

こればかりは避けることが難しい可能性が高いのであらかじめ覚悟しておきましょう。
しかし新人扱いされるのも、それは最初だけの話です。

正看護師になれば、准看護師の頃には目指せなかったリーダー等のポジションも目指せる可能性が高いのです。

したがって准看護師から正看護師になった場合は、ネガティブな側面を受け入れながら、前向きに考えることが大切です。

まとめ【准看護師から正看護師を目指す場合はキャリアダウンに注意しよう】

キャリアダウンは全日制の学校に通い正看護師になる場合、あまり気にする必要はないかもしれません。

しかし定時制や通信制で正看護師になってキャリアダウンした場合は、勤続年数も長くなっている場合が多いのでショックも比例して大きくなりがちです。

せっかく正看護師になれても年収が下がってしまったら素直に喜べないですよね。
したがって准看護師から正看護師を目指す場合、キャリアを積む病院を見極めることが欠かせません。

正看護師を目指す際はキャリアダウンを回避できるように、転職サイトを上手に活用していきましょう!

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まとめ

  • 2018年以降は実務経験が7年でも通信制コースで正看護師を目指せる
  • 准看護師から正看護師を目指す場合はキャリアダウンに注意しよう
  • 学校と仕事を両立する為にはパートや派遣の働き方も検討しよう
  • 准看護師のキャリアを正看護師のキャリアとして考慮くれる病院は希少
  • キャリアダウンせずに済む病院を探す際は転職サイトを活用しよう

正看護師は2004年では約71万人、2014年では約108万人が、準看護師は2004年には約38万人、2014年では約34万人の就業者数になっています。

10年間で正看護師は約1.5倍に増え、準看護師については減少幅は小さいですが資格取得者が減ってきています。つまり現在就業している看護職の7割が正看護師ということになります。

参照:厚生労働省2014衛生行政報告例 就業医療関係者より

正看護師と准看護師の仕事内容の違い

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保健師助産師看護師法では大まかに次のように業務内容について書かれています。

正看護師
厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示の下、診療上の世話、または診療の補助を行う。

准看護師
都道府県知事の免許を受けて、医師、もしくは看護師の指示を受けて、診療上の世話、または診療の補助を行う。

準看護師ができて正看護師にできないことはありません。

正看護師は主体的に看護業務ができますが、準看護師は主体的に行動することはできず、あくまでも医師や看護師の指示を受けて補助をするという役割になります。

どんなに経験豊富な準看護師でも、経験の浅い正看護師を指導することも業務の指示をすることもできません。

正看護師と准看護師の給料の違い

給料01

2015年の正看護師の平均年収は478万円、準看護師の平均年収は395万円となっており、約80万円の差があります。

正看護師は3年間もしくは4年間の修学過程が必要であり、準看護師は2年間の修学過程になりますが、資格取得までの時間とスキルがこれだけの差となって現れます。

さらに正看護師の中でも、出身校が専門学校、短大、大学によっても違いがありますし、就職をしてからも、専門看護師や認定看護師などの専門的な資格を取得すると給料に反映されます。

主任や看護師長などの管理職になるのも正看護師のため、ここにも差が出てくる現実があります。

正看護師と准看護師のキャリアの違い

医療01

資格取得後のキャリアにはどのような違いがあるのでしょうか。

正看護師は資格取得後に指定の学校で規定の学科を修めることで保健師や助産師になることが可能です。4年制の大学では卒業と同時に保健師・助産師の受験資格を得られるところもあります。

また、一定の実務研修と経験があれば専門看護師、認定看護師の資格も取得が可能です。

これに対して準看護師の場合は、保健師や助産師、専門看護師になろうとするとまず正看護師の資格を取得するところからのスタートになります。

2年間の全日制、3年間の定時制、10年以上(2018年度からは7年)の実務経験後通信制で2年勉強する必要があります。キャリアアップをしようと思うと正看護師に比べて長い時間がかかります。

資格だけではなく、管理職に就くのも正看護師になります。同じような経験年数と実績があっても準看護師は管理職になることはよほどの例外でない限りチャンスはないのです。

就職場所という点でも、正看護師は病院勤務の割合が70%になっていますが、準看護師は40%程度になっていますし、クリニックでの割合は正看護師は15%なのに対して準看護師は35%になっています。就業先によって経験に差がでることは避けられない状況です。

准看護師の減少!正看護師との仕事に大差がなくなってきている

病院02

長年、準看護師廃止に関しての議論がなされています。
神奈川県では2013年度には新規準看護師の育成を廃止しました。冒頭にも述べましたが準看護師の人数はこの10年程度で減少してきています。

需要がないということではなく、大学病院や地域医療支援病院では看護基準を満たすために正看護師の雇用割合が高く、クリニックや介護施設などでは準看護師の雇用割合が高くなっており、緩やかな住み分けが進んでいます。

だからと言ってそれぞれの職場内で正看護師と準看護師の仕事内容にも住み分けがあるかというとそうではありません。

看護師不足が叫ばれている中で、資格による業務の違いをつけることはとても難しいことです。目の前で患者が急変したら医師や正看護師が来るのを待っている時間はなく、準看護師が救急措置を取ることもあり得ます。そのため仕事中の現実的な責任と負担はほとんど変わりません。

【まとめ】看護職としてあなたが求めるものを考える

見た目には差がないため、正看護師と準看護師の見分けることは難しいです。同じユニフォームを着て、仕事内容もほとんど変わりがありません。ですが給料や待遇面では差があります。

仕事内容の差
正看護師:主体性を持って看護業務ができる
準看護師:主体的に看護業務はできず、医師や看護師の指示を必要とする

給料の差
年収にして約80万円の差がある

キャリアアップの差
正看護師:キャリアアップしやすい
準看護師:キャリアアップしにくいか時間がかかる

特に仕事内容は法的には差がありますが、実際にはほとんど差がありません。

高度な医療現場で働きキャリアを積みたいのか、クリニックや施設で慢性的な病気を持つ患者のケアをしたいのかなど自分のワークスタイルと照らし合わせて資格を考えることも必要になります。