バーンアウトシンドロームとは1970年代にアメリカの心理学者ハーバード・フロイデンバーガーが提唱したもので、ひとつの物事に集中していた人が突然燃え尽きたように無気力状態に陥る症状をいいます。燃え尽き症候群とも言われ、日本では1980年頃から注目されるようになりました。
初めは医療従事者、福祉関係者、教師などの専門職に多いとされていたが、現在ではどんな職業や業種でもみられるということが明らかになっています。
ひとつのことに没頭してきたが満足感や達成感が得られない、過度な緊張感の中にいる、アスリートなど大きな目標を達成し目標を失うなどが原因となります。
燃え尽き症候群(バーンアウト)の症状
アメリカの心理学者クリスティーナ・マスラックが考案したバーンアウトシンドロームのチェックツールMBA(Maslach Burnout Inventory)で次の3つが主要症状として挙げています。
- 情緒の枯渇:心身共に疲れ果てている状態
- 脱人格化:周囲への思いやりがなくなる
- 個人的達成感の減退:仕事へのやりがいややる気がなくなる
上記以外にも現れやすい症状もあります。
- 身体的症状:頭痛、肩こり、睡眠障害、胃腸症状(食欲不振、下痢など)
- 感情的症状:イライラしやすい、人間関係が苦痛になる、全てに無関心になる、人との関係を拒否する、自分を責める、気持ちが落ち込む
- その他:アルコールの量が増える
これらの症状は日常的にあり得る症状のため、あまり気にせずに過ごしてしまう可能性があり、無理をして働き続けることによってうつ状態になってしまうこともあります。
燃え尽き症候群(バーンアウト)のチェック項目
バーンアウトシンドロームは自分では気づきにくいものですが、原因が比較的はっきりしていることが多いため、気づけば燃え尽きる前に対処することが可能です。そのためにも自分の状態を把握しておくことが大切になります。
過去1年を振り返って、下記の質問に点数を付けてみてください
1点 変化なし又はほとんど変化なし
2点 少しの変化があった
3点 変化があった
4点 結構な変化があった
5点 非常に大きな変化があった
燃え尽き症候群か否かを確認するための質問
(1)以前より疲れやすく疲労が溜まっていると感じる。
(2)現在の仕事に興味がなくなっている。
(3)現在の仕事全般に対してやる気が起きない。
(4)何事にも飽きっぽく、特に何もしないで時間を過ごす。
(5)自分や他人に対してより悲観的、批判的になった。
(6)約束や締め切りなどを忘れることがあり、それについて気にしない。
(7)多くの時間を、友達や家族、同僚と離れてひとりで過ごすようになった。
(8)以前と比べて短気になったり、人に対して攻撃的になったりすることが増えた。
(9)冗談を言うことが減った。
(10)以前より風邪を引きやすくなったり、体調がすぐれない日が多い。
(11)頭痛を感じる日が増えた。
(12)胃腸の調子が悪い日が多い。
(13)朝起きるのが辛く、疲れが取れていない感じがする。
(14)故意に人を避けるようになった。
(15)性欲の減少が見られる。
(16)人に対して無神経になった。
(17)仕事上で結果を出していないと感じる。
(18)プライベートで楽しく有意義な時間を過ごせていない。
(19)日々、仕事やプライベートで不安を感じることがある。
(20)限界を感じたり、気力が衰えていると感じる。
結果
20~30点
特に心配しなくて大丈夫です。今の状態をキープしましょう。
31~45点
平均的な数値です。たまにリラックスする時間を作りましょう。
46点~60点
バーンアウトシンドロームの軽い状態の可能性があります。生活習慣と仕事への取り組み方を少し変えることで改善される可能性があります。
61~75点
バーンアウトシンドロームの症状が出ている可能性があります。生活習慣を変えましょう。
76~90点
バーンアウトシンドロームの可能性が高いです。症状が強くならないように生活全般の見直しをしましょう。
90点以上
バーンアウトシンドロームの深刻な症状です。心身共に健康な状態ではありません。
このチェックは目安ですが、61点以上の場合は早めの対処が必要と考えます。
燃え尽き症候群(バーンアウト)の予防法
バーンアウトしないために日々心がけると良い項目を身体的側面とメンタルの側面からまとめました。
身体的予防
- 睡眠を十分取る
- 夜勤回数を減らしてもらう
- 定期的にまとまった休みを取る
- 疲れを感じたら無理をしない
- バランスのよい食事を心がける
- 適度な運動をする
メンタル的予防
- 自分に厳しくしない
- 気分転換の方法を見つける
- 相談する人を見つける
- 仕事をひとりで抱え込まない
- 職場やプライベート環境を定期的に見直す
燃え尽き症候群(バーンアウト)になってしまったら
予防をしていてもバーンアウトしてしまったら、とにかくゆっくり心と体を休めてください。バーンアウトする人はがんばり屋さんが多く、休むことを躊躇したり罪悪感を持つ人も少なくありません。
ですが、そのまま仕事を続けていても心身共にさらに辛い状態になりますし、仕事でのミスも増える確率が上がります。 長期的な休暇を取り、仕事から離れて心も体も緊張感とストレスから解放させることが必要です。
まとめ:バーンアウトしないための最終手段は
バーンアウトシンドロームは看護師の職業病といわれることもあります。それだけ心身への影響が強い職場だということができます。
原因といわれる過度な緊張とストレスを減らすことが難しい職業ですが、予防方法を理解し取り入れることでリスクを減らすことができます。
それでも心や体がついていかないと感じる時が多ければ、思い切って職場を変えるというのも視野に入れる必要があるのかもしれません。または、フルタイムから非常勤に変更したり、病院での勤務から産業看護師や治験コーディネーターに転身するのも一つの方法です。
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